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2022年6月11日
ワインも食材も地元愛! ペアリングディナー初心者にぜひお勧めしたい、破格コスパの絶品イタリア料理|TRAVEL
TRAVEL|リゾナーレ八ヶ岳
「知る」は、おいしい!リターンズ 星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳編(1)
「リゾナーレ八ヶ岳ってどうよ?」と聞かれたら、私は「誰と行っても楽しめるリゾートだよ」と答えます。子供と、友達と、親と、恋人と......誰と行っても、満足感100%。ありがちな答えかもしれませんが、意外とそういうディスティネーションって、少なかったりしません? 真っ先に思い付く「リゾナーレ八ヶ岳」を筆頭に、その他のリゾナーレ各施設、それから同じく星野リゾートが運営している「青森屋」や「奥入瀬渓流ホテル」、あと「スパリゾートハワイアンズ」かなあ。
Photographs by OHTAKI Kaku | Text by HASEGAWA Aya | Edit by TSUCHIDA Takashi
葡萄畑で食前酒。テロワール体感プログラムが、ついに八ヶ岳でも!
テロワール体感......って、ワイン好きはソワソワするど真ん中キーワードなんですが、ちょっとその前に。「リゾナーレ八ヶ岳」の万人受けポイントとしてまずピックアップしたいのは、中央道の小淵沢ICからでも、中央線特急の小淵沢駅からでもクルマで5分足らずという、素晴らしきアクセスです。ワインの産地として名高い八ヶ岳に位置するホテルとして、「ワインリゾート」を前面に打ち出しながら、大波が寄せる全天候型プールもあるというふり幅の広さ! 2021年には、施設内に、高さ10メートルのクライミングウォールがオープンしています。そのほか、乗馬やカヤック、パラグライダーなど、南アルプスを望む立地を満喫できるアクティビティも楽しめるし、さらには露天風呂付き温浴施設も。
リゾート内の目抜き通りとなる、150メートルに及ぶ石畳の回廊「ピーマン通り」の散策も楽しいですよ。個性溢れる20のショップが小さな街を形成しています。2021年のクリスマスには、飲み終えたワインボトル1万2000本を使って作ったワインボトルツリーを飾るなど“星野リゾートの本気”を垣間見ることができるエリアだったりするのです(笑)。
そんなわけで、「リゾナーレ八ヶ岳」、本気で遊んだら、時間がいくらあっても足りません(笑)。そう、過ごし方、楽しみ方を決めるのは、あ・な・た、ってことです。実際、3世代で訪れる人も多いようですよ。
え。私、ですか? やーだ、わかってるくせにー(ここで、「知らんわ」とツッコミをお願いします)。私の旅の最大の目的は飲食です(キリっ)。旅の楽しみの半分を占めるといってもいいかもしれません。
そんな思いを知ってか知らずか(知ってるとみた!)、「リゾナーレ八ヶ岳」の担当者が、私たちに勧めてくれたアクティビティは「葡萄畑アペロ」(3〜12月開催。有料)。葡萄畑でディナーの前のお酒や軽食を楽しむという、呑兵衛なら聞いただけで、ウイニングランをキメたくなるようなスペシャルな企画です。
案内してもらったのは、リゾートからクルマで数分の「小牧ヴィンヤード」。帝国ホテルでソムリエを務めていた小牧康伸さんが、山梨にUターンし、奥様と2人で切り盛りするヴィンヤード(ブドウ畑)です。「小牧ヴィンヤード」には、宿泊機能もあり、アグリツーリズモ、ならぬ、ワインツーリズモも体験できちゃいます。
夢見心地のままリゾートに戻り、この旅の最大のお楽しみ、メインダイニング「OTTO SETTE(オットセッテ)」へ向かいます。イタリアの世界的な建築家マリオ・ベリーニの手がけた、高い吹き抜けが特徴的なダイニングのテーマは“山梨県、長野県の秀逸な食材とワインとのマリアージュ”。野菜のポテンシャルを最大限に引き出す、独創性豊かな八ヶ岳のイタリア料理、そして、その食材と風土を同じくする山梨、そして長野のワインのペアリングの妙が最高に楽しいのです。とびきりスタイリッシュな空間でありながら、年齢制限は設けていません。個室は、やはり大切な家族の一員であるワンちゃん連れもOKです。食いしん坊たちを、どーんと受け止め、包み込んでくれる懐の広さ、惚れます!
さて、「オットセッテ」の料理長を務めるのは、鎌田匡人さん。正確には長野県出身ですが、リゾートが位置する小淵沢は山梨県と長野県のほぼ県境でして、「ほぼ八ヶ岳エリアで生まれたようなものです」と笑います。鎌田さんは、1981年生まれ。山梨県内のホテルで修行を重ね、2012年に「リゾナーレ八ヶ岳」へ。2021年7月に「オットセッテ」の総料理長に就任しました。料理のコンセプトについて尋ねると、「料理で八ヶ岳を、そして、その時々の季節感を出したいです」と鎌田さん。うふふ。今日は、八ヶ岳の春、堪能しちゃいますよ。
今回いただいたのは全10品で構成される春のコースメニュー。メニューには「集い」「自然」「野菜畑」「食感」「芽吹き」といったタイトルが並んでいて、それがなんとも楽しげで、早くも「オットセッテ」の世界観にすっかり魅了されていることに気づくのです。さあ戦闘開始(戦いじゃないから!)、どこからともなくほら貝の音が聞こえてきましたよ。
あ、当たり前すぎてお伝えするのを忘れていましたが、ワインのペアリングもしっかりオーダーしています! 「オットセッテ」には酒蔵をモチーフにした全長12mのワインセラーがあり、約2000本のうち、山梨県と長野県ワインが約9割(残りの1割はイタリアを中心とした海外のワイン)という品揃え。思い切るなあ。地元・山梨県出身のシニアソムリエの長久保正邦さんは、生産者のもとを直接訪ね、生産者と対話し、それぞれのワインの裏にあるストーリーに耳を傾けながら、仕入れを行っているそうです。同じテロワール(土地)で育まれた食材とワインを、楽しい蘊蓄に耳を傾けながらいただく多幸感──。これが楽しくて、私は今日もレストランに足を運ぶのです。