フォルクスワーゲンのあらたなコンパクトSUV「T-ROC」|Volkswagen
CAR / MOTOR SHOW
2015年8月24日

フォルクスワーゲンのあらたなコンパクトSUV「T-ROC」|Volkswagen

Volkswagen T-ROC|フォルクスワーゲン T-ROC

フォルクスワーゲンのあらたなコンパクトSUV「T-ROC」

フォルクスワーゲンは、ジュネーブモーターショーにおいて、コンパクトSUVのコンセプトモデル「T-ROC」を発表した。

Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)

ティグアンのさらに下をになう将来のコンパクトSUVを示唆

フォルクスワーゲンが、ジュネーブモーターショーにおいて発表した「T-ROC」は、「トゥアレグ」「ティグアン」につづく第3のSUVを示唆するコンセプトモデルだ。その名称は、岩場、すなわち「ROC(k)」をものともしない走破性と、フォルクスワーゲンのSUVモデル(Touareg、Tiguan、Taigun)が共通して頭にもつ「T」をつなげたものだという。

内外装ともに独特のデザインをもつT-ROCは、クーペのようなシルエットの2ドアモデルでありながら、四輪駆動の悪路走破性をそなえ、さらに開放的なコンバーチブルにもなるという多様性をもつSUV。

ルーフは簡単な操作で2分割して取り外せ、ラゲッジルーム下に格納することが可能だ。

前後バンパーに埋め込まれた丸いリングなかにはLEDフォグライトとあわせて、LEDスポットライト付きの可動カメラがそなわる。これは、オフロードモードのさいにステアリングと連動して向きを変え、進行方向の路面をセンターコンソール上の12.3インチのスクリーンに映し出すことで、たとえ夜間であっても、ドライバーが路上の障害を視認できるようにするという装置。この装置はフロントのみならず、リアにも装着されている。

MQBプラットフォーム上で設計されるそのボディサイズは、全長4,179×全幅1,831×全高1,501mm、ホイールベースは2,595mm。フロントで811mm、リアで772mmというショートオーバーハングが、その特徴的なプロポーションを印象づけている。足元は245/45タイヤに19インチのアロイホイールをはく。

Volkswagen T-ROC|フォルクスワーゲン T-ROC

フォルクスワーゲンのあらたなコンパクトSUV「T-ROC」 (2)

ゴルフGTD譲りのエンジンを搭載

搭載されるエンジンは、「ゴルフ GTD」に搭載される、直噴ターボディーゼルの2.0TDI。最高出力135kW(184ps)、最大トルクはわずが1,750rpmから380Nmを発揮する。これに7段DSGと最新式のハルデックスカップリングをもちいた四輪駆動による悪路走破性をそなえ、最高速度210km/h、0-100km/h加速6.9秒というスペックを誇る。

軽量化がほどこされたT-ROCの重量は、わずかに1,420kgであり、燃費は4.9ℓ/100km(およそ20.4km/ℓ)だ。

機能面では、ストリート、オフロード、スノーという3つの走行モードをスイッチで切り替えられる仕組みがそなわる。

通常走行で利用する「ストリート」では燃費重視の前輪駆動を基本とし、スリップなどでトラクションの偏りを感知すると車両を安定させるべく後輪へのトルク配分が瞬時におこなわれる。ヘビーデューティを想定した「オフロード」モードでは、前後トルク配分が50:50を基本とされるほか、登坂降坂で威力を発揮するさまざまな電子デバイスが最大に働くよう設定される。「スノー」は、文字どおり圧雪路など滑りやすい路面を走行するさいに利用するモードだ。

フォルクスワーゲンは拡大するSUV需要にこたえるべく、2013年のデトロイトモーターショーで「クロスブルー」を、上海モーターショーでは「クロスブルー クーペ」を公開してラージSUVの方向性を発表。これらは目下、製品化にむけて開発が進められているという。

いっぽうで、ことし2月にインドのニューデリーモーターショーにおいては、経済成長が盛んな新興国にむけた廉価な普及モデルとして開発中の「タイグン」をお披露目した。

今回発表されたT-ROCは、あらたなSUVの方向性を表現するモデルとして、これらのSUVコンセプト群にくわわる一台であるという。

           
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