アストンマーティン ヴァンキッシュS日本上陸|Aston Martin
CAR / NEWS
2017年4月25日

アストンマーティン ヴァンキッシュS日本上陸|Aston Martin

Aston Martin Vanquish S|アストンマーティン ヴァンキッシュ S

アストンマーティン ヴァンキッシュS日本上陸

アストンマーティン・ジャパンは同社のフラッグシップモデル「ヴァンキッシュ S クーペ」とそのオープン版「ヴァンキッシュ S ヴォランテ」を発表した。価格は3,457万9,982円から。

Text & Photographs by UCHIDA Shunichi

アストンマーティン史上最高のスーパーGT

アストンマーティン・ラゴンダ社最高責任者兼CEOのアンディ・パーマー氏が「アストンマーティン史上最高のスーパーGTに仕上がっている」と、大きな自信を見せる「ヴァンキッシュ S」。エンジンはインテークシステムに改良が施され、吸気効率が高まった結果、最高出力588ps(先代モデルは573ps)を発生する6.0リッターV型12気筒を搭載。最高速度323km/h、静止状態から100km/hまでわずか3.5秒で到達する。

改良によりスロットルレスポンスも向上し、これに対応すべく、8段Touchtronic IIIトランスミッションのキャリブレーションも変更され、シフトスピードが速くなった。サスペンションはダンパーの設定、スプリングレート、アンチロールバーのブッシュも再チューンされ、しなやかな乗り心地を犠牲にすることなく、よりスポーティでダイレクトな走りを実現していると謳う。

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エクステリアでは、カーボンファイバー素地を露出させた新しいフロントスプリッターとリアディフューザーによって、フロントのリフトが大幅に低減され、空気抵抗が最小限に抑えられた。

また、ヴァンキッシュ Sには新たなオプションラインナップが追加された。具体的には、カーボンファイバー ボンネットルーバー、新しい鍛造5スポークダイヤモンド旋削ホイール、ペイントグラフィックパックなどがある。さらに、デザイナーによってプレスペックされた7種類のデザインスペックも用意される。従ってこのなかから好みのモデルを選ぶ作り方、自由にフリースタイルで仕様を決める方法、さらなるビスポークを調整するためにQ by Aston Martinによって世界に一台のクルマを作れるなど、オプションの選択肢が豊富になった。

インテリアでは、新設定された新しいフィログラフキルトレザーや、サテン チョップド カーボンファイバー フェイシア パネルといった新しい素材と仕上げの幅広い選択肢を採用することによって、さらにカスタマイズの幅が広がっている。

Aston Martin Vanquish S|アストンマーティン ヴァンキッシュ S

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“セカンド センチュリー プラン”により、9ヵ月に1台新車を発表

ヴァンキッシュSの発表に伴い来日したアンディ・パーマー氏により、2013年に100周年を迎え次の100年に突入したアストンマーティンの戦略、セカンド センチュリー プランの詳細が語られた。これは、2015年のジュネーブ モーターショーにて発表されたものである。

現在ラジュアリー セグメントは二極化していると分析し、一方はロールス・ロイスやベントレーなどに代表されるスーパー ラグジュアリー セダン セグメント、もう一方はフェラーリやランボルギーニ、マクラーレンに代表されるスポーツカー セグメントだという。

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その中においてアストンマーティンは、「ラグジュアリー カーとスポーツカーの両面を備えている、世界有数のGTカーメーカーです」とポジショニングを明確化。それを踏まえ、「アストンマーティンとは世界で最も美しく熟練した技術によって、芸術作品としての自動車を生み出す偉大な英国の自動車メーカーです」と定義づけた。

そのことを踏まえセカンド センチュリー プランは、3つの柱で構成されている。その中心となるのはスポーツカー ラインナップの刷新だ。その範囲は、「我々の代表的なモデルから、卓越したデザインの完全なニューモデルにまで至るもので、製品間の見た目の差別化もさらに図っていきます」とパーマー氏。昨年のジュネーブで発表された「DB11」は、この最初のモデルにあたる。

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そして、新しいセグメントに参入するラグジュアリーSUVの「DBX」が含まれる柱だ。DBXは「ラグジュアリー GTセグメントの既成概念を打ち破るために制作されたモデルです」とし、「スタイリッシュで豪華、より実用的で、ファミリー志向。環境にも配慮した設計になります」と述べ、現在はプロトタイプであり最終的な生産バージョンのデザインは異なり、4ドアはモデルになる予定であると説明した。

そして最後は、“ラゴンダ”ブランドの復活に通じるもので、こちらも新しいセグメントに参入となる、新型4ドア ラグジュアリー スポーツセダンである。このラゴンダはロールス・ロイスやベントレーと競合するモデルになる。

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3ペダルはなくさない

これらの柱によりパーマー氏は、「毎年完全に新しいモデルを市場に投入します。さらに既存のモデルの更新やスペシャル プロジェクトによって制作されたモデルも発表する予定です。これを平均するとアストンマーティンは9ヵ月に1回ニューモデルを発表することになるでしょう」とコメントした。

最後にパーマー氏は総括として、「これから製品ラインナップの全てを刷新し、現在の4車種から少なくとも7車種に拡大します。そして、2ヵ所の最新工場を稼働させ、生産能力を現在の2倍の年間10,000台以上に引き上げる予定です。また、アストンマーティン初の電気自動車と、ミッドシップカーも発売します。新しいパフォーマンスブランドAMRも立ち上げます。ラゴンダモデルを再導入する計画も発表します」とさまざまな計画を明かしたうえで、「2020年までに完全自動運転車を発売する計画はありませんが、我々は常に3ペダルのマニュアルトランスミッション車をラインナップに設定します。マニュアル車が好きな方は決していなくなることはないのですから」と語った。

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日本市場、東京地区のディーラーシップ

4月1日より、アストンマーティンはスカイグループを東京の専属ディーラーに任命した。スカイグループはラグジュアリービジネスを展開する企業であり、東京、神奈川、新潟にディーラーを持っている。これを受けて麻布に新しいアストンマーティン東京の仮ショールームを開設。さらに、青山にランドマークとなる新しいショールームを建設中だ。この青山ショールームは今年の後半にオープンする予定である。

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Aston Martin Vanquish S|アストンマーティン ヴァンキッシュ S
ボディサイズ|全長 4,745 × 全幅 1,910 × 全高 1,295 mm
ホイールベース|2,740 mm
重量|1,739 kg
エンジン|5,935 cc V型12気筒
圧縮比|11.0
最高出力(英国、欧州仕様)| 444 kW(600 ps)/ 7,000 rpm
最高出力(上記外向けの仕様)| 433 kW(580 ps)/ 7,000 rpm
最大トルク|630 Nm / 5,500 rpm
トランスミッション|8段AT(タッチトロニックIII)
駆動方式|FR
サスペンション 前/後|ダブルウィッシュボーン / ダブルウィッシュボーン
ブレーキ 前|φ398mm ベンチレーテッドディスク
ブレーキ 後|φ360mm ベンチレーテッドディスク
燃費(欧州値)|13.1 ℓ/100km(およそ7.6 km/ℓ)
CO2排出量|302 g/km
タイヤ 前/後|255/35R20 / 305/30R20

           
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