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2022年11月17日
5代目プリウスが世界デビュー──「コモディティ」ではなく「愛されるクルマ」を目指して|TOYOTA
TOYOTA Prius|トヨタ プリウス
「一目惚れするデザイン」と「虜にさせる走り」を追求
トヨタ自動車は11月16日、5代目となる新型「プリウス」を世界初公開した。
Text by ISHIHARA Akira
普遍的な美しさを追求
プリウスは、「21世紀に間にあいました。」のキャッチコピーで、1997年に世界初の量産型ハイブリッドカーとして誕生した。誕生から25年間、車名が意味する「先駆け」の言葉通り、圧倒的な燃費性能を備えた新世代のエコカーとしてHEVの普及を牽引。これまでのグローバル累計販売台数は約505万台に達しており、2022年3月時点で削減されたCO2量は約8,200万トン以上に相当するという。
5代目となる新型では、強みである高い環境性能に加え、「一目惚れするデザイン」と「虜にさせる走り」を兼ね備えたクルマを目指して開発。「Hybrid Reborn」のアイコンとして、日本をはじめに、北米・欧州など順次グローバルに展開していくという。
実は新型プリウスを開発するにあたり、「コモディティ(=日用品)」化させるのか、愛されるクルマ、つまり「愛車」を目指すのか議論が交わされたと、ワールドプレミアの壇上でデザイン統括部長のサイモン・ハンフリーズ氏は語った。
曰く、豊田章男社長は真の「コモディティ」にすべきだと提案したという。新型プリウスをタクシー乗用車にするなど、走行距離の長いクルマとして普及させることで、環境貢献につながると考えたのだ。
一方の開発陣は、ユーザーに合理性だけではなくエモーショナルな体験を提供できる“愛されるクルマ(=愛車)”を目指して開発したいと主張。豊田社長は開発陣の想いを受け、ゴーサインを出したという。
そんな新型のエクステリアは、プリウス独自のアイコンである「モノフォルムシルエット」を引き継ぎながら、第2世代TNGAプラットフォームによるさらなる低重心化や、19インチ大径タイヤの採用よって、よりスタイリッシュなプロポーションを獲得。
シンプルでありながら抑揚のあるボディ造形は、長く愛されるための「感性に響くエモーション」と「普遍的な美しさ」を表現した。ハンマーヘッドをモチーフとした機能性とデザイン性を高次元で両立したフロントデザインと、薄型一文字のリヤコンビネーションランプを配したリヤデザインは、プリウスの持つ先進性をさらに引き立てている。
一方のインテリアは、「アイランドアーキテクチャー」コンセプトにより、圧迫感のない広々とした空間と運転に集中しやすいコックピットを両立。直感的に操作ができ、ドライビングを楽しめる室内空間となっている。
黒を基調した室内全体に、インストルメントパネルとシートステッチの加飾をコーディネートし、スポーティでありながら新しい上質感を演出している。インストルメントパネルには、トヨタ初採用の「イルミネーション通知システム」を設定。アンビエントライトとして室内を彩るだけでなく、トヨタセーフティセンスと連動する新機能となっており、対象物を検知した際には、アラームが鳴る前にイルミネーションの点滅でドライバーへ注意喚起し、より安心なドライブをサポートする。
ボディカラーは全8色を設定。うち2色は、スポーティな印象を与えるソリッドカラーベースの「アッシュ」と「マスタード」を新規開発。限界まで開口幅を広げ、室内に開放感をもたらす「パノラマムーンルーフ」の設定もある。