北京現地リポート|Lamborghini
Lamborghini Urus|ランボルギーニ ウルス
サプライズなモデル「Urus」
北京モーターショーのプレスデイ初日に発表されたランボルギーニの「Urus(ウルス)」はまったくあたらしいSUVタイプのコンセプトカーだった。
Text & Photographs OTANI Tatsuya
アヴェンタドールを彷彿とさせる
予告なしに登場したという意味でも“サプライズ”だったが、それ以上に、たたずまいそのものが“サプライズ”なモデルが登場した。
ランボルギーニは北京モーターショーのプレスデイ初日の4月23日に、まったくあたらしいSUVタイプのコンセプトカー「ウルス(Urus)」を発表した。ランボルギーニのSUVといえば、1985年に発売されたLM002がすぐに思い出される。450psを発揮するV12エンジンを搭載し、最高速度210km/hに達したLM002は300台ほどが生産されただけで1992年に生産終了となったので、“ランボ”にとってはちょうど20年ぶりにSUVが復活したことになる。
そのスタイリングは、さきごろ発売されたばかりの同社のフラッグシップモデル、アヴェンタドールをほうふつとさせるもの。しかも、あの前衛的なデザインがSUVのボディサイズで展開されたのだから、その存在感というかインパクトは圧倒的のひとことにつきる。
パワーユニットの詳細は不明ながら約440kw/600psのパワフルなエンジンを搭載し、トランスミッションはガヤルドやアヴェンタドールと同じフルタイム4WDとなる。ギアボックスはシフトパドル付きのデュアルクラッチ式だ。
全長4.99×全幅1.99×全高1.66mのボディは、同社がいうところの「インテリジェント素材のミックスを採用」することで「競合車よりも大幅に軽量」に仕上げられた。インテリアでは、カーボンコンポットを利用した「フォージド・コンポジット」と呼ばれる製法でセンタートンネル部をつくりあげている。
外観では一部にカーボンパーツを用いた24インチ(!)ホイールが目をひく。そして大胆なデザインのフロントスポイラーには高さ調節機能を装備。サスペンションにも調整機能をもうけたほか、リアスポイラーも調整式とすることで、最適なアプローチアングルと十分なクリアランス、さらには高速安定性にも寄与する空力特性をえたという。
現時点では純粋なコンセプトカーで、量産化については未定とのことだが、ランボルギーニ関係者のひとりは「大変な好評を博しており、このコンセプトへの自信を深めています」と語っていたので、今後の展開がたのしみである。
なお、モデル名のウルスはランボルギーニの伝統に従って雄牛からとられた。もっとも、雄牛といっても家畜牛の祖先にあたる大型の野生獣で、肩までの高さが1.8メートルにもなったというから、ランボルギーニのSUVにはぴったりのネーミングかもしれない。