LAで3台同時のワールドプレミアを果たしたポルシェ|Porsche
L.A. Autoshow Report|Porsche
LAで3台同時のワールドプレミアを果たしたポルシェ
今年のロサンゼルスオートショーでは、予告通りに「911GTS」「カイエンGTS」、そして「パナメーラ エクスクルーシブ」を発表したポルシェ。派生グレードながらも、一気に3車種ものワールドプレミアをおこなうなど、北米での好調さをうかがわせた会場から大谷達也氏がリポート。
Text & Event Photographs by OTANI Tatsuya
カレラSとGT3のあいだに位置するGTS
ロサンゼルス オートショーにおけるポルシェはGTS一色に染められていたといっても過言ではない。
プレスコンファレンスの冒頭で紹介されたのは、クーペボディとカブリオレボディが与えられた2台の「911GTS」。壇上に立ったセールスおよびマーケティング担当のベルンハルト・メイヤー取締役は、まずGTSの由来を「GTSの起源は1964年に登場した「904GTS」にあります。そして904GTSはやがて伝説そのものになりました」と解説。そのうえで、911GTSについては「GTSは911のスポーティーバージョンであり、カレラSとGT3のあいだに位置する」とそのポジショニングを説明した。
なるほど、最高出力でくらべるとカレラSの400ps、GT3の475psにたいしてGTSは430psなので、ほぼ中間にあたる。ただし、メイヤー取締役はこれにくわえて「妥協のない快適性、そして並ぶもののない充実した装備」などがGTSの特徴であると語っていたので、そうなると「GT3」直系というよりは「ターボ」にちかいキャラクターとも想像できる。
もっとも、LAショーに先立って911GTSの国際試乗会が開かれたばかりなので、現実の姿がどうだったかについては、そちらのリポートを待ちたいところだ。
なお、911GTSのギアボックスはPDKのみとなるものの、ボディは前述のとおりクーペとカブリオレの2タイプ、そして駆動系もRWDと4WDの2タイプが用意されるから、なかなかのワイドバリエーションといえるだろう。
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LAで3台同時のワールドプレミアを果たしたポルシェ (2)
ポルシェの4台に1台はアメリカで売られている
そしてLAショーでワールドプレミアを飾ったもう1台のGTSが「カイエン GTS」。これまでもV8 4.8リッターNAエンジンを積んだカイエンGTSはあったが、仕切り直しのうえで“再発売”された新型はV6 3.6リッターのツインターボエンジンを搭載。これにともなって最高出力は20ps増しの440psとなっている。メイヤー取締役が「こちらは4ドアですが、本物のGTSであることには変わりありません」と紹介したのも無理からぬ話である。
最後に紹介されたニューモデルが「パナメーラ エクスクルーシブ シリーズ」。「パナメーラ ターボ S エグゼクティブ」をベースに、エクスクルーシブ ファクトリーで仕立てられたこの限定モデルは、ブラックとブラウンの2トーンカラーがその境目でグラデーションになっているという凝った仕上げが特徴。世界中で100台だけが販売されるそうだが、「そのうちの多くは(発表された)今日の終わりまでには売約済みとなるでしょう」とメイヤー取締役は誇らしげに語った。
ひとつのショーでワールドプレミアが3台とは豪華極まりない話だが、これはとりもなおさずアメリカがポルシェにとっての最重要国であることをしめしている。ちなみに、今年1月から10月末までにアメリカで販売されたポルシェの台数は約3万9,000台。おなじ期間にポルシェは全世界で15万台強を販売しているので、ポルシェの4台に1台はアメリカで売られていることになる。
「ポルシェはもちろんドイツのブランドですが、アメリカは我われにとって2番目の祖国であり、アメリカ以上にポルシェのファンが多い国はほかにありません」 メイヤー取締役は自信満々の表情でそう語りかけていたのが印象的だった。