フェラーリ初のV6ハイブリッド搭載モデル「296GTB」がデビュー|Ferrari
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2021年6月30日

フェラーリ初のV6ハイブリッド搭載モデル「296GTB」がデビュー|Ferrari

Ferrari 296GTB|フェラーリ296GTB

フェラーリ初のV6ハイブリッド搭載モデル「296GTB」がデビュー

フェラーリは6月24日、プラグインハイブリッドシステム(PHEV)と2.9リッターV6エンジンを搭載した新型2シーターミッドシップモデル「296GTB」を発表した。

Text by HARA Akira

総最高出力は830cv

車名の296GTBは、フェラーリの伝統に則ったかたちで2.9リッター 6気筒エンジン、グラン・ツーリスモ・ベルリネッタの頭文字GTBを組み合わせたもの。搭載するパワートレインは、最高出力663cvを誇る排気量2,992ccのV6ターボエンジンと、最高167cvを発生する電気モーターの組み合わせで、同時に使用すれば総出力830cvを発生することもできるし、切り離してモーターのみで走行(EV航続距離は25km)することも可能だ。8段DCTと、トランジション・マネージャー・アクチュエーター(TMA)を介して後輪を駆動。0-100km/h加速2.9秒、0-200km/h加速7.3秒、最高速度330km/h、テストコースのフィオラのラップタイム1分21秒を記録する。
新型のV6エンジンは、フェラーリ初のシリンダーバンク角120°を採用し、そのVバンク内にターボを搭載。低重心化と重量削減に恩恵をもたらしたほか、221cv/Lというプロダクションロードカーの比出力の新記録を樹立している。さらに相反する2つの特性であるターボのパワーと、自然吸気12気筒が奏でるような高周波音のハーモニーを両立。キャビン内でも車外で聞いても甲高いエンジン音が聞こえるF163型エンジンファミリーの最初に当たる今回のV6は、開発中に「ピッコロ12(小さなV12)」の愛称がついたほど。リミッターは8,500rpmという高回転で作動し、ドライバーの興奮と一体感をさらに高めるという。
一方の電気モーターはリアに搭載。最大トルクは315Nmに達し、F1で使用するモーターから派生したため、MGU-K(モーター・ジェネレーター・ユニット、キネティック)という名称を引き継いでいる。バッテリー容量は7.45kWhで、80個のセルモジュールで構成されている。
ダイナミクス機能に関しては、伝統的マネッティーノに加えて、パワーマネージメントを行う4つのポジションを持つ「eマネッティーノ」セレクターを搭載する。
・eDrive:内燃エンジンは停止し、電気のみで後輪を駆動。バッテリーがフルの状態で25kmの走行が可能。最高速度135km/h

・Hybrid(H):始動時のデフォルトモード。パワーフローは効率を最大化するようマネージメントされ、制御ロジックが内燃エンジンの介入を決定。エンジンを稼働すると、車両の最大のパワーとパフォーマンスが引き出される

・Performance:エンジンを常に稼働してバッテリーの効率を維持し、いつでもフルパワーが発揮できる状態にする。攻めたドライビングに最適な設定

・Qualify:バッテリーの再充電を抑えて、最大のパフォーマンスを発揮する
296GTBは、従来のV8ベルリネッタにくらべて30kg軽量化したV6ユニットによって、乾燥重量は1,470kgとなり、クラストップの1.77kg/cvというパワーウエイトレシオを達成。それに合わせてブレーキが「ABSevo」に進化。回生を行うとともに、ブレーキ・バイ・ワイヤの恩恵でペダルストロークが最小限まで抑えられた。
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