オフロード性能を追求したフィアット パンダクロス|Fiat
CAR / NEWS
2015年8月24日

オフロード性能を追求したフィアット パンダクロス|Fiat

Fiat Panda Cross|フィアット パンダ クロス

オフロード性能を追求した新感覚4WD

フィアットは、3月4日にスイスで開幕するジュネーブ モーターショーにおいて、「パンダ 4×4」をベースにオフロード性能を向上させた「パンダ クロス」を発表する。現行「パンダ」よりも車高をアップし、アンダーボディを守るガードタイプのバンパーデザインを採用。タフなイメージのエクステリアデザインが特徴となる。

Text by SAKURAI Kenichi

「トルクオンデマンド」と名付けられた4WDシステムを搭載

今回のジュネーブ モーターショーで発表される「フィアット パンダ クロス」、は、3代目となる現行「パンダ 4×4」をベースに、ロードクリアランス確保のために車高を上げ、15インチサイズのタイヤを装着。悪路走破性能をさらに高めると同時に、「トルクオンデマンド」と名付けられた4WDシステムを搭載した。

用意されるエンジンは2種類。フィアット自慢の1.3リッター直列4気筒「MultiJet II」ターボ・ディーゼルは、80hp/4,000rpmと19.4kgm/1,500rpmを発揮。もうひとつの0.9リッター2気筒ターボ「TwinAir」は、「パンダ 4×4」を5hp上まわる最高出力90hp/5,500rpmと、最大トルク14.8kgm/1,900-3,000rpmを発生する。これらのエンジンに、ローレンジをカバーするギア比の低い1速ギアを搭載する6段MTを組み合わせ搭載した。

ちなみに0.9リッター2気筒ターボ「TwinAir」は、リッターあたり20.4kmという低燃費性能を持ち、CO2排出量は114/g、いっぽうの1.3リッター直列4気筒「MultiJet II」ターボ・ディーゼルは、リッターあたり21.2kmの走行を可能とし、CO2排出量は125/gに抑えられている。

「トルクオンデマンド」と呼ばれる4輪駆動システムは、ELD(エレクトロニック ロッキング ディフォレンシャル)とESC(エレクトロニック スタビリティ コントロール)をもちいて、路面状況におうじ前後に最適な駆動力が配分されるシステムだ。コクピットには「テレインコントロール」セレクターが用意され、ドライバーは「オート」、「ロック」、「ヒルディセント」という3つの走行モードを選択できる。

「オート」はその名のとおり、タイヤのグリップをモニタリングすることで路面状況を車両が判断し、自動的に前後輪にトルクを分配。通常はこのモードで走行する。「ロック」モードは、滑りやすい路面を走行する場合に使用する。オフロードを低速(50km/h以下)で走行するさいにもちい、車輪のスリップを関知するとその各輪に適宜ブレーキを掛け、ほかの車輪にトルクを分配しトラクションを確保する。「ヒルディセント」は急な坂道を下るときに、アクセルコントロールをおこなわずとも、車両がESCをコントロールし、最適なグリップ力を確保。安定したダウンヒル走行を可能とするものだ。

Fiat Panda Cross|フィアット パンダ クロス

オフロード性能を追求した新感覚4WD (2)

性能を体現するワイルドな装い

タイヤは「パンダ 4×4」よりもひとまわりり大きな185/65R15サイズのオールシーズンタイヤを装備。ホイールは5本スポークVデザインを採用したアルミ製で、光沢のあるメタリックカラーとなっている。このタイヤをカバーするサスペンションも、オフロード走行を前提とした特別なエンジニアリングが施され、フロントはマクファーソンストラット式、リアは四輪駆動システム搭載のために新開発されたトーションビーム式を採用した。

参考までに、オフロード走破性のポテンシャルを計る基準となるアプローチアングルは24度で、デパーチャーアングルが33度となっている。さすがに道無き道をゆくとまではいかないが、通常直面する大きな轍や、急なガレ場を登るにじゅうぶんなスペックを確保しているといえそうだ。

そんなオフロードに似合いそうなボディには、光沢のあるシルバー塗装を施したアンダーカバー兼用のバンパーと、ドア左右におなじカラーリングを施した幅広のドアモールを装備。ヘッドライトとフォグライトには樹脂製のベゼルを装備し、ワイルドなキャラクターをイメージさせている。テールパイプはクローム仕上げのフラットな形状で、オフロード走行を考慮。ボディ下部を中心にプロテクターを纏ったようなデザインがタフな印象をもたらす。

インテリアでは、専用ファブリックトリム、本革のステアリングホイールとシフトノブ、専用デザインのダッシュボードとトリムを採用。こちらもオフロードをイメージさせるデザインに仕上げられた。また、フィアットグループが採用するインフォテイメントシステム、「ブルー&ミー」に対応したステアリングホイールコントロールのほか、オートエアコン、ラジオCD/MP3対応オーディオなども標準装備している。

さらに、「ユーロNCAP アドバンスド 2013 」賞を受賞した、ほかの車両や障害物の存在することを車両が認識し、時速30kmまでであれば自動ブレーキで衝突回避をおこなう「シティブレーキコントロール」も装備。安全面でも現代的なテクノロジーを搭載している。

6段MTのみのラインナップなので、日本導入は難しそうだが、道を選ばないタフでワイルドなSUVやクロスオーバーは日本市場でも一定の人気を得ている。コンパクトカーセグメントで、他人とひと味ちがったモデルを選びたいという向きには、なかなか魅力的なモデルになりそうである。

           
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