“12気筒”をその名に冠した最新のV12グランツーリズモ「12チリンドリ」がジャパンプレミア|Ferrari

フェラーリ S.p.A. ヘッド オブ プロダクト マーケティングのエマヌエレ・カランド氏(左)とフェラーリジャパン代表取締役社長のドナート・ロマニエッロ氏(右)

CAR / NEWS
2024年6月13日

“12気筒”をその名に冠した最新のV12グランツーリズモ「12チリンドリ」がジャパンプレミア|Ferrari

Ferrari 12Cilindri|フェラーリ ドーディチ チリンドリ

フェラーリの新V12フラッグシップ「12チリンドリ」日本上陸

フェラーリ・ジャパンは、フェラーリの新たなるV12フラッグシップモデル「12(ドーディチ)チリンドリ」を日本初披露した。

Text by YANAKA Tomomi

クラシカルかつ未来感を感じさせるエクステリア

5月にアメリカのマイアミで発表されたフェラーリの新フラッグシップの2シーター「12チリンドリ」がジャパンプレミアを果たした。
「12チリンドリ」は、1947年の創業以来、フェラーリのアイコンとなってきた自然吸気V 12エンジンをミッドフロントに搭載する2シーターグランツーリズモ。名前の由来もこの12気筒から来ている。
「12チリンドリは、最高峰のパフォーマンス、快適性、そして美しいデザイン性を求める方にとって魅力的な1台であり、完璧なパワートレイン哲学を追求するフェラーリのDNAを代表するクルマです」
ジャパンプレミアでそう語ったのは、フェラーリジャパンのドナート・ロマニエッロ社長だ。
搭載するエンジンは6.5リッターV型12気筒で、最高出力830ps、最大トルク678Nmを発生。チタン製コンロッドなどの新技術を採用することで、最高回転数は9,500rpmまで高められており、8段DTC(デュアルクラッチ・トランスミッション)を介して後輪駆動する。
パフォーマンスは最高速度340㎞/h、0-100㎞/h加速では2.9秒を記録。
今回、V12エンジンの改良点として挙げられたのが、あらゆる操作状況でのトルクデリバリーの最適化。この改良により、シームレスなレスポンスやレッドゾーンで最高出力を発揮できるようになったという。
そして、フェラーリの12気筒モデルの魅力の一つでもあるのがエンジンサウンド。フェラーリでは、吸排気ダクトを最適化することで、点火順序による倍音成分をすべて響かせるサウンドを作り上げた。
車内で響くサウンドに対しても、レゾネーターの位置を変更し、より豊かな音域になったという。
エアロダイナミクスについては、最大限にダウフォースを発生できるようアンダーボディを設計。これには中央ラジエーターからの気流の管理にも貢献しており、アンダーボディ中央の開口部にはルーバーが設けられ、その平面的配置と側面の形状により、勢いの弱い高温の空気の影響を最小限に抑える効果があるという。
V12エンジンから排出される熱を排出するために、フロントバンパーには7か所の開口部を設置。一方、ブレーキの冷却ダクトもたっぷり確保され、空気を取り込む開口部はラジエーター用インテークの間とフロントスプリッターの2か所を設け、外側がエンジンオイル用のラジエーターに、内側はブレーキの冷却に割り当てられる。
シャシーは、新開発された総アルミニウム製。ビークル・ダイナミクスとして「296 GTB」でデビューしたABS Evoと6Dセンサーを採用した。これにより、「PCV(バーチャル・ショート・ホイールベース)3.0」や「SSC(サイドスリップコントロール)8.0」といったシステムの制御が得られ、制動距離が短縮できるブレーキングにもつながるという。
エクステリアは、チーフ・デザイン・オフィサーであるフラビオ・マンゾーニ氏が「フェラーリのこれまでのV12フロントミッドシップエンジンのスタイルコードを根本的に変えたいと考えた」と語る通り、先代モデルたる812スーパーファストから大きく刷新。大きなボディ側面の抑揚や存在感のあるエアインテークなど昨今のフェラーリV12モデルでおなじみのデザイン要素を省いたクリーンなラインが印象的だ。
フロントは、ヘッドライトの細長いフォルムや伝統的なグリル形状など、フェラーリの特徴的要素にかわって幾何学的形状などが生かされ、左右方向にブラックアウトされたベルトラインがどことなく1970年代の名車「365GTB4 “デイトナ”」を思い起こさせる。
リアでは、リアウィンドウからリアデッキにかけて、超高速旅客機「コンコルド」のデルタウィング(三角翼)をモチーフとした形状にブラックアウトされるなど、これまでにない斬新なリアビューが創出されている。
そうしたデザインをこわさないよう、リアスポイラーの代わりにリアスクリーンと一体化した2個の可動フラップが取り入れられ、リア全体にクリーンかつ、シームレスなスタイルが演出された。
コックピットは「ローマ」や「プロサングエ」とどうように「デュアルコックピットコンセプト」と称されるほぼ左右対称の構造を採用。サイズアップした新たな着色ガラスルーフも相まって開放感のあるクリーンな空間に仕上げられている。
リサイクル・ポリエステルを65%含むアルカンターラをはじめ、サスティナブルな素材も幅広く採用されているのも特徴だ。
コックピット中央には、10.25インチのタッチスクリーンを搭載。15.6インチのドライバーディスプレイのほか、助手席の前にも8.8インチのディスプレイを装備され、コ・ドライバーのような感覚を味わえるという。
「12チリンドリ」の価格は5674万円。オープンモデルのスパイダーも導入され、こちらの価格は6241万円となる。
Ferrari 12Cilindri|フェラーリ ドーディチ チリンドリ
ボディサイズ|全長4,733×全幅2,176×全高1,292㎜
ホイールベース|2,700㎜
トレッド前/後|1,686/1,645㎜
重量|1,560kg
エンジン|6,496㏄自然吸気V型12気筒
最高出力|830ps/9,250rpm
最大トルク|678Nm/7,250rpm
トランスミッション|8段DCT
最高時速|340㎞
0-100㎞/h加速|2.9秒
タイヤサイズ|フロント275/35 R21 リア315/35 R21 
問い合わせ先

フェラーリ
https://auto.ferrari.com/
https://www.ferrari.com/ja-JP/

                      
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