アウディ電動化攻勢の尖兵、e-tronスポーツバックに試乗|Audi
CAR / IMPRESSION
2021年1月5日

アウディ電動化攻勢の尖兵、e-tronスポーツバックに試乗|Audi

Audi e-tron Sportback|アウディ イートロン スポーツバック

アウディ電動化攻勢の尖兵、e-tronスポーツバックに試乗

アウディが2020年9月に日本に導入したピュアEV、e-tronスポーツバック。前後に2基のモーターを搭載し4輪を駆動する「新世代のクワトロ」を搭載した、アウディ電動化攻勢の尖兵ともいえるモデルにモータージャーナリスト小川フミオ氏が試乗した。

Text by OGAWA Fumio|Photographs by KAWANO Atsuki

SUVでもスポーティな仕様を手がけてきたアウディならではの走り

「電動化攻勢を開始しました」。ドイツ本国のアウディAGは、いまそんな声明を出している。日本で2020年9月に発売された「アウディe-tron(イートロン)スポーツバック」は、これからのCO2規制を先取りするようなEVでありつつ、特徴は単に“排ガスを出さない”にとどまらない。運転すると意外なほどスポーティなのだ。
スタイリングは、クーペ的なキャビンのデザインを持つクロスオーバー。車体サイズは全長4900mmと余裕があるものの、スタイリッシュに造型されているため、やたら大きくは感じない。4人で楽々乗れて、でもゴツくなく、しかもEV、という希有な条件が揃っている。
クルマにさほど興味なくても、人はステアリングホイールを握れば、無意識のうちに“このクルマ好きだなあ”と思うもの。e-tronスポーツバックはそんな1台だ。たとえ、アウディというブランドと、スタイルに惹かれて興味を持っても、乗れば楽しくて、かならず好きになれそうだ。
e-tronスポーツバックはパワフルだ。ガソリン車やディーゼル車より、瞬発力が強くて、スタートダッシュの速さは、BEV(バッテリー駆動のピュアEV)ならでは。加えて、操縦安定性が高くて、速さとハンドリングがうまくバランスしているのがとてもいい点なのだ。
通常はリアのモーターを使う後輪駆動。状況に応じて前輪を駆動する。前輪が駆動されるのに要する時間は、0.03秒だそうだ。アウディではこれを「新時代のクワトロ」(クワトロはアウディ独自のフルタイム4WDシステムのこと)と呼ぶのが、面白い。時代が変わってきているのだなあと思わせられる。
カーブを曲がるときに安定しているのは、重いバッテリーを床下に搭載しているため、重心高が低いから。これまでSUVにおいてもスポーティな仕様をあれこれ手がけてきたアウディならでは、といえる。ピュアEVでも大事なのは、経験にもとづいたクルマづくりのノウハウ、とは多くの自動車メーカーのエンジニアが言うことで、e-tronスポーツバックの運動性能の高さはまさにいい例だ。
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