Audemars Piguet|ジュネーブサロン総力レポート!
Audemars Piguet|オーデマ ピゲ
傑作「ロイヤル オーク」、40周年を期に原点回帰!
クルマとは異なり、時計業界には誕生から数十年間も基本デザインを変えない傑作がいくつか存在する。しかも驚くべきことにその大部分は、昨年2011年夏に逝去したひとりの天才が創造したものである。2012年、オーデマ ピゲはその天才が創造した傑作コレクションを、誕生40周年を記念してリニューアルした。
Text & Event Photographs by SHIBUYA Yasuhito
スイス時計界屈指の名門であるオーデマ ピゲを代表する製品のひとつが、「ロイヤル オーク」。“20世紀最高の時計デザイナー”と讃えられるジェラルド・ジェンタがデザインし、1972年のバーゼルフェアで発表されたステンレススティールケースのこの薄型スポーツウォッチは、今年誕生40周年を迎えた。
今日、時計業界で最も人気の高い「ラグジュアリー・スポーツウォッチ」というジャンルを創造し、しかも他の追随を許さず輝き続けるこの腕時計は、現代時計業界における最も偉大な伝説のひとつだ。
高級時計なのに素材はゴールドではなくステンレススティール。スポーツウォッチなのに超薄型ムーブメント。ドレスウォッチ的な優雅さを持つケース一体型のブレスレット。そしてゴールド以上の高価格……。 “高級時計=ゴールド素材”、“スポーツウォッチ=厚く頑丈な造り”というデビュー当時の常識に真っ向から挑戦したこのモデルの評判が、発表当時は業界内で芳しくなかったことは、じつは有名な話である。しかし関係者の予想を覆し、「ロイヤル オーク」は世界中の行動的なセレブリティたちから、自らのライフスタイルにピッタリの腕時計として熱狂的な支持を得た。そして「ラグジュアリー・スポーツウォッチ」の“元祖にして究極”の座に君臨し続けて現在にいたっている。
誕生40周年に当たり、この傑作をどう「リ・デザイン」するか? オーデマ ピゲ本社のデザインディレクター、オクタビオ・ガルシア氏が出した答えは明快そのもの、オリジナルへの「原点回帰」だった。
その判断の正しさは、初代オリジナルモデルとまったく同じサイズ、ムーブメントを搭載した復刻モデルを見れば明らかだ。完璧なものには、手をくわえる必要はない。そしてこの原点をお手本に、文字盤やサイズをはじめすべてのモデルのディテールが改めて見直され、さらに完成度が高められた。
また「スケルトン エクストラ シン」「スケルトン トゥールビヨン エクストラ シン」という2つのモデルも、40周年記念限定で登場。どちらも、オーデマ ピゲ独自の技術とクラフツマンシップが凝縮された、時計愛好家にとっては見逃せないコレクターズアイテムだ。
「ロイヤル オーク 復刻モデル」
オリジナル・ファーストモデルを忠実に復刻
1972年のバーゼルフェアで発表され、コレクターの間では“ジャンボ”と呼ばれるファーストモデルを復刻・進化させた、「原点回帰」を象徴する2針のプレミアムウォッチ。ひとつひとつのコマのサイズを変えることで絶妙なフィット感と美しいフォルムを実現したケース一体型ブレスレット。ホワイトゴールド製のビスで留められた8角形のベゼル。搭載ムーブメントはもちろん、超薄型自動巻きムーブメントの名品として時計愛好家にはおなじみの自社製「キャリバー2121」。全247パーツで構成、毎時1万9800振動のロービートのこの機械は、シースルーバック仕様のケース裏からこの姿を眺める楽しみもある。そして従来の「復刻モデル」からの“進化”は、文字盤がオリジナルと同様の、伝統的な機械で彫刻される「プチ タペストリー」模様になったこと。そして12時位置のインデックスがオリジナルとおなじバータイプとなり、APロゴが本来の6時位置になったことだ。また、ブレスレットのクラスプは現代的に二重安全留めタイプに、自動巻きローターは巻き上げ効率の良い22Kゴールド製に進化している。まさに理想的な原点回帰と進化を同時に遂げている。
