パリ・モーターショー2022 リポート前編──エコロジー✕デザインが生みだす興奮| Le Mondial de l’Auto

オピウム「マキナ」

CAR / MOTOR SHOW
2022年12月2日

パリ・モーターショー2022 リポート前編──エコロジー✕デザインが生みだす興奮| Le Mondial de l’Auto

新時代のエネルギーを緩和できるデザイン

主要メーカーとともに、興味深いデザインを提示してくれたのは、数々のスタートアップ企業であった。主催者がブースを従来よりも細分化し、より出展しやすくしたことが功を奏している。
「オピウム」は、欧州耐久レース選手権のレーシングドライバー、オリビエ・ロンバールによって2019年に設立されたフランスのブランドで、すでにパリ証券取引所に上場している。彼らの「マキナ」は燃料電池車で、わずか3分の充填で1000kmの航続が可能という。価格は12万ユーロ(約1730万円)で、パリ出展を機に予約を開始した。生産開始は2025年を予定している。
ナミックス
同じ燃料電池車でも異なるアプローチをみせたのは「ナミックス (NAMX)」である。アフリカ地域もテリトリーとする同名の多国籍企業によるもので、デザインは、パリを拠点とするフリーランスのプロダクトデザイナー、トマ・ドゥ・リュサック氏による。最大の特長は、固定燃料タンクのほか、1本24キログラムの水素燃料カートリッジ6本を装填できることだ。システムは衝突試験をクリアできる特許を取得済みという。
ナミックス・キャプストアとトマ・ドゥ・リュサック氏
車両自体はすでに2022年5月イタリアで発表したコンセプトモデルを発展させたものだが、ドゥ・リュッサック氏本人が今回新たな挑戦として筆者に説明してくれたのは「キャプストア」と名付けた装置である。
これは大量の水素燃料カートリッジを差し込めるコンテナだ。「そのまま大型トラックに搭載して、適宜カートリッジ交換の需要がある場所に運搬することもできます」とドゥ・リュサック氏はそのフレキシビリティを説明する。その外観は十分にスタイリッシュである。筆者が考えるに、秀逸なデザインは新しいエネルギーに対する人々のアレルギーを緩和する効果がある。
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