5世代目に進化したA6アバントに試乗|Audi
CAR / IMPRESSION
2019年8月13日

5世代目に進化したA6アバントに試乗|Audi

Audi A6 Avant|アウディ A6アバント

5世代目に進化したA6アバントに試乗 (3)

角のない乗り心地と軽快なハンドリングが印象的

「55 TFSI クワトロ Sライン」のパワートレインは、3リッターV6ターボエンジンに7段DCTであるSトロニックの組み合わせで、ベルト駆動オルタネータースターター(BAS)と48Vシステムによるマイルドハイブリッドでもある。これはアイドリングストップからの再始動と減速時の回生を担うもので、静止状態やコースティングからエンジンのトルクが有効になるまでの(それでも1370rpmから500Nmものトルクだが)クリティカルな領域を、オルターネーターの補助駆動でまかなう仕組みだ。その作動は恐ろしくシームレスで、ストップ&ゴーを渋滞で繰り返しても嫌な揺れやブレを感じることはなかった。
またモダンな意匠でまとめられたインテリアは上下2段、ワイドなタッチスクリーンがダブルで配される。上段にインフォテイメントや車両情報が、下段にコンフォート機能が集約されるが、ドライブモードは物理的ボタンでコンソール左端に設けられた点が、機能的だ。

エフィシェンシー/コンフォート/オート/ダイナミック/インディヴィジュアルと、5つの設定があって、まずは前2者で市街地走行してみるが、トルクが分厚くリアステアによる4輪操舵も手伝ってか、低速域なのにもっさり走る感じがない。むしろ1930㎏の5メートル近いクルマが、かくも軽やかにスムーズに取り回せるということへの驚きの方が大きい。ダイナミックモードを十分に試すことはできなかったが、中立付近が敏感でなく優しい手ごたえだったステアリングのゲインが強めになること、シフトも一段ほど低い選択になったエキゾーストノートが高まることも確認できた。

それにしても角のない乗り心地と、軽快なハンドリングが印象に残る。サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーン式だが、エンジンルームをのぞくとフロント側アッパーマウントがかなり内側に寄せられ、ダンパーストローク長を確保していることが看取できる。ターボチャージャーをVバンク内に収めたメリットを、こんな形でも生かしているのだ。
「角のなさ」は先進運転支援機能にもいえることで、レベル2のそれは、前走車のペースに合わせた減速の仕方もレーンキープアシストの修正舵の介入も自然で、ドライバーの神経を逆撫でしない。シートも近頃では珍しいほど分厚い造りだ。居住性も高ければ静粛性も申し分なく、盤石の直進安定性もある。これらを享受しながらの高速巡航は、ほとんどクルマ自体が全知全能であるかのような体験で、悪天候時にも心強そうなことが想像できる。

機能主義のドライバーズカーとして独自の世界観を磨き続けてきたA6アバントは、その進化の方向と卓越した完成度によって、独特の美学をも感じさせる一台になった。
Spec
Audi A6 Avant 55 TFSI Quattro S Line |アウディ A6アバント55 TFSI クワトロ Sライン
ボディ|全長 4,950 × 全幅 1,885 × 全高 1,465 mm
ホイールベース|2,925 mm
エンジン|2,994cc V型6気筒 インタークーラー付ターボ
最高出力| 250 kW(340 ps)/5,200-6,400rpm
最大トルク|500 Nm(51.0kgm)/1,370-4,500 rpm
トランスミッション|7段AT
駆動方式|4WD
サスペンション|前後ダブルウィッシュボーン
タイヤ|245/45R19
燃費(JC08モード)|12.3 km/ℓ
CO2排出量|189 g-CO2/km
トランク容量|565リッター
定員|5名
価格|1,041万円
問い合わせ先

アウディ コミュニケーション センター
0120-598-106
https://www.audi.co.jp/

                       
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