MOVIE|英国風のユーモアとフランスのエスプリが絶妙に溶け合った人間ドラマ『愛して飲んで歌って』
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2015年2月10日

MOVIE|英国風のユーモアとフランスのエスプリが絶妙に溶け合った人間ドラマ『愛して飲んで歌って』

MOVIE|英国風のユーモアとフランスのエスプリが絶妙に溶け合った人間ドラマ

名匠アラン・レネ監督の陽気な遺作『愛して飲んで歌って』

2014年3月に91歳でその生涯を閉じた巨匠アラン・レネ監督。彼の遺作となったチャーミングな人間ドラマ『愛して飲んで歌って』が、2月14日(土)より岩波ホールほか全国順次公開される。

Text by YANAKA Tomomi

ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞

アウシュビッツ収容所でのホロコースト(大量虐殺)を告発したドキュメンタリー『夜と霧』(1955年)で世界に衝撃をあたえ、ベネチア国際映画祭で金獅子賞に輝いた『去年マリエンバートで』(1961年)など、フランス映画界を代表する巨匠として名を馳せたアラン・レネ監督。最後まで新作に意欲を燃やしていた巨匠の訃報が昨年、突如として世界を駆け巡った。そんな監督が残していった“贈り物”、それが男女の駆け引きを軽妙に描いた遺作『愛して飲んで歌って』だ。

英国の戯曲家アラン・エイクボーンの『お気楽な生活』を映画化した本作は、レネ監督の文学や演劇、音楽、さらにはコミックへの深い造詣を軽やかに融合。昨年のベルリン国際映画祭では、革新的な若手監督にあたえられるアルフレッド・バウアー賞(銀熊賞)を受賞し、レネ監督への最大の賛辞が贈られた。

『愛して飲んで歌って』

『愛して飲んで歌って』

俳優もスタッフも“レネ組”といわれる仲間たちとの共同作業をこよなく愛してきたレネ監督。キャストは監督の公私にわたるミューズ、サビーヌ・アゼマを筆頭に、フランスの実力派俳優が集結した。

余命わずかな友人のため一致団結する3組の夫婦

3組の夫婦の共通の友人で、カリスマ的な魅力をもつ高校教師のジョルジュの末期がんが発覚した。余命わずかと知らされた友人たちは大慌て。彼らは愛すべき旧友の残り少ない人生を良きものにしようと一致団結する。

しかし、過去のジョルジュと関係のあった女たちは彼をめぐって火花を散らし、男たちは胸にくすぶる思いを抱えて右往左往。3組の関係はおかしな方向に向かっていき――

英国風のユーモアとフランスのエスプリが絶妙に溶け合った人間ドラマ。病を押しながらも創作をつづけたレネ監督とジョルジュの姿が重なり合い、“人生を愉しもう”というメッセージが届くような、茶目っ気あふれる遺作だ。

『愛して飲んで歌って』
2月14日(土)より、岩波ホールほか全国順次ロードショー
監督│アラン・レネ
出演│サビーヌ・アゼマ、イポリット・ジラルド、カロリーヌ・シオル、ミシェル・ヴェイエルモーズ、アンドレ・デュソリエ
配給│クレストインターナショナル
2014年/フランス/108分
http://crest-inter.co.jp/aishite/

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