マクラーレン 650S、日本に上陸|McLaren
CAR / NEWS
2015年1月14日

マクラーレン 650S、日本に上陸|McLaren

McLaren 650S Coupe|マクラーレン 650S クーペ
McLaren 650S Spider|マクラーレン 650S スパイダー

マクラーレン 650S、日本に上陸

ジュネーブモーターショーでヴェールを脱いだマクラーレンのあたらしいモデル「McLaren 650S クーペ」と、リトラクト ハードトップをそなえた「McLaren 650S スパイダー」が、ワールドプレミアから1ヵ月経たずして日本に上陸。「MP4-12C」「MP4-12Cスパイダー」と、完売済みの限定車「P1」のあいだを埋めるニューモデルの登場だ。

Text and Event Photographs by OTANI Tatsuya

約束の4台目は650psとすぐれたスポーツ性能をもって登場

4月1日、マクラーレン・オートモーティブは都内で発表会を催し、最新モデル「650S」を日本で初公開した。

イギリスの名門F1チーム“マクラーレン”のグループ企業であるマクラーレン・オートモーティブは、毎年1台ずつニューモデルもしくは派生モデルを発表することをポリシーとして打ち出し、2011年には「MP4-12C」、2012年には「MP4-12C スパイダー」、2013年には全世界375台限りの限定モデル「P1」を発売することで、この“公約”を守ってきた。

そして2014年にはMcLaren 650Sのクーペとスパイダーを同時に発表・発売し、「毎年ニューモデル投入」の連続記録を“4”に伸ばすことに成功している。

McLaren 650S Spider

McLaren 650S Spider

エンジンの最高出力が650psで、すぐれたスポーツ性能を有していることから650S(最後のSはSportに由来)と名付けられたニューモデルは、3.8リッター V8ツインターボ エンジン、カーボンファイバー製“モノセル”シャシーを採用していることからわかるとおり、12Cと技術的におおくの共通点がある。

ただし、モデルラインナップとしては650Sが12Cよりもやや上のポジションと位置づけられているほか、限定生産のP1とことなり、650Sと12Cは今後も継続的に販売されていくことをマクラーレン・オートモーティブはあきらかにしている。

では、650Sと12Cのちがいはなにかといえば、

1)ピストンやヘッドを新開発し、ECUをチューンすることで+25psと+78Nmの650psと678Nmにパワーアップ
2)最新の制御技術を盛り込んだ駆動系
3)12Cより高い次元でパフォーマンスと快適性を両立させたシャシー
4)12Cを上まわるダウンフォースを発生し、DRSなどの可変空力デバイスを採り入れたエアロダイナミクス
5)P1に通ずるマクラーレンの最新デザイン路線

などを採り入れたのが650Sだといえる。

McLaren 650S Coupe|マクラーレン 650S クーペ
McLaren 650S Spider|マクラーレン 650S スパイダー

マクラーレン 650S、日本に上陸 (2)

従来を上まわる、コーナリング性能と快適な乗り心地の両立

なかでも注目されるのが、P1の開発をつうじて得たノウハウが持ち込まれた650Sの駆動系だろう。

これは駆動系のモード切り替えやドライビングスタイルなどが一定の条件を満たすと、シフトアップ時にスポーティなサウンドを奏でる“シリンダーカット”、もしくは瞬間的な加速力を高める“イナーシャ プッシュ”という機能が働くよう制御系をあらためたことが特徴。P1がデビューしてからまだ1年しか経っていないのに、それとはハードウェア構成が大きくことなる650Sで同様の試みがなされた点に、F1チーム直系のマクラーレン・オートモーティブらしいスピーディな開発力を見せつけられたような気がする。

また、マクラーレンお得意のエアロダイナミクスでは、150mph(約240km/h)時のダウンフォースが24パーセント増大したほか、直線などで空気抵抗を減少させて最高速度を向上させるDRS、12Cよりもさらに幅広い状況で機能するエアブレーキなどを装備。

そしてシャシー面では新設計のダンパーマウントを採用したほか、前後のスプリングレートを22 - 37パーセント高めるとともに前後左右のダンパー システムを油圧的に連結したプロアクティブ シャシーコントロールの設定を見直すことにより、従来を上まわるコーナリング性能と快適な乗り心地を両立したという。

McLaren 650S Coupe

McLaren 650S Coupe

た、ESPをオフにした状態でのドリフト コントロール性を高めるため、エンジンの出力制御が介入するタイミングを遅らせるなど、これまで以上に一体感あるドライビングをたのしめるようにするための工夫が施されている。

650Sは発売の段階でクーペとスパイダーの2タイプが用意され、価格は前車が3,160万円、後者が3,400万円と発表された。およそ1億円のプライスタグをつけたP1がまたたく間に完売し、いまもキャンセル待ちのオーダーが入りつづけているなど、世界的に注目度が高まっているマクラーレン・オートモーティブの最新作はどのような仕上がりなのか? まもなく国際試乗会が開催されるので、こちらもたのしみだ。

McLaren 650S Coupe|マクラーレン 650S クーペ
ボディサイズ|全長 4,512 × 全幅(ミラー込み) 2,093 × 全高1,199 mm
ホイールベース|2,670 mm
トレッド 前/後|1,656 / 1,583 mm
重量|1,330kg
エンジン| 3,799cc V型8気筒 ツインターボ
最高出力| 650 ps / 7,250 rpm
最大トルク|678 Nm / 6,000 rpm
トランスミッション|7段オートマチック(SSG)
駆動方式|MR
サスペンション|プロアクティブサスペンション
タイヤ 前/後|235/35ZR19 / 305/30ZR20 ※P Zero CORSA前後装着
ブレーキ|カーボンセラミックディスク
最高速度|333km/h
0-100km/h加速|3.0 秒
0-200km/h加速|8.4 秒
0-300km/h加速|25.4 秒
CO2排出量|275 g/km
価格(消費税込み)|(クーペ)3,160万円  (スパイダー)3,400万円

           
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