アストンマーティン、DBXコンセプトを発表|Aston Martin
アストンマーティンDBXコンセプト|Aston Martin DBX Concept
アストンマーティン、DBXコンセプトを発表
アストンマーティンは開催中のジュネーブショーで、「ヴァルカン」はじめ意欲的にモデルを公開している。「DBX コンセプト」は、すでに100年を越える歴史を紡いできたアストンマーティンが、次の100年を見据えて製作したコンセプトカーだ。
Text by SAKIYAMA Chikako(OPENERS)
アストンマーティン、次の100年を標榜するデザイン
アストンマーティンは、ジュネーブモーターショーにおいて、予告されていた「ヴァルカン」をはじめ、精力的にニューモデルを出展している。ショー初日には、CEO就任150日を超えたアンディ・パーマー氏が、確かな自信とともに来るべき未来に向けたコンセプトモデル「DBXコンセプト」を発表した。アストンマーティンが次の100年を見据えて製作した渾身のモデルだ。
開発担当チームに対して出された指示は、「ハイラグジュアリーGTセグメントを、既成の概念を打ち破って再定義し、今後に向けた可能性を拡大する製品の開発」。この目標を達成すべく生まれたDBXコンセプトは、アストンマーティンの魅力をこれまで以上に多様な世界に広げることを目標に製作された。
改めて定義されたハイラグジュアリーなグランドツーリングとは、洗練された、豪華で快適な移動というだけでなく、より実用的で、ファミリーフレンドリーで、環境にも配慮されたものとなった。
チーフ クリエイティブ オフィサーのマレック・ライヒマン氏によるDBXコンセプトのデザインは、アストンマーティンが得意とする優雅なデザインと、あたらしいテクノロジーの融合をめざしたもの。大人4名が快適に移動できるグランドツアラーで、パワートレーンはリチウムイオンバッテリーを搭載し四輪を駆動する電気自動車を想定。フルエレクトリックとしたおかげでエンジンルームが不要になり、トランクスペースはクルマの前後に設定された。
“クルマを宝石のように眺められるように”とデザインされたエクステリアは、本物志向の材料を用いることで、アストンの手法を訴求する。塗色に黒真珠の質感を再現しようと、何層にも薄い層を重ね、塗装の反射率にまでこだわった仕上げとなっている。
内装は柔らかな質感のヌバック革を多用し、繭に包まれるようなイメージで仕立てられた。ライヒマン氏は「高級ジュエリーや手のかかった逸品に見られるような職人技を、クルマに融合させることで、DBXコンセプトの魅力を世界にアピールした」と説明する。
将来を見据えた機構として、ハンドルの動きを物理的な軸ではなく電気信号に置き換えて伝達する「ドライブ バイ ワイヤ ステアリング」、車内にはいる光量を自動的に調光する防眩「スマートガラス」、ドライバーとパセンジャーにあわせて設置されるヘッドアップディスプレイ、エネルギー回生システムKERSを搭載するカーボンセラミック ブレーキなどを装備するという。
パーマーCEOは、「DBXコンセプトは、ハイラグジュアリーGTセグメントの可能性と今後の進化の姿、アストンマーティンが考える“可能性の美学”を表現しているのです」と述べた。また、単なるコンセプトで終わらせず、将来的な生産モデルへの展望も示唆している。