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2022年7月8日
ルノー ルーテシアE-TECHハイブリッドに試乗──スポーティな走りと驚異の低燃費を両立|Renault
Renault Lutecia E-TECH Hybrid|ルノー ルーテシア イーテック ハイブリッド
ルノー ルーテシアE-TECHハイブリッドに試乗──スポーティな走りと驚異の低燃費を両立
2022年5月に発売された新型クーペSUV「アルカナ」と同様、F1マシン由来となるルノー独自のハイブリッドシステムを搭載したハッチバック「ルーテシア E-TECHハイブリッド」が6月30日に発売された。モータージャーナリストの小川フミオ氏がさっそく同車に試乗、その走りをリポートする。
Text by OGAWA Fumio|MOCHIZUKI Hirohiko
アルカナとは異なる走りのキャラクター
ルノーが手がけるフランス流ハイブリッドが面白い。SUV「アルカナ」に続き、2022年6月30日に発売された「ルーテシアE-TECHハイブリッド」は、軽快な走りと驚異の低燃費で、クルマ好きにはぜひ注目してもらいたいと思う1台だった。
ルーテシアE-TECHハイブリッドは、1.6リッターガソリンエンジンに電気モーターの組合せ。67kWの最高出力と144Nmの最大トルクに、モーターの205Nmの最大トルクが足される。日本では先発となったアルカナと数値的にはほぼ同じだが、走りのキャラクターはけっこう違う。
ルーテシアE-TECHハイブリッドのよさを一言でいうと、スムーズな走りだ。ほとんどスポーティといってもいいぐらい。モーターがトルクを上乗せする加速性能といい、反応のいいステアリングといい、ボディロールを抑えつつ安定した挙動の操縦性といい、よく出来ていると感心。
そもそも、1.3リッターエンジンに7段ATで登場したルーテシア(インテンス)自体、ハンドリングのよさと乗り心地で印象深い出来だ。ルーテシアE-TECHハイブリッドは、脚まわりこそ少し硬めになったものの、気持よいドライビング感覚は、ルーテシアの個性をうまく伸ばしているといえる。
だいたい40km/hぐらいまでは(充電量が足りていれば)EV走行。そのあと、エンジンが始動するが、ショックも音もほとんど感じられない。メーターを見て初めて、パワートレインの状態が分かるのだ。
先にアルカナとの近似性について触れたとおり、変速機も共用している。日本のハイブリッドの多くは、変速機を持たないため、軽量とか効率のよさとか市街地ではいいのだが、高速になると頭打ち感が出てしまうというのが、欧州の事情に精通しているルノーの分析。
ルノーでは独自に変速機を開発して、高速巡航性能の向上を図っている。出力側と駆動側とにギアがあって、12通りの組合せで速度や加速度に応じて最適のギアを選ぶ。