ART FILE 25｜「THE ART OF THE BRICK」｜連載「世界のアート展から」

ART FILE 25｜アメリカ・ニューヨーク｜「ディスカバリー・タイムズスクエア」

鮮やかなレゴブロックでさまざまなアート名作を複製

「THE ART OF THE BRICK（レゴアート）」

ニューヨーク市内に位置するエキシビション・センターディスカバリー・タイムズスクエアにレゴブロックアーティストのネイサン・サワヤ（Nathan Sawaya）による「THE ART OF THE BRICK（レゴアート）」展が、来年の1月5日（日）まで開催中。

Text by Winsome Li (OPENERS)

驚くべき精密さ

ニューヨークを拠点として活躍するネイサン・サワヤは、初のレゴブロックアーティストとして知られている。レゴブロックで作られた名画のレプリカやオブジェクトシリーズは、シンガポール、台湾とオーストラリアにも展示された。今回の「THE ART OF THE BRICK」展はこれまで彼の個展のなかで一番規模が大きいといわれ、100点以上の出展作のうち、56点が初公開となる。

通常はおもちゃとして遊ばれるレゴブロックが、ネイサン・サワヤのテクニックによって、現代アートに変身する。ユニークかつインパクトのあるアート作品が高い評価されている。

巨匠たちによる代表作、モンクの「叫び」、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」、ゴッホの「星月夜」をはじめ、スフィンクスやミロのビーナスまで歴史価値のある彫像もレゴブロックで再現した。さらに、長さ約6メートルの肉食恐竜（T-REX）の骸骨も近くで見ることができる。アート作品のほか、1万770個のレゴブロックで組み立てた自画像「Face Mask」も展示される。

「この展示は私たちの童心を引き出すと同時に、精巧と複雑なコンセプトも取り込んでいます。誰でも子どものころにレゴを遊んだことあるはず。2007年にレゴアートの展示をはじめたころから、僕の目標は“レゴをおもちゃを超えたレベルに到達させること”だった」とネイサン・サワヤは語る。アートとしてのレゴを楽しんでほしい。