ジャガー、ランドローバー、そしてミニのいま 第2回|Land Rover
Land Rover|ランドローバー
ジュネーブ&NYモーターショー インタビュー特集
ジャガー、ランドローバー、そしてミニ ―英国車のいまと近未来 第2回
SUVはまだまだ進化する
前回のジャガー篇につづき、今度はランドローバーを九島辰也氏が取材。SUV進化のアイデアがこのブランドにはあり、その未来を実現するためにアクションをおこしている。
Text by KUSHIMA Tatsuya
SUVは世界2,000万台のマーケットになる
ランドローバーはグローバル ブランドダイレクターのジョン・エドワーズ氏とデザインダイレクターおよびチーフ クリエイティブ オフィサーのジェリー・マクガバン氏に伺った。
エドワーズ氏がSUVについてこういう。
「SUVマーケットは今後さらに広がっていきます。2020年までにいまより30-40パーセント大きくなると予想されます。世界2,000万台マーケットくらいに」
「傾向としてはサイズは小さくなって、よりデザインコンシャスになっていくでしょう。もちろん中は広く。我々はSUVブランドのリーダーとしてそこでしっかりポジションを築く自信を持っています」
イヴォークの世界的な成功からだろうか、エドワーズ氏の口調は自信に溢れていた。
確かにイヴォークはSUVのデザインで革命を起こしただけに、そうなるのは至極自然である。
では、パワートレーンはどうなって行くのか?
「SUVのパワートレーンはもっと効率よくなっていきます。エンジンはガソリン、クリーンディーゼル、EVとあらゆる角度から可能性を追求します。また今回イヴォークに9段ATを搭載しますが、トランスミッションとの組みあわせも重要でしょうね」
彼らはUKに5億ポンドを投資しあらたなエンジン工場を建設中だ。2015年半ばには稼働する予定で、ガソリンとディーゼルの両方の生産を画策している。
また、年内には新型レンジローバーにディーゼルハイブリッド車を追加する予定だというからそちらもニュースになるであろう。ちなみに、2012年はイヴォークに販売台数が10万台を越えたこともあり、総台数は前年比30パーセント増となったそうだ。
レンジローバーの3本の矢
では、エドワーズ氏の話はこれくらいにして、NYで新型「レンジローバー スポーツ」を発表したデザイナー、ジェリーの話に耳を傾けよう。
レンジローバーと今回の同スポーツ、それとイヴォークの棲み分けはどうなっているのか?
「ひとつのストラテジーのもとに3つがデザインされています。それぞれ役割もことなるのでそれを具現化したのがデザインだと考えてください」
「イヴォークは、空白にあたらしいお客さんを呼び込む役、レンジローバーは強いカスタマーベースにアピールするのが役目です」
ひとつのストラテジーのもとに3つがデザインされています。それぞれ役割もことなるのでそれを具現化したのがデザインだと考えてください」
「イヴォークは、空白にあたらしいお客さんを呼び込む役、レンジローバーは強いカスタマーベースにアピールするのが役目です」
「で、スポーツはじつはNYで人気が高く売れているのですが、ここにある強いカスタマーベースに強くアピールするようつくられています。よりマスキュラー(筋肉質)に、ですかね。従来からボクシーな仕上がりですが、今回はそこにダイナミックとテクノロジーがくわわっています」
イヴォークでSUVデザインの革命をおこなったマクガバン氏が今度はレンジローバースポーツでも大胆なデザイン変更をおこなった。しかも、新型レンジローバー同様アルミニウムフレームという離れ業である。
そんなことからもこのブランドの未来は明るそうだ。冒頭エドワーズ氏が話してくれたようにSUVマーケットが膨らむのであれば、技術的にもデザイン的にもそのリーダーとしてランドローバーは進化していくことだろう。