メルセデス・ベンツ、G 500 4x4²をジュネーブで初披露|Mercedes-Benz
CAR / MOTOR SHOW
2015年3月5日

メルセデス・ベンツ、G 500 4x4²をジュネーブで初披露|Mercedes-Benz

Mercedes-Benz G 500 4x4²|メルセデス・ベンツ G 500 4x4²

モンスターGクラスの第2弾

メルセデス・ベンツ、G 500 4x4²をジュネーブで初披露

メルセデス・ベンツは、Gクラスの最新モデル「G 500 4×4²」をジュネーブ モーターショーで発表した。巨大なホイールとリフトアップされた車高は、昨年日本でも限定5台が発売された「G 63 AMG 6×6」譲りだが、後輪を4輪、前輪2輪とした唯一無二の6輪モデルであったG 63 AMG 6×6に対し、こちらは標準的な4輪モデル。しかし、450mmの最低地上高や52度ものアプローチアングルは標準モデルのそれを軽く凌ぎ、キングオブオフローダーの名を欲しいままにしている。

Text by SAKURAI Kenichi

6輪Gクラスの弟分

今回のジュネーブ モーターショーで発表された「G 500 4×4²」は、非常に成り立ちがユニークなモデルである。そのアピアランスからは、誰もが2014年に登場し昨年日本でも発売された6輪オフローダー「G 63 AMG 6×6」のシリーズバリエーションというイメージを持つはずだ。実際メルセデスもG 63 AMG 6×6の弟分としてこのクルマを紹介している。

AMGの名を冠していないことからもわかるように、AMGのラインナップではないのだが、しかし、G 500 4×4²を知れば知るほど、AMGとの繋がりが深いとは言わずにいられないのである。

Mercedes-Benz G 500 4×4²|メルセデス・ベンツ G 500 4×4²

Mercedes-Benz G 500 4×4²|メルセデス・ベンツ G 500 4×4²

G 63 AMG」や「G 65 AMG」とおなじデザインのフロントバンパーの採用やオーバーフェンダーのデザインは、まさに4輪版G 63 AMG 6×6と紹介できる。Gクラスのボディに、オーバーサイズの22インチホイールと325/55R22サイズのタイヤを装着したのだから当然である。まるでチョロQを思わせるような特徴的なアピアランスは、メルセデス純正ビッグフットとさえ呼べるものだ。

G 63 AMG 6×6と比較すれば、最低地上高マイナス10mmの450mmと、若干低められているものの、ショートホイールベース(6×6に比べてではあるが)のおかげでアプローチアングルは52度、デパーチャーアングルは54度と兄貴分よりもスペック上は上である。

またこのホイールベースは、ランプブレークオーバーアングル(斜面の頂上を越える際にボディ底部が地面に接触しない角度)の確保にも有効で、その数値は47度とされている。おなじ2,850mmのホイールベースをもつ「G 500 ロングホイールベース」が21度のランプブレークオーバーアングルであったことを思い出すと、いかに優れた数値であるのかがわかろうというものだ。

Mercedes-Benz G 500 4×4²|メルセデス・ベンツ G 500 4×4²

Mercedes-Benz G 500 4×4²|メルセデス・ベンツ G 500 4×4²

こうしたオフロード性能を測る数値をあげると、渡河深度はG 500の600mmに対して1,000mm、ティッピングアングル(これ以上傾くと横転するという角度)はおなじくG 500の28度に対して30度になっている。たった2度と思うかもしれないが、こんなわずかなちがいが視覚的にはその何倍にも感じられるのは、ゲレンデに立ったことのあるスキーやスノボ経験者であればすぐに理解できるはず。

さらにオフロードの現場では、このわずか2度のちがいが乗員の生死を左右するのは言うまでもない。ちなみにベースになったG 500の最低地上高は210mm、アプローチアングルは36度、デパーチャーアングルは27度、ランプブレークオーバーアングルは21度と、その差は歴然としている。

Mercedes-Benz G 500 4x4²|メルセデス・ベンツ G 500 4x4²

モンスターGクラスの第2弾

メルセデス・ベンツ、G 500 4x4²をジュネーブで初披露 (2)

AMGのDNAを色濃く反映

足まわりおよび4WDシステムはG 63 AMG 6×6譲り。リジッドアクスルに最低地上高アップのためにハブ リダクション システムを組み込んだポータル アクスルを採用するのが特徴で、前/中/後に3つの機械式ディファレンシャル ロック機構を組み込んでいる。

さらにデュアル ストラット スプリングを採用し、「コンフォート」と「スポーツ」の2つの走行モードをセンターコンソールのボタンで選択できるアジャスタブル ダンパーユニットも装備した。このモード切替は、わずか15ミリ秒でおこなえ、「コンフォート」モードではサルーンもかくやという快適な乗り心地を提供するという。

大幅にリフトアップされた車高で生まれる死角をカバーするリアビューカメラも装備しているため、まさに下界を見下ろすようなドライビングポジションながら、慣れれば視認性も問題ないのだという。金庫のように堅牢なボディに囲まれながら、トラベルの大きなサスペンションを駆使しておこなうオフロード走行は、まさにほかのSUVでは味わえない特別な経験になりそうだ。

Mercedes-Benz G 500 4×4²|メルセデス・ベンツ G 500 4×4²

Mercedes-Benz G 500 4×4²|メルセデス・ベンツ G 500 4×4²

そしてもうひとつ、注目のポイントがある。それは、最高出力310kW(422ps)の4リッターのV8ツインターボのパワーユニットを“メルセデス・ベンツ”として初めて搭載したという点である。

察しの良い方は、おそらく排気量とツインターボというキーワードでピンときたにちがいない。そうこのエンジンこそ「AMG GT」譲りの新型ユニットである。異例にもAMGモデル以外で初めてG 500 4×4²に搭載されることになったのだ。

G 500 4×4²搭載にあたり最高出力こそ「AMG GT S」の375kW(510ps)や「AMG GT」の340kW(462ps)に及ばない310kW(422ps)にデチューンされているものの、Vバンクのあいだにターボユニットを2基搭載する構成やピエゾ ダイレクト ガソリン インジェクション、スプレーガイド式燃焼プロセスなどといった特徴は同一である。

Mercedes-Benz G 500 4×4²|メルセデス・ベンツ G 500 4×4²

Mercedes-Benz G 500 4×4²|メルセデス・ベンツ G 500 4×4²

車名に「AMG」の3文字こそ付かないが、G 500 4×4²は、G 63 AMG 6×6譲りのシャシーや4WDシステムとAMG GT譲りのパワーユニットを搭載したまさにメルセデスが総力を結集して作り上げたキング オブ オフローダーといえそうだ。

現在はショーモデルとしての発表だが、ともすればG 63 AMG 6×6のように生産台数を限定して、これがほぼそのまま市販化される可能性は相当に高い。果たして何台の生産化はわからないが、もちろんオーダーリストはリッチなカスタマーの名前ですぐに埋まるはずだ。

スポーツカーが多くワールドプレミアした今回のショー会場のなかにあっても、その存在感は別格。エクスクルーシブ性の点でも、ほかのスーパーカーに見劣りするどころか圧倒した感さえあったから、そうした印象もあながちまちがいとは言えないはずである。

           
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