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2021年3月25日
ドイツ勢とはひと味違う日本的ともいえるEV──レクサスUX300eに試乗|LEXUS
LEXUS UX300e|レクサスUX300e
EVならではのナチュラルな操縦感覚が魅力
EVに何を期待するかは人それぞれだ。こちらからUX300e推しの理由としてあげられるのは、ガソリン車やハイブリッド車よりも、さらにナチュラルな操縦感覚が得られるところだ。すっと発進して、ぐんぐんと加速する。同時に、カーブを曲がるのも得意で、ドライバーの行きたい方向へ自然にクルマが動いていく。
モーターで前輪を駆動するUX300eでは、エンジンより駆動力を緻密に制御できる。さらに、ステアリングやブレーキの制御をうまく組み合わせて、無理なく走れる気持ちよさが作りこまれている。これをレクサスでは「すっきりしたハンドリング性能」と呼ぶ。別の言葉を使うと、新しい時代の楽チンさといえばいいだろうか。
車内の快適性を上げるのも重要なテーマだったとレクサスの開発者は言う。たしかに高速巡航時の乗り心地も、専門的にはフラットライド。つまり乗員の頭や体がむやみに揺さぶられることはない。かつウィンドシールドを含めてボディ各部の遮音対策は徹底的に行われたとされている。
UX300eではトランクの床面がフラットになったのも、細かいけれど、実際の使い勝手の点では特筆点だと思う。そもそもボディ外寸が抑えめで、トランク容量は大きくとれなかったところにもってきて、燃料タンクやバッテリーなどのためにでこぼこした床面形状だった、UXシリーズ。UX300eはそこもすっきりした。実際の容量は、従来の220リッター程度から、310リッターへと上がっている。
航続距離は、リアルライフと同等の数字が出るWLTCモードで367km。エアコンを使ったり、急加速をしたりすると、伸びが鈍化する。それでも、300kmになんなんとするようで、走行距離が短い人は、週に1回ぐらいの充電でも事足りるのではないかと思う。その場合、ディーラーで、という手もありそうだ。もちろん、バッテリーの寿命を考えれば、時間をかけての普通充電が望ましい。
UX300eは「version C」(580万円)と、「version L」(635万円)で構成されている。ピュアEVには環境省や経産省、それに、自治体から補助金が出る。充電環境が周囲にある人なら、いちど試してみてもいいと思う。ドイツ車のようにことさら“新しいこと”を追究していない、日本的ともいえるEVの現在形がよく分かるクルマだ。
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