カルティエ|SIHH 2015 ジュネーブサロン速報|CARTIER
Eric Maillet © Cartier
CARTIER|カルティエ
さらなるスタイルと技術の完成に向けて
カルティエの新コレクションが登場(1)
カルティエがSIHHで放った最大のニュースは、ブランドのあらたな軸となる新コレクションの発表だろう。その名は「クレ ドゥ カルティエ」。アイコニックなデザインを持つ「サントス」「タンク」「バロン ブルー ドゥ カルティエ」に続く4番目の定番コレクションとしての船出だ。時計職人によるコンプリケーションへの情熱が注がれた本作は、ほかにはない精密な意匠やデザインへの探求、そしてメカニズムにおいても一段と完成された域に達している。
Text by KAWADA Akinori
ブランドの新たな“鍵”となる新コレクション
クレ ドゥ カルティエ
2015年にお目見えした、まったく新しいコレクションが「クレ ドゥ カルティエ」だ。モデル名の「クレ(clè)」とは、フランス語で“鍵”を意味する。ブルーのカボションを配した、丸みのあるスクエアスタイルのリューズにインスパイアされた名で、このリューズを引き出し、時間を調整し、再びカチっとハメ込む一連の流れは、“鍵”を開け閉めを想起させる。曲線美と立体感にあふれるケースは、建築物を思わせる。新自社ムーブメントCal.1847 MCは、シンプルを極め、精度と美観を兼備する名品だ。伝説的なタイムピース「サントス」「タンク」「バロン ブルー ドゥ カルティエ」に続いて、ブランドの躍進を示す“鍵”にもなる時計である。
ケース|18Kピンクゴールド
直径|40mm
ムーブメント|自動巻き(Cal.1847 MC)
機能|日付表示
ストラップ|アリゲーター
発売時期|4月18日発売予定
税抜予価|193万円
ハイコンプリケーションを複数搭載
ロトンド ドゥ カルティエ グランドコンプリケーション ウォッチ
トゥールビヨン、永久カレンダー、ミニッツリピーターといったハイコンプリケーションを複数搭載した時計を“グランドコンプリケーション”と表現することがある。この時計は先にあげた3つの複雑機構を、1つに搭載したカルティエの“グランドコンプリケーション”である。しかも、ただ複雑機構を載せただけではない。文字盤と裏ブタをシースルー仕様とし、複雑な機構とともに、様々な装飾を施して、見せることを意識している。しかも、ムーブメントの厚さはわずかに5.49mm。自動巻きだが、巻き上げ効率を高めるため、マイクロローターを2層式とするなどの工夫も怠りない。初にして、これだけの高次元のメカニズム。カルティエの技術力の高さがうかがえる。
ケース|950プラチナ
直径|45mm
厚さ|12.6mm
ムーブメント|自動巻き(Cal.9406 MC)
機能|フライングトゥールビヨン、永久カレンダー、ミニッツリピーター
ストラップ|アリゲーター
防水性|日常生活防水
発売予定|11月予定
税抜予価|7500万円
そのユニークさは、既に神話的
クラッシュ スケルトン ウォッチ
この時計は、決して壊れた時計ではない、と思わず訴えたくなる。しかも、オリジナルがあるというのだから、なおさら驚かされる。1967年、事故で壊れて修理に持ち込まれた時計に、カルティエ ロンドンの経営者が魅了され、その破損したケースの姿をデザインに加えてしまったという。こうして「クラッシュ ウォッチ」が、'70年代に非常に限られた数だけ製造され、神話的存在として語り継がれた。この時計はそんな「クラッシュ ウォッチ」を現代に甦らせたものだ。この形状を実現するため、手巻きCal.9618 MCが専用設計され、その特異な機構のレイアウトはシースルーバックから常にうかがうことができる。甦ったその独創的フォルムは、既にして神話的である。
ケース|950プラチナ
直径|縦45.3×横28.1mm
