ハイブリッドでリッター90.9kmを実現するup!|Volkswagen
Volkswagen twin up!|フォルクスワーゲン ツイン アップ
1リッターで90.9km走るup!
フォルクスワーゲンは東京モーターショーにおいて、0.8リッターターボディーゼルに電気モータを組み合わせ、1.1ℓ/100km(およそ90.9km/ℓ)を実現した「twin up!」を発表した。
Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)
1リッタで100km走る「XL1」の機関をup!に搭載
「twin up!」は、最高出力35kWを発揮する0.8リッター2気筒TDIエンジンに、おなじく最高出力35kWを発生する電気モーターを組みあわせたプラグイン ハイブリッド。トランスミッションには7段DSGを採用。これは、1リッターで100km以上が走行可能な「XL1」のシステムを移植したものだ。
これらのパワーユニットを搭載するため、フロントオーバーハングを30mm延長したものの、ボディにかんする変更点はそれのみで、4人が余裕をもって乗車できる室内はそのままとしている。リアのベンチシートとラゲッジルームの下には、容量8.6kWhのリチウムイオンバッテリーと車内電装向けの12Vバッテリー、さらに容量33リットルの燃料タンクを合わせた「フューエル ストレージ システム」を搭載している。
バッテリー等を搭載したため、車両重量は現行の「high up!」とくらべると285kgも増加して1,205kg。それでも、効率の高いプラグインハイブリッドシステムや165/65R15という細い低転がり抵抗タイヤの採用などにより、欧州の測定値で1.1ℓ/100kmを実現。これは日本式の表記でいうと、およそ90.9km/ℓ。CO2排出量はわずかに27g/kmだ。
動力性能も確保されており、EVモードでは静止状態から8.8秒で60km/hに達し、最高速度は125km/h。215Nmもの最大トルクを誇る、ディーゼルエンジンとのハイブリッドモードでは、0-100km/h加速を15.7秒でこなす。この場合、最高速度は140km/hに達する。
今回、東京モーターショーに出展された車両は、特別な専用カラー“スパークリング ホワイト”をまとって登場。一見するとパール系のホワイトに見えるそれは、じつはブルーの細かいガラス片が混ぜられており、光のあたりかたによって微妙な視覚的効果を演出するという。
すでに欧州では発売が決定している「XL1」は2人乗りで、また空力的にはすぐれるものの全長3,888×全幅1,665×全高1,153mmと非常に小さく、とくに全高にいたってはポルシェ「ボクスター」よりも低い。リアに確保されるラゲージルームは120リットル。あくまでもスペシャリティ クーペ的としてみると実用レベルにあるものの、普段使いに適しているとはいいがたい数字だ。
いっぽうで、twin up!は若干の燃費を犠牲にしながらも、4ドア版「up!」のユーティリティを手に入れており、使い勝手という面ではじゅうぶん以上のパフォーマンスが約束されている。今回、フォルクスワーゲンは何も明言していないものの、将来的には市販化も期待される1台だ。