“もうひとつのヘレンケラー物語”『奇跡のひと マリーとマルグリット』
LOUNGE / MOVIE
2015年6月11日

“もうひとつのヘレンケラー物語”『奇跡のひと マリーとマルグリット』

実際にあった三重苦の少女と修道女の心の交流を描く

『奇跡のひと マリーとマルグリット』

19世紀のフランスに生きた三重苦の少女と修道女の心の交流を描く『奇跡のひと マリーとマルグリット』。6月6日(土)より、シネスイッチ銀座ほか、全国順次公開される。

Text by YANAKA Tomomi

セザール賞の受賞経験をもつイザベル・カレが修道女を熱演

三重苦の少女マリーと、彼女に生きる喜びを与えた修道女マルグリット。19世紀のフランスで本当にあった“もうひとつのヘレンケラー物語”が日本でも公開される。

メガホンを取ったのは、『デルフィーヌの場合』(1998年)などで知られるジャン=ピエール・アメリス監督。また三重苦の少女マリーを演じたのは、自身も聴覚にハンディキャップを抱える新人のアリアーナ・リヴォアール。ジャン=ピエール・アメリス監督により見出だされ、本作で映画デビューを果たした。

そして、修道女マルグリットを演じたのは、セザール賞の主演女優賞にも輝いたことのあるイザベル・カレ。難病を抱えながらもマリーを愛で包む修道女を熱演。

また本作には、吹き替えや音声ガイダンスをくわえたバリアフリー版も制作され、視覚が不自由な人たちも映画を楽しめる工夫が施されている。

『奇跡のひと マリーとマルグリット』

『奇跡のひと マリーとマルグリット』

残された人生をかけてマリーの教育係となる修道女マルグリット

聴覚障害の少女たちが暮らす修道院に、目も耳も不自由な少女マリーがやってきた。教育を一切受けずに育ったマリーは野生動物のようにどう猛で、だれにも心を開かない。

不治の病を抱え、余命いくばくもない修道女マルグリットは、残された人生をかけてマリーに“世界”を与えるべく教育係となるのだった。

さまざまな困難を乗り越え、ついにマリーは言葉を理解する。学ぶ喜びを知り、日に日に成長していくマリー。そして母親のように愛情を注ぎ、教育をつづけるマルグリット。しかし、マルグリットの死期は確実に近づいていた……。

マルグリットがマリーに与えた生きる喜び。日本ではほとんど知られていない、実在したふたりの女性による真実の物語が観る者の心を打つ。

『奇跡のひと マリーとマルグリット』
6月6日(土)より、シネスイッチ銀座ほか、全国順次ロードショー
監督・脚本|ジャン=ピエール・アメリス
出演|イザベル・カレ、アリアーナ・リヴォアール
配給|スターサンズ、ドマ
2014年/フランス/94分/原題『Marie Heurtin』
http://www.kiseki-movie.jp

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