厚さ|9.6mm
ムーブメント|手巻き(Cal.9618 MC)
ストラップ|アリゲーター
防水性|日常生活防水
発売予定|4月予定
税抜予価|810万円
カルティエ カスタマー サービスセンター
0120-301-757
http://www.cartier.jp
CARTIER|カルティエ
さらなるスタイルと技術の完成に向けて
カルティエの新コレクションが登場(2)
時計の中に展開される小宇宙
ロトンド ドゥ カルティエ アストロトゥールビヨン スケルトン ウォッチ
脱進機をキャリッジ(籠)に格納して回転させるトゥールビヨンは、パーツの微細化のために、製造の難易度は機械式時計の中でも最高峰クラス。この時計は、そのトゥールビヨンで、キャリッジをさらに運動させるという究極のトゥールビヨンだ。完全にスケルトン化された時計の内部で、このトゥールビヨンのキャリッジは、自ら回転しながら、時計の中央に対しても回転する。強靭な透明の先端素材、カーボンクリスタルを用いて、メカニズムを時計内で浮かびあがらせるように支え、XIIとVIの2つのローマ数字がかすかに残る地板と連なる。キャリッジが自転しつつ恒星の周囲を公転する惑星のような動きをする内部構造は、まさに小宇宙である。
ケース|18Kホワイトゴールドケース
直径|47mm
厚さ|15.8mm
ムーブメント|手巻き(Cal.9461 MC)
機能|トゥールビヨン
ストラップ|アリゲーター
限定数|世界100本
発売時期|4月発売予定
税抜予価|1910万円
ダイヤモンドセッティングに技術革新
バロン ブルー ドゥ カルティエ セルティ ビブラン
時計製造において優秀なマニュファクチュールであるカルティエの歴史は、専門性の高い卓越したジュエラーの歴史でもある。この「バロン ブルー ドゥ カルティエ」の新作は、ただ、時計にダイヤモンドをセットしただけではない。19世紀末に登場した“トレンブリング セッティング”という技法を現代に甦らせてブラッシュアップし、文字盤上のダイヤモンドは、腕や時計の動きに合わせ、優しく揺れ動く。この技術は、現在3つの特許を出願中であり、時計のマニュファクチュールとジュエラーという2つの側面を併せ持つカルティエだからなしえた技である。薄型のムーブメントを搭載した、この貴重なタイムピースは、時計のエレガンスに画期的な革新をもたらしている。
ケース|ダイヤ付き18Kホワイトゴールド
直径|42mm
厚さ|14.05mm
ムーブメント|手巻き(Cal.430 MC)
ストラップ|ダイヤ付き18Kホワイトゴールド
防水性|日常生活防水
限定数|世界20本
発売時期|4月予定
税抜予価|3030万円
レーヴ ドゥ パンテール ウォッチ
昼と夜とを詩的に表現する
時計の面白さは、単に針でインデックスを指し示すだけでなく、芸術的に時刻を表現することが可能な点にある。この時計もそんな面白さを備えた時計だ。この時計は時刻を、文字盤の下部に絵が描かれたディスクによって行われる。文字盤の半分は開口部とされ、外周に12時間分のインデックスが配されている。午前6時にこの開口部に太陽の絵が現れ、時刻の経過とともに空は青空に、太陽の位置は刻々と変化する。そして、午後6時に太陽が沈むと、変わって月が現れ、空は夜空へと変化する。この太陽と月が交互に現れては消えて時を告げる夢のような光景をうっとりと眺める3匹の豹(パンテール)。そんな自然のシーンが、詩的な情感いっぱいに描かれている。
ケース|ダイヤ付き18Kホワイトゴールド
直径|42.7mm
厚さ|11.75mm
ムーブメント|自動巻き(Cal.9916 MC)
機能|回転ディスクによる時刻表示
ストラップ|アリゲーター
防水性|日常生活防水
発売時期|4月発売予定
税抜予価|1980万円
カルティエ カスタマー サービスセンター
0120-301-757
http://www.cartier.jp