インフィニティQ50北米で販売開始|Infiniti
Infiniti Q50|インフィニティ Q50
インフィニティ「Q50」販売開始
日産の海外展開プレミアムブランド、インフィニティは、ニューヨーク国際オートショーにおいて、「G50」の2014年モデルを発表した。
Text by SUZUKI Fumihiko(OPENERS)
優れたパッケージングと先進技術の導入
インフィニティ「Q50」は、日産「スカイライン」の姉妹車であり、スポーティセダンの新型に付けられた名称だ。デトロイトモーターショーでワールドプレミアを果たしたそのG50の2014年モデルが公開され、価格や仕様が発表された。
Q50のデザインコンセプトは、2009年のジュネーブモーターショにおいて、インフィニティブランド20周年を記念して発表されたコンセプトカー「エッセンス」を祖にもち、フロントからリアにかけて流れるような力強いプロポーションや、フロントの“ダブルアーチ”と呼ぶグリル形状、三日月形に切り返すCピラー部分にその影響を色濃く残している。
セダンボディでありながらCd値はわずか0.26という低い数値を達成。走行中において、フロントやリアに揚力がかからない、つまりゼロリフトも実現させている。
北米仕様として設定されるパワートレインは2種類。ひとつが、CVTCS(連続可変バルブタイミングコントロール)やVVEL(可変バルブイベント&リフト)を搭載した、3.7リッターV型6気筒DOHC 24バルブのエンジン。最高出力328ps、最大トルク269lb-ft(365 Nm)を発生させる。
もうひとつが、“ダイレクト レスポンス ハイブリッド”と名付けられた、ガソリンエンジン+電気モーターのハイブリッドだ。「燃費に影響をあたえないようにパフォーマンスを得るためのハイブリッド」とかたるこのシステムが、エンジンが最大出力296ps、最大トルク255lb-ft(346Nm)を発生する3.5リッターV型6気筒 24バルブのもの。これに、デュアルクラッチで接続されるのが、最大出力67ps、トルク199lb-ft(270Nm)を発生する50kWの電気モーター。システム統合では最高出力354psを発揮する。
組み合わされるトランスミッションは、マニュアルモードが付いた、7段オートマチック。駆動はFRもしくは4WDが設定される。
インフィニティQ50で注目されるひとつが、市販車世界初採用となるステア バイ ワイヤ機構「インフィニティ ダイレクト アダプティブ ステアリング」。これは、ステアリングとタイヤの間を、ステアリングコラムとギアを組み合わせた機械的な伝達ではなく、電気信号に変えて伝達するというもの。すでに、ブレーキやアクセルスロットルでは採用の例があるが、ステアリングでの採用は初めてとなる。
この「インフィニティ ダイレクト アダプティブ ステアリング」を導入することにより、操舵入力とタイヤの切れ角を調節し、従来のメカニカルな機構よりも素早い応答性と、路面情報のフィードバックを実現するという。また、万一の故障にそなえ、バックアップとして機械式の接続もされている。
また、このアダプティブステアリングの機能で実現したのが、「アクティブ レーン コントロール」機能だ。これは、カメラ式のレーン逸脱防止装置にくわえ、路面のギャップや横風により車両の向きがほんのわずかにずれても、道路に沿って真っすぐ進むように自動的に修正舵をくわえるというもの。
さらにあたらしい特徴が「i-Key」というパーソナライゼーション機能。これは、ドライビングポジションや空調設定、オーディオやナビといった最大96項目にもおよぶ各種設定をキーに覚え込ませ、差し込んだだけで、ドライバーにあったセッティングに変更してくれるというもの。1台にたいして4つまでのi-Keyを登録できる。
インテリアは中世の甲冑からヒントを得たという“Kacchu”アルミニウムトリムや、漆塗りによる本物のメープルウッドトリム“Fukiurushi”(拭き漆)を組み合わせることができる。このほか、キャビンの静粛性を向上するため、ドアに設置された4つのスピーカーから、逆位相の音を出して低周波ノイズを打ち消す「アクティブ ノイズキャンセラー」も装備している。
最先端テクノロジーが導入された「G50」は、今年の夏よりアメリカやカナダで販売を開始、以降、世界中で発売を予定している。アメリカでの価格は、3.7リッターV6のFRが、36,450ドルから、4WDでは38,250ドルから。ハイブリッドはFRが43,700ドルより、4WDが45,500よりと設定された。