アメリカならばガソリンの給油よりも早い

全長4,978×全幅1,964×全高1,435mm、バッテリー容量は最小でも60kWh。最大の85kWh仕様ならば約426kmもの航続距離を誇るテスラのラグジュアリー電動サルーン「モデル S」。この巨大な電気自動車を、たった90秒で満充電状態にする方法があるとテスラはいう。どうやって？

テスラの秘策は、バッテリーをまるごと交換してしまう、というものだ。ページ先頭のビデオでテスラのCEO イーロン・マスクが語る内容を以下に抄訳しよう。

「モデルSを設計したとき、充電に時間がかかる、という理由で、電気自動車の購入に二の足を踏んでしまう方のために、選択肢を用意しました。

ひとつは“スーパーチャージャー”。これは無料で、50パーセント程度の充電を20分で完了できるという急速充電です。もうひとつが、バッテリーパックをまるごと交換してしまう、“バッテリーパック スワップ”です。後者は、ガソリンの給油よりも早く、モデルSを満タンにできます。

テスラステーションにきていただいて、お客様には選択をしていただくわけです──より早くか、無料でか、を」

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「バッテリー交換器は、ネジがある場所を特定して、正確にバッテリーを取り外し、あたらしいバッテリーを、完璧に取り付けます。

ビデオに出てくるガソリンスタンドは、我々がLA中さがしまわったなかで、最速のガソリンスタンドです。1分で10ガロン（約38リットル）を給油できます。それでもガソリンの給油完了までに、2台のモデルSのチャージが完了するのです。

私達は、いまだに電気自動車についていわれる、偏見を払拭したかった。これでおわかりのように、電気自動車はガソリン車以上に便利に使えるのです。ここにお集まりの方々には、いまさら言うまでもないことなのでしょうが、電気自動車が、これからのクルマなのです！」

このサービスは、カリフォルニア、その後ボストン（北米）で年内には開始する予定であり、肝心の、バッテリーパックの交換に必要な価格は、15ガロン（約57リットル）のガソリンと同程度（60から80ドル程度）だといわれている。

ちなみに、モデルS オーナーは、後日おなじ価格を支払うことで、自分がステーションにおいてきたバッテリーパック（満充電になったもの）を回収できる。そして、テスラは、オーナーの家まで無料でバッテリーパックを宅配するサービスも検討中だという。

また、交換時に取り付けたバッテリーパックが、交換時に外したバッテリーパックよりも、あたらしかった場合は、テスラに、その差額分を支払うことで、オーナーは、あたらしいバッテリーパックを、自分のものにすることもできるようだ。