「知る」は、おいしい! 界 加賀|TRAVEL

界 加賀 外観

LOUNGE / TRAVEL
2020年1月27日

「知る」は、おいしい! 界 加賀|TRAVEL

TRAVEL|界 加賀

このひと皿と出合うために、界 加賀へ(2)

「食べる」話に終始してしまいましたが、「界 加賀」の料理には「見る」楽しみもあります。

ギャラリーに展示された北大路魯山人作の陶器。まだ無名だった30代前半の頃、北大路魯山人は、約半年間(1年という説も)、山代温泉で作陶活動に励んだ。魯山人がまだ福田大観と名乗っていた頃、九谷焼の名工・初代須田菁華と出会い、陶芸の手ほどきを受けた。
「界 加賀」のある石川県加賀市は、日本を代表する色絵陶磁器・九谷焼の発祥の地。そして、前身の「白銀屋」は北大路魯山人にもゆかりのある宿です。「器は料理の着物」と唱えた魯山人にならい、九谷焼・山中塗の食器を積極的に料理に使っています。宿に古くから伝わるものだけでなく、若手作家に依頼し、料理に合わせて作ってもらったオリジナルの器もあるそうです。

九谷焼「仏手柑(ぶっしゅかん)」は館内の土産店にて購入可能(3万円 ※税別)
たとえば、「極み」の刺身に使われているのは、「界 加賀」として新たにスタートを切る際に作ってもらった「仏手柑(ぶっしゅかん)」をモチーフにした九谷焼。ダイナミックなお皿に盛られた蟹とブリの刺身はどこか誇らしそうにも見えました。
「界」ブランドは、その地域の伝統や温泉文化を尊重しながらも、現代のトラベラーにマッチした快適なおもてなしがコンセプト。ここ「界 加賀」で目を引くのは、なんといっても、「白銀屋」時代からの伝統建築をそのまま残した、細かな⽊を縦と横に組み合わせた、真っ赤な紅殻格子(べんがらごうし)の建物(伝統建築棟)です。凛としながらもどこか温かみをたたえる赤壁の伝統建築は山代温泉のランドマーク的な存在でもあります。

茶室「思惟庵」

加賀おはよーさん体操
この伝統建築棟と、約200年前の伝統建築を修復した茶室「思惟庵(しいあん)」は、2016年に国の登録有形文化財となりました。「思惟庵」では、毎日15時から18時の間は、九谷焼の茶器で抹茶と和菓子を提供。朝7時からは、「加賀おはよーさん体操」が行われます。茶室で行われる体操で、非日常体験は旅先ならでは。心身がしゃきっと整い、「今日も美味しいものを食べるぞ!」という食いしん坊心も盛り上がります。

水引アート「光降る」。フロントの天井は、金具を一切使わず、木組みだけで作られている。「枠の内」と呼ばれるこの建築方法は、いまや再現が難しいもの。

白銀の舞
で、「界 加賀」は、館内も「伝統」ものの宝庫! フロントでは、結納飾りとして発展した加賀水引をアレンジしたオブジェがお出迎えしてくれました。伝統建築棟と客室棟をつなぐ渡り廊下から見える中庭には、加賀友禅の友禅流しをイメージした九谷焼タイルのモザイクが! そして客室棟1階のトラベルライブラリーでは、毎晩、加賀獅子舞をアレンジした「白銀の舞」が披露されます。

全48室ある客室はすべて、伝統工芸をあしらいながらも現代の快適性を追求した「加賀伝統工芸の間」。木目の美しい山中漆器の掛け、茶托、九谷焼のティーセット、加賀友禅をモチーフにしたベッドパネルとベッドライナーなどが誂えられ、伝統工芸でないものを探すのが難しいくらい! 加賀水引がデザインされた障子も上品な輝きを放っていました。

また山代温泉のお湯は「ナトリウム・カルシウムー硫酸塩・塩化物泉」。肌をやさしくなでるような、とろんとした名湯にも、加賀の伝統文化を楽しみながら入ることができます。湯上がり処には加賀提灯が飾られ、内風呂の壁面には男湯女湯あわせて計8人の九谷焼若手作家が自由な発想でデザインした、九谷焼のアートパネルが組み込まれています。露天風呂との仕切りに金沢箔で描かれた、加賀地方の象徴である白山連峰もインパクト大ですよ。

外湯(共同浴場)にも足を延ばしてみてくださいませ。足を延ばすといっても、山代温泉の2つの外湯(総湯と古総湯)はどちらも目の前! 客室にある「湯かご」を持参すれば、古総湯には無料で入浴できます。明治時代の総湯をそのまま再現したレトロな内装は情緒たっぷりです。宿のスタッフによれば、温度が高めなので、朝に入浴して心身を目覚めさせるのがおすすめだそうですよ。

支配人の五月女ゆりさん
2019年4月から「界 加賀」の支配人を務めている五月女ゆりさんは、「『加賀の王道、華やか滞在』を提唱したい」と言います。
「加賀には山があり、海があり、そして、さまざまな文化があります。加賀の多彩な文化や名産をお楽しみいただきたいです」
「伝統」や「文化」という言葉は少し堅苦しい印象があるかもしれませんが、さりげなく、でも明確な意図をもって適材適所にあしらわれた伝統文化を実際に手にし、使うことは、楽しく、豊かな経験になるはずです。焼き物も愛でるだけでなく、使ってこそナンボ。もちろん、九谷焼の艶やかな「着物」で着飾った蟹さんもお待ちかねです(ちなみに2020年の春夏は、「のどぐろと鮑の会席」がいただけます)!
加賀の伝統に包まれる「加賀の王道、華やか滞在」。これって、とびきり贅沢で、刹那な「遊び」なんじゃないでしょうか。
界 加賀
住所|石川県加賀市山代温泉18-47
アクセス|JR加賀温泉駅からタクシー、路線バスで約10分
客室数|48室(チェックイン15:00、チェックアウト12:00)
料金|1泊4万4000円~( 「活蟹づくしのタグ付き蟹会席」プラン  2名1室利用時1名あたり、税別、夕朝食付)
問い合わせ先

界予約センター(9:00〜20:00)
Tel.0570-073-011
https://kai-ryokan.jp/kaga/

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