連載 第1回 料理長 柳原章央氏、シェフパティシエ 石山直人氏、若きふたりの気鋭シェフによる「Hiramatsu」ならではのマリアージュ|HIRAMATSU HOTELS
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2021年4月5日

連載 第1回 料理長 柳原章央氏、シェフパティシエ 石山直人氏、若きふたりの気鋭シェフによる「Hiramatsu」ならではのマリアージュ|HIRAMATSU HOTELS

HIRAMATSU HOTELS|ひらまつホテルズ

森のグラン・オーベルジュ「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」とは? その魅力を解き明かすべく、ふたりの気鋭シェフに迫る!(1)

1982年、西麻布にフランス料理店をオープンして以来、ひらまつは「食を通して心豊かな時間を提供すること」をテーマに、グランメゾン、ブラッスリーやカフェ、ウエディングなど、さまざまな事業を展開。現在は日本全国に33店舗のレストランを運営、2016年からは「滞在するレストラン」をテーマにしたリゾートホテル、2020年には初の都市型ホテルを京都に開業させ、国内外から注目されています。そして2021年3月16日(火)、長野県 浅間山の麓に雄大な自然に囲まれた「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」(以下、ひらまつ御代田)が開業しました。ひらまつブランドのホテルとして6施設目となり、フラッグシップホテルに位置付けられるとのことです。私たちは、ここに日本を代表する新たなるホテルの物語が始まる予感がしています。

Photographs by MAEDA Akira|Text by HASEGAWA Aya|Edit by TSUCHIDA Takashi

パリ仕込みのローカルフレンチに込められた至福の料理

“森のグラン・オーベルジュ”をコンセプトに掲げる、ひらまつ御代田。グラン・オーベルジュとは、旅の始まりから終わりまでをフルコースにする、ひらまつからの新たなホテルステイの提案です。
その厨房を牽引するのは、「レストランひらまつ 広尾」や、「メゾン ポール ・ボキューズ」で研鑽を積み、西麻布「レストランひらまつ レゼルヴ」で料理長を務めた柳原章央シェフ。ひらまつ御代田の計画が立ち上がると、すぐさま同施設の料理長に抜擢。この2年間、地元の生産者のもとへ足を運び、地域の食材を探求してきました。
柳原章央シェフ
「東信州では多彩な食材が流通していて、週替わりで“旬”が移っていきます。生産量が少なく、東京まで出回らない、今まで自分も使ったことのないような食材に出合うことも。次々といろいろなことが楽しめ、飽きることがありません。
長野の食材を東京に送る場合、収穫されてからレストランに届くまでに1〜2日かかってしまいますが、ここなら採れたばかりの野菜を、その数時間後には調理できる。生産者との距離も近く、畑の様子を見に行くこともできます。良いと思ったものを、自信を持って、お客さまに提案できるのです」(柳原シェフ)
今回はたくさんの“自信作”から、ふたつの料理をピックアップしてもらいました。まずはメインダイニングで提供される肉料理から。御代田から車で20分ほどの、東御市に位置する「牧舎みねむら」で生産された、「信州プレミアム牛肉」を使ったひと皿です。
柳原シェフ曰く、「赤身とサシのバランスが良く、その赤身に旨味があり、脂分は多いですがあっさりとしていて上質。ただし生産量に限りがあり、多くは県内で消費されています」。この牛肉を、硬くならないように、低温でゆっくりと、備長炭の香りを付けて焼き上げています。
しかも提供されるのは“イチボ”と呼ばれる希少部位。赤身肉のジューシーさと適度な脂の入り方が絶妙です。しっかりと噛みごたえがあるのに、数回の咀嚼でスーッと溶けていきます。しつこさがなく、サラっとした余韻が残ります。
旬の野菜で彩られる付け合わせも、肉の旨味に負けない存在感を放っていました。取材時は地元で採れた菊芋に、「相性の良いそら豆とグリーンピース、そして、地元産のラディッキオ(イタリアンチコリー)を合わせました」。
一方で、魚料理は1.5キロもの大きなイワナです。そう、長野県に海はありませんので、ひらまつ御代田でも、信州の美しい水で育った「川魚」を積極的に使用していくそうです。
「水が良くなければ、身質が悪くなってしまうのが川魚の宿命ですが、このイワナは、山からの自然の水で養殖されています。したがって雑味がなく、身も引き締まっています。これを無風オーブンで間接的に火を入れ、焼き上げました。
川魚にはあまり脂分がありません。一気に強い火を入れると固まってしまうこともあるため、じっくりと少しずつ火を入れて、しっとりとした質感を残します」
そう、柳原シェフの火加減はとても繊細! しっかりと火は通っているのに、身は瑞々しさが残ります。味付けは焦がしバター。これにアクセントとして、仔牛のダシ汁を煮詰めたソースを加え、「水をイメージして盛り付けました」。美しい水で育った魚の、美しい料理は、舌だけでなく、視覚、嗅覚など、ありとあらゆる感覚で味わっていただきたい逸品です。
繊細な白身魚を、味わい濃厚な地元野菜と合わせ、さらにバターのコクでまとめ上げる大胆さ。このマリアージュは、御代田の地に柳原シェフがいるからこそであり、このひと皿を食すことが旅の目的になるのです。
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