オーデマ ピゲ|SIHH 2016 ジュネーブサロン速報|AUDEMARS PIGUET
WATCH & JEWELRY / SIHH&BASEL
2016年2月3日

オーデマ ピゲ|SIHH 2016 ジュネーブサロン速報|AUDEMARS PIGUET

進化を続けるロイヤル オーク(1)

今年のオーデマ ピゲには2つの傾向をみいだすことができる。一つは、創業以来手がけてきた複雑機構ミニッツリピーターの最先端モデル、もう一つはこれもやはり創業時から受け継がれてきた素材、イエローゴールドをロイヤル オークのデザインコードで発表した点だ。

文/河田昭則

旗艦モデルにふさわしいコレクションの充実

もはやブランドを代表するコレクションとして不動の地位を占める「ロイヤル オーク」が、コレクションを大きく拡充している。

まず、ケースを初めとする外装について。大きく注目したいのは、18Kイエローゴールドケースモデルの新展開である。近年、ゴールドモデルは、肌への馴染みのよいカラーということもあって、ピンクゴールドに人気が集まる傾向にあったが、古典的なラグジュアリーカラーであるイエローゴールドを大きく取り上げることで、近年の時計界における原点回帰の流れに一石を投じることになりそうだ。同時に、好対照なヴィヴィッドでカジュアルなカラーを、ロイヤル オーク オフショアにまとわせるという大胆な試みも行っており、未来志向という点でも注目したい。

一方、技術革新の歩みも停まっていない。2015年は、音響解析まで徹底的に研究・開発を行ってきた「ロイヤル オーク コンセプト RD#1」が印象的だったが、プロトタイプではなく、正式モデルが登場した。このほか多くのコンプリケーションが用意されたが、精度安定のための技術的な新機構も搭載している。テンプとヒゲゼンマイを2つ重ね合わせた「ダブルバランスホイール」である。

こうした内外ともに新しい試みを次々に投入される「ロイヤル オーク」は、やはりオーデマ ピゲのアイコンウォッチと呼ぶにふさわしい。

クラシックゴールドに心を奪われる

18Kゴールドは一種の合金であり、全体の24分の18が金で、24分の6が“割金”と呼ばれる金以外のメタル成分である。視覚に映る色味により、イエローゴールド、ピンクゴールド、ホワイトゴールドなどの種類がある。元々、時計ケースに多く用いられていたのは、イエローゴールドだったが、近年の時計のケース素材で人気なのは、肌に馴染みのよいピンクゴールドだ。

今回、7モデルが登場したのは「ロイヤル オーク」イエローゴールドである。だが改めて、ケースもブレスもイエローゴールドとした「ロイヤル オーク」を実際に手に取ってみると、従来の黄色過ぎるイヤミがなく、自然な気品が感じられる。シルバー文字盤、ブルー文字盤ともに、ロイヤル オークの特徴であるヘアラインとポリッシュ仕上げによる独特の落ち着きがある発色で、ケースやブレスのゴールドを抑制し、まるでアンティークゴールドを思い起こさせるようなレトロシックな色彩に仕上がっている。

元々ステンレススチールでラグジュアリーを演出してきた「ロイヤル オーク」では、このイエローゴールドモデルは、むしろ定番商品になかった色彩だ。特に自動巻きモデルでは、渋い色合いが強調され、37mmのサイズと相まって、モダンなデザインながらコンサバティブな時計として完成を見ているように思われる。ラグジュアリーの新しい解釈として、編集部からもおすすめしたい1本である。

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ロイヤル オーク
オートマティック

ケース|18Kイエローゴールド
直径|37mm
厚さ│9.8mm
ムーブメント|自動巻き(Cal.3120)
機能|日付表示
ブレスレット|イエローゴールド
防水|5気圧
発売時期|2015年3月予定
予価|475万2000円

問い合わせ先

オーデマ ピゲ ジャパン

Tel. 03-6830-0000

http://www.audemarspiguet.com/jp/

Page02. 夏のカジュアルスタイル

進化を続けるロイヤル オーク(2)

夏のカジュアルスタイル

舷窓を模した形状は、もとより近未来的と表現されてきたのだし、ダイバーズ仕様は一段とコンテンポラリーなデザインだった。ヴィヴィッドな差し色を使った限定モデルもなかったわけではない。

だが、ここまでされるとコロンブスの卵だと思ってしまったのが、直営ブティック限定で用意された「ロイヤル オーク オフショア ダイバー・クロノグラフ」である。その最大の特徴は、初のクロノグラフ搭載と鮮やかすぎるほどのカラーリングだ。

日本への入荷が予定されているのは3色で、ブルー、レモン、オレンジ。レモンのフレッシュな色合いは言うに及ばずであり、深いブルー文字盤も針や潜水時間のトラックに用いられるイエローが鮮烈である。一見して、カジュアルなデザイン系ブランドの時計かと思わせる色使いだ。しかし、ケースも、ムーブメントも、一分の隙なく作り上げられた名門メゾンのダイバーズウォッチである。

