最高出力は500psへ、待望のPDKも採用

ニューポルシェ911ターボは、広範囲にわたる技術革新とさまざまなアップデート、そしてデザインの徹底的な見直しによって誕生した1台だという。その結果、燃費性能、パワー・トゥ・ウエイトレシオ、最高速度、ドライビングダイナミクスといったあらゆる側面で、性能向上が図られている。

第7世代となったニュー911ターボは、最高出力500PS（368ｋW）を発生する新開発の3.8リッター水平対向6気筒エンジンを搭載。同ユニットは、35年におよぶ911ターボの歴史を通じてはじめて全面的な改良を受けたもので、ダイレクト・フューエル・インジェクション（DFI）をはじめ、現行911ターボで初採用された可変タービンジオメトリー（VTG）を特徴とするポルシェ独自のターボチャージャーなど最先端の技術が惜しげもなく投入されている。

トランスミッションには、911カレラシリーズにはすでに搭載されている、デュアルクラッチトランスミッションの7速ポルシェ・ドッペルクップルング（PDK）が911ターボとしてははじめて採用された。

またPDK搭載モデルには新たなオプションとして、フェラーリなどほかのスポーツモデルではおなじみのギアシフトパドル付きステアリングホイールが設定される。ステアリングホイールに付随するパドルは、右がシフトアップ、左がシフトダウンの操作となる。

2009年11月のドイツを皮切りに世界各地で順次販売開始

こうした新技術の採用によって、新型911ターボはかつてないほどの優れた効率性とパフォーマンスを両立させているという。たとえばCO2の排出量は、先代モデル比で約18％低減されており、EU5基準に基づく走行距離100kmあたりの燃料消費量もわずか11.4～11.7リッターとなっている。

一方、パフォーマンスについては、たとえば0-100km/h加速は4秒以下を実現。時速200kmに到達するまでの時間も12秒以下で、最高速度は310km/h以上をマークしている。

また新型911ターボには、リアアクスルの駆動力を可変配分するポルシェ・トルク・ベクタリング（PTV）が新たにオプション装備として用意された。このシステムは俊敏性を向上させるとともに精緻なステアリングを実現するため、ドライビングプレジャーがさらに高まっているという。

新型ポルシェ911ターボにはクーペとカブリオレの2タイプのボディが用意されており、どちらも2009年11月のドイツを皮切りに、世界各地で順次販売開始となる。

ニュー911ターボ　車両本体価格

ポルシェ ジャパン
http://www.porsche.com/japan/

BRAND HISTORY
ドイツを代表するスポーツカーブランドとして世界中の腕利きから圧倒的な支持を得ているのがPORSCHE（ポルシェ）である。はじまりは1931年。20代の頃から自動車エンジニアとして頭角をあらわした奇才・フェルディナンド・ポルシェは、ダイムラー社の技術部長を経験したあと、ドイツのシュトゥットガルトに「ポルシェ設計事務所」を設立して独立。以後、自動車メーカーからさまざまなクルマの開発を託されることになる。なかでも有名なのが、ドイツの「国民車」としてモータリゼーションに大きく貢献した「フォルクスワーゲン・ビートル」だ。

自動車メーカーとして、自らの名を初めて冠したのは、1948年に登場した「356」であった。それからポルシェは「911」「924」「928」といったスポーツカーを世に送り出すとともに、モータースポーツに力を注ぐ。たとえば、世界でもっとも苛酷なレースといわれるルマン24時間で16回の優勝を手に入れたほか、F1でもエンジンサプライヤーとして3度のシリーズ優勝に貢献するなど、輝かしい戦績を収めたのだった。その技術力と走りへのこだわりがいまなお彼らの製品に息づいているのはいうまでもない。

現在は、デビューから45年が経ったいまでもスポーツカーのトップランナーとして高い評価を得る「911」をはじめ、オープンスポーツの「ボクスター」、ボクスターのクーペ版の「ケイマン」、そして、プレミアムスポーツSUVの「カイエン」と、ラインナップすべてが高い人気を誇る。