インフィニティQ60コンセプト、あきらかになる次世代クーペデザイン|Infiniti
CAR / FEATURES
2016年1月15日

インフィニティQ60コンセプト、あきらかになる次世代クーペデザイン|Infiniti

Infiniti Q60 Concept |インフィニティ Q60 コンセプト

インフィニティとしてスカイラインはエモーショナルに変貌する

日産が北米で展開するプレミアムブランド、インフィニティから、先のデトロイトで発表された「Q60コンセプト」は、「Q50」のクーペ版、すなわち日本の次期「スカイライン クーペ」と目されるデザインコンセプトである。実際に現地で目にした九島辰也氏が、デザイナーのプレゼンテーションを通じて、インフィニティが提案するあたらしいクーペの姿をお伝えする。

Text by KUSHIMA Tatsuya

柔らかさの中にエッジをきかせた情感あふれるクーペ

このところにわかに日本でも話題になりつつある“インフィニティ”。新型「スカイライン」のエンブレムとしてフロントグリルに輝いているのは言わずもがな、今度は「フーガ」にも取り付けられた。もちろん、どちらも北米ではインフィニティブランドで展開される。スカイラインは「Q50」、フーガは「Q70」というモデル名だ。

そして1月におこなわれたデトロイトモーターショーでは「Q60コンセプト」が発表された。日本名で言えば、スカイラインクーペとなるであろうモデルだ。Q50のイメージを残しつつ、洗練されたクーペデザインが提案された。

Infiniti Q60 Concept |インフィニティ Q60 コンセプト

なだらかなファストバックが強調されたスケッチ

Infiniti Q60 Concept |インフィニティ Q60 コンセプト

デザインの指揮をとったアルフォンソ•アルバイサ氏

デザインの指揮をとったのはインフィニティモーターカンパニー、エグゼクティブデザインディレクターのアルフォンソ•アルバイサ氏。一昨年の4月からフューチャーデザイン、つまりコンセプトカーを担当している。アルバイサ氏のデザイナーとしての経験は25年以上。1988年にサンディエゴのニッサンデザインチームに参加したのがキャリアのはじまりとなる。

じつはその前日、招待されたメディアに対しおこなわれたお披露目で、誇らしげに語りかけていた彼が、今回ステージでもプレゼンテーターをつとめた。

Infiniti Q60 Concept |インフィニティ Q60 コンセプト

デザインレンダリングは主張したいラインがはっきりあらわれている

印象的だったのは「これまでのインフィニティの中でもっともエモーショナルなものとなった」という言葉だ。確かにいままでも抑揚をうまく使う印象はあったが、これまで以上に有機的で情感豊かに見える。

デザインはコンセプトカー「Q30」と「Q80インスピレーション」からの流れをくんでいる。前者は一昨年のフランクフルトモーターショーで、後者は昨年のパリオートサロンで発表された。どちらもカーデザインとして高い評価を得たものだ。

共通して言えるのは、抑揚ある複雑な面構成。柔らかさの中にエッジの効いた部分を取り入れ、メリハリを出している。光の入り具合によってちがった表情を見せるところが目あたらしい。今回のコンセプトはクーペというパーソナルユースを意識したモデルだけに、それがしっくりきている。


Infiniti Q60 Concept |インフィニティ Q60 コンセプト

インフィニティとしてスカイラインはエモーショナルに変貌する (2)

覚醒をつづけるインフィニティ

Q60コンセプトのディメンションは全長4,690×全幅1,865×全高1,370mm。この数字からもワイド&ローであることがわかる。乗車定員は2+2の4名で、クーペらしいフォルムが築かれた。ホイールは21インチの専用デザイン。ハイグロスブラッククロームが足下を引き締める。

エンジンは次世代と目される3リッターV型6気筒の直噴式で、そこにツインターボチャージャーが組み込まれる。このユニットはQ80インスピレーションで紹介されたもの。軽量コンパクトながら高効率でハイパワーを期待できる。とはいえ、実現はあと2年くらい待たなくてはならないので、搭載はQ60の市販化後になるとおもわれる。

エンジンの他ではダイレクト アダプティブ ステアリング(ステアリング バイ ワイヤー )など、電子デバイスを含んだ新技術が山ほど搭載される。まぁ、その辺はプレミアムカーとしての装備に抜かりはないだろう。なんたってインフィニティブランドで売られるのだから。

Infiniti Q60 Concept |インフィニティ Q60 コンセプト

Infiniti Q60 Concept |インフィニティ Q60 コンセプト

そう考えると、日本でのスカイラインのポジションはもっと上でもいいのかもしれない。慣れ親しまれたスカイラインという名前で、ともすると大衆的なイメージをもつが、海の向こうでは明らかに格上となる。逆に言えば、日本でスカイラインはお買い得かもしれない。アメリカ人に愛車をたずねられたら「インフィニティ!」と答えられるからだ。

そんなインフィニティブランドはただいま覚醒中。日本、北米、中国で展開している工場を、今年は英国に、2年後にはメキシコにオープンする。その点からもQ60コンセプトは重要なモデルと言える。そして、ライバルたるレクサスが満を持して「RC」をリリースしたことからもわかるように、2ドアクーペはブランドのイメージを牽引する重要なファクターとなる。

           
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