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ポップなカラーリングと成熟した完成度との、いわば“ミスマッチ感”に遊心があふれ、ウィットを解する大人にこそオススメだ。この夏、本格リゾートで着ける時計を探しているのなら、この時計に限る。

ロイヤル オーク オフショア・ダイバー・クロノグラフ
ケース|ステンレススチール
直径|42mm
厚さ│14.75mm
ムーブメント|自動巻き(Cal.3124/3841)
機能|クロノグラフ(30分積算計)、スモールセコンド、潜水時間を記録するインナーリング
ストラップ|ラバー
防水|300m
発売時期|2015年6月予定
予価|302万4000円

問い合わせ先

オーデマ ピゲ ジャパン

Tel. 03-6830-0000

http://www.audemarspiguet.com/jp/

Page03. あのコンセプトモデルが製品化される

進化を続けるロイヤル オーク(3)

あのコンセプトモデルが製品化される

2015年にコンセプトモデルとして発表された「ロイヤル オーク コンセプト RD#1」。ローザンヌ工科大学との8年間にわたる共同研究の成果として発表されたその時計は驚くべきミニッツリピーターであり、普通、着用者の耳に届くのが関の山のチャイム音が、数メートル離れていても心地よく聞こえるという驚くほどの音響のよさを誇っていた。

そのコンセプトウォッチが「ロイヤル オーク コンセプト・スーパーソヌリ」の名で、いよいよ製品化される。それ伴って、驚異的な音響の秘密も公開された。

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ケースバックを見ると、いくつもスリットが設けられている。実は裏が二重構造になっていて、その内側にもうひとつ、音響板と言うべき裏蓋がネジこまれているのだ。ケース内では、この音響板に、スチール製のリング状のゴングが留められており、ハンマーがゴングを叩くと、音が音響板に共鳴する。そして、音響板によって増幅された音が裏蓋の間の空気を振動させ、スリットから音色が響くため、腕時計を着用していても音量が確保される。なお、音響板がケースとの気密性を確保しているために、防水能力が保たれる。

ゴングを弦、時計のケースや音響板を本体という風に、ギターの構造になぞらえた解説も行われ、その構造は実によく考えられたものである。音量も豊かで、音色は腕に着けている方が美しいと言われるほど念入りに作り込まれるこの時計は、鳴り物時計のひとつのベンチマークとなるだろう。

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ロイヤル オーク コンセプト・スーパーソヌリ
ケース|チタン
直径|44mm
厚さ│16.5mm
ムーブメント|手巻き(Cal.2937)
機能|ミニッツリピーター、トゥールビヨン、クロノグラフ(30分積算計)
ストラップ|ブラックラバー
防水|20m
発売時期|2016年9月予定
予価|6453万円

問い合わせ先

オーデマ ピゲ ジャパン

Tel. 03-6830-0000

http://www.audemarspiguet.com/jp/

Page04. 脱進機のさらなる進化を目指して

進化を続けるロイヤル オーク(4)

脱進機のさらなる進化を目指して

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従来からオーデマ ピゲは時計の精度を司る脱進機の改革に取り組んでおり、脱進機への動力伝達経路を独自化し、摩耗を抑制したAPエスケープメントを開発している。今回登場した「ダブル バランスホイール」は、さらなる脱進機の改革に繋がる発明である。

この「ロイヤル オーク・ダブル バランスホイール・オープンワーク」は脱進機を規則的に動かすパーツ、テンプ(バランスホイール)とヒゲゼンマイ(バランススプリング)を2つ搭載する。ヒゲゼンマイが伸び縮みする運動を動力源としてテンプが左右に揺れる。この動きが正確に行われ、アンクルと呼ばれるパーツが歯車を規則正しく1歯ずつ送る動きを行うから、時計の動作は正しく保たれる。

時計の精度の根本である2種類のパーツを、同軸に、重ねて配置するのが、今回搭載する自動巻きムーブメント、キャリバー3132の大きな眼目である。こうすることで、時計の姿勢差が長く生ずる場合など、ヒゲゼンマイやテンプにかかる重力などの外力は分散するうえ、お互いに動きを補い合うから、動作も平均化する。こうして、脱進機の動きが安定すれば、精度も維持しやすくなる。

サファイアクリスタルの風防と裏蓋、オープンアークが施された文字盤とムーブメントのおかげで、表裏いずれからでも、テンプの動きを楽しめるのも大きな特徴だ。時計の機構の新しい発展を告げるメカニズムとして、その発展する方向にも注目していきたい。

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ロイヤル オーク
ダブル バランスホイール・オープンワーク

ケース|ステンレススチール
直径|41mm
厚さ|9.9mm
ムーブメント|自動巻き(Cal.3132)
パワーリザーブ|45時間
ブレスレット|ステンレススチール
防水|5気圧
発売時期|2016年3月
予価|475万2000円

問い合わせ先

オーデマ ピゲ ジャパン

Tel. 03-6830-0000

http://www.audemarspiguet.com/jp/

           
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