自動巻き、ステンレススティールケース&ブレスレット、ケース径39ミリ、ケース厚8.1ミリ、シースルーバック、ネジ込み式リュウズ、50メートル防水、183万7500円(予価)。6月発売予定。ピンクゴールドケース&ブレスレットのモデルもある。
「ロイヤル オーク 自動巻き」
変わらぬ魅力を放ちつづける3針モデル
2針の復刻モデルではなく、通常の自動巻き3針モデルも、今回あらたにリニューアルされた。復刻版との違いは、センター秒針の装備と文字盤の模様が「グランド タペストリー」、12時位置のインデックスがAPロゴとなり、その下の「Audemars Piguet」のロゴが小さめなこと。またケースサイズは、直径41ミリ(メンズ)、37ミリ(ユニセックス)の2サイズが用意されている。どちらも「キャリバー2121」と同様の、オーデマ ピゲ自慢の自社製自動巻きムーブメント「キャリバー3120」を搭載し、やはりその動きをシースルーバック仕様のケース裏から眺めることもできる。価格も復刻モデルよりいくらか手頃であり、非常に魅力的なモデルに仕上がっている。
自動巻き、ステンレススティールケース&ブレスレット、ケース径41ミリまたは37ミリ、シースルーバック、ネジ込み式リュウズ、50メートル防水、136万5000円(予価)。6月発売予定。なおそれぞれのサイズにピンクゴールド素材、ピングゴールドケースにクロコダイルストラップ仕様が、また37ミリサイズにはダイヤモンドをセッティングした仕様も用意される。
「ロイヤル オーク クロノグラフ」
サイズアップとスペックアップ
従来の直径39ミリサイズから2ミリアップの41ミリサイズになってリニューアルされた「ロイヤル オーク」のクロノグラフモデル。自動巻きの「グランド・タペストリー」模様、植字インデックスの文字盤も、細部の作り込みがより美しく緻密になり、視認性も明らかに向上した。そして最大の特徴は、復刻モデルを初めとする自動巻きモデルと同様の、エレガントな薄型のクロノグラフであるということ。定評のあるロービート(2万1600振動)のクロノグラフムーブメント「キャリバー2385」を搭載した10.8ミリというケースの厚みは、同じ41ミリサイズの自動巻きモデルのケース厚が9.8ミリからわずか1ミリアップしたに過ぎない。クロノグラフといってもスポーティなばかりでなく、ドレッシーな服装にも見事にフィットする大人のためのクロノグラフだ。
自動巻き、ピンクゴールドケース、クロコダイルストラップ、ケース径41ミリ、ケース厚10.8ミリ、ネジ込み式リュウズ、50メートル防水、367万円5000円(予価)。6月発売予定。ステンレススティールケース&ブレスレット、ピンクゴールドケース&ブレスレットの仕様もある。
「ロイヤル オーク クォーツ」
日本女性にもピッタリの、待望の33ミリサイズ
細い女性の手首にフィットする直径33ミリサイズで登場した、ロイヤル オーク唯一のクォーツモデル。ふた回り小さいサイズながら、文字盤のインデックスやロゴのデザインを徹底的に検討することで、他モデルと変わらない絶妙なバランスが魅力。写真のステンレススティール製ケース、ピンクゴールド製ケースを問わずすべてのモデルのベゼルには、全部で40個のブリリアントカット・ダイヤモンド(合計0.71カラット)がセットされており、腕元に華やかな輝きを添えてくれる。なおステンレススティール製ケースにはクロコダイルストラップ仕様、ピンクゴールドケースにはホワイトまたはブラウンのラバーストラップ仕様もラインナップされる。
クォーツ、ステンレススティールケース&ブレスレット、ダイヤモンドベゼル、ケース径33ミリ、ケース厚7ミリ、ネジ込み式リュウズ、50メートル防水、120万7500円(予価)。6月発売予定。
オーデマ ピゲ ジャパン
Tel. 03-6830-0000