EAT|ピエール・ガニェールの愛弟子、入江誠シェフの「スペシャリテ」完成
EAT|故郷・北海道の大地、生命の力を凝縮した一皿
ピエール・ガニェールの愛弟子、入江誠シェフが初の「スペシャリテ」を完成
表参道のフランス料理店「レストラン イリエ ル ジョワイユー」の入江誠シェフが、20余年の料理人生において初となる「スペシャリテ」を完成させた。故郷北海道の大地、生命の力を凝縮、表現した「“大地のコンソメ”白樺水とジャガイモのエッセンス」だ。6月9日(月)から提供をスタートする。
Text by YANAKA Tomomi
白樺水を使ったコンソメスープを注いで完成させる逸品
「食をアートにするシェフ」といわれる入江誠シェフ。服部栄養専門学校卒業後に日本のフレンチの巨匠、石鍋裕が率いる「クイーン・アリス」へ入店後に渡仏。フランスの政財界御用達として知られる「ルカ・キャルトン」を皮切りに、ブルゴーニュの「ラ・コート・ドール」など、名だたる5軒の三ツ星レストランを含む7店を渡り歩き、修行してきた。
2005年には、“厨房のピカソ”と称されるピエール・ガニェールの日本初進出店「ピエール・ガニェール・ア・東京」のシェフに抜擢。日本版ミシュランの二ツ星を獲得し、多くの食通を魅了してきた。そして、満を持して昨年8月にオープンしたのが、“幸福”を意味するジョワイユーを冠した「レストラン イリエ ル ジョワイユー」だ。
そんな入江シェフが、料理人生をかけて生み出した渾身のスペシャリテ「“大地のコンソメ”白樺水とジャガイモのエッセンス」は、甘さのある白樺の樹液をろ過した白樺水に、北海道産のジャガイモの皮をくわえたオリジナルのコンソメスープを使用。郷土料理のイモ餅からインスピレーションを得た、ジャガイモのクネルとフランス産のフォアグラやトリュフといった食材にスープを注ぐことで完成する逸品だ。
このスペシャリテは、12皿からなるデギュスタッションコース(1万2960円)と、あらたにスタートするプリフィクスコース(5皿6480円、7皿8100円)で、6月9日(月)から登場。さらに、日本の夏の風物詩ともいえる鮎を使った「鮎のマリネ 蓼(タデ)のアロマ 焼茄子のバヴァロアとトマトのジュレ」も同時にお目見えする。
自然のうつろいを描く、アートのような入江シェフの料理。味と香り、見た目に訴える料理は、そのときに感じたジョワイユー(幸福)とともに、私たちの心に刻み込まれることだろう。