英国車のいま 第1回 ジャガーは立ち止まらない!|Jaguar
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ジュネーブ&NYモーターショー インタビュー特集
ジャガー、ランドローバー、そしてミニ ―英国車のいまと近未来 第1回
ジャガーは立ち止まらない!
英国車はどうして魅力的なんだろう? いまや、完全に英国資本、英国生産の英国車ブランドは、ほとんどないというのに。今回は、モーターショーリポートの番外編として、ジャガー、ランドローバー、そしてミニを巡りながら、九島辰也氏が英国車の現在を探る。第1回目は、「Fタイプ」がついに日本でも発表となり、これからの動向がますます気になるジャガーから。
Text by KUSHIMA Tatsuya
ジャガーへの反応は上々
ここ数年英国の地を何度も踏み、各メーカーのファクトリーや縁の地を訪ねたり、ジャガーをはじめとする数多くの英国車を所有してきたが、やはり自動車勢力図における英国ブランドのポジションは興味深い。ドイツ勢の台頭を横目に唯我独尊のごとく進化する英国ブランドはクルマ好きの心を満たすからだ。
そんな見地から2つのモーターショーでおこなったインタビューをとおし、3つのブランドについて分析してみた。
まずはジャガー。グローバル ブランドダイレクターのエイドリアン・ホールマーク氏に現状をうかがった。
ジュネーブでは「XFR-S」をNYでは「XJR」と「XKR-S GT」(北米専用車)を発表した。そしてさらに「Fタイプ」の日本での販売がはじまった。
Fタイプのムービーはリドリー・スコット監督作
「FタイプはXFよりもボリュームは小さいが重要なモデルです。ブランドのエッセンスを代表するという面からローンチは大きな意味があります。我々が掲げる“イノベーティブ テクノロジー”“セダクティブデザイン”“インスピレーショナル パフォーマンス”を具現化しています。見て、触って、走らせてそれを体感いただけるでしょう。ですからローンチキャンペーンも大掛かりにやります。現在ショートフィルム作成中。監督は映画『ブレードランナー』でお馴染みのリドリー・スコット氏です。ご期待ください」
彼らのFタイプにかける意気込みはすごい。ラインナップされる3つのモデルのステアリングを握ったが、その出来映えは想像を超えていた。その詳細はまた別の機会にするが、トップエンドの5リッターV8+スーパーチャージャーはエンジンサウンドとタイトコーナー出口でのテールスライドはかなり魅力的であったと報告しておこう。
ショートフィルムにかんしてはそれはまるで映画そのもの。ジュネーブでもNYでもその一部をブースで流したが、おもわず立ち止まって見入ってしまった。また、彼らはマーケティング上でミュージシャンやアーティストとコラボレーションを積極的に進めている。あらたな若い層の獲得をにらんでいるためだ。
さらに2つの新型が?
ニューモデルについてはインタビューの中でこんなこともいっていた。
「次の4、5年ではアフォーダブルなモデルと上の値段のモデルを考えている」
となれば気になるのはアフォーダブルの方。「Xタイプ」の後継になるかはわからないが、より身近なプライスレンジでジャガーのステイタスが手に入るのは興味深い。
そんなことを鑑みると、ジャガーの大逆襲はまだまだこれからかもしれない。