アストン、2つのスペシャルモデルを日本初公開|Aston Matin
CAR / NEWS
2016年8月3日

アストン、2つのスペシャルモデルを日本初公開|Aston Matin

Aston Maritn Vanquish Zagato|アストン・マーティン ヴァンキッシュ ザガート

Aston Maritn Vantage GT8|アストン・マーティン ヴァンテージ GT8

アストン、2つのスペシャルモデルを日本初公開

アストンマーティン・ジャパンは全世界99台限定のヴァンキッシュザガートと、同じく150台限定のヴァンテ―ジGT8を日本初公開した。アンディ・パーマーCEOは2020年までに少なくとも7台のニューモデルを市場投入し、毎年2台のスペシャルエディションをリリースするということを発表している。昨年は、「ヴァルカン」と「ヴァンテージ GT12」の2台が投入され、2016年は「ヴァンキッシュ ザガート」と「ヴァンテージ GT8」がそれにあたるのだ。

Text & Photographs by UCHIDA Shunichi

アストンとザガートのコラボ50周年記念モデル

全世界99台限定のヴァンキッシュ ザガートの価格は8,510万円で2017年第一四半期からデリバリーが開始される。日本割り当ては2台だが、すでに完売している。なお、今回日本で公開されたモデルは市販前のヴァンキッシュザガートコンセプトである。

1960年に発表された「DB4GT ザガート」がこのコラボレーションの第1弾だ。その後、1986年に「V8ヴァンテージ ザガート」、2003年に「DB7 ザガート」、そして2011年に「V12ザガート」がデビュー。そして、このモデルが5代目となるザガートである。

デザインを担当したのはアストンマーティン チーフクリエイティブオフィサーのマレック・ライヒマン氏だ。彼がイニシアチブを取りながら、ザガートとともにこのモデルをデザインしていったという。

アストンマーティン・ジャパン マネージングダイレクターの寺嶋正一氏によると、「ザガートとのコラボレーション50周年記念モデルとして最高のザガートを作ろうと、アストンマーティンのフラッグシップモデルとして君臨しているヴァンキッシュをベースとしてこのザガートを作った」とコメント。「ヴァンキッシュは美しくてエレガントだと思うが、それをより豪華でダイナミックにしたのがこのザガートだ」と述べる。

Aston Maritn Vanquish Zagato|アストン・マーティン ヴァンキッシュ ザガート

Aston Maritn Vanquish Zagato|アストン・マーティン ヴァンキッシュ ザガート

そのコンセプトカーはイタリアのコモ湖湖畔で毎年開催されているヴィラ・デステ コンコルソ デレガンツァ2016で「ヴァンキッシュ ザガート コンセプト」として公開された。

エクステリアは、ザガートとのコラボレーションの証として、レッドエナメルのウイングバッチやZパターンのグリル、そして、ザガートモデル特有の円形のテールライトなどが装備されている。もちろん今となってはザガートのデザインアイコンでもあるダブル バブル ルーフも採用された。

さらにヴィラデステ パックを選択すると、象徴的なブロンズ アノダイズド サイド ストレーク(サイドマーカーとともに装備されるデザインモチーフ)が取り付けられる。

インテリアでは、シートやドアセクションには、ユニークな“Z”パターンキルトがあしらわれ、ザガートのイニシャルである“Z”が、ヘッドレストにはエンボス加工で、センターコンソールにはステッチで、それぞれ施されている。

Aston Maritn Vanquish Zagato|アストン・マーティン ヴァンキッシュ ザガート

Aston Maritn Vanquish Zagato|アストン・マーティン ヴァンキッシュ ザガート

パワートレインには600psを発生する6リッターV12エンジンを搭載し、0-60mph(約97km/h)は3.5秒。この性能向上に伴いサスペンションセッティングも変更されている。また、ボディはフルカーボンファイバーで作成され、大きな1ピースパネルを使うことによって、ボディパネルの継ぎ目に現れるスプリットラインを大幅に削減している。

寺嶋氏は、「この豪華でダイナミックなヴァンキッシュザガートの登場によって、スタンダードのヴァンキッシュの美しさ、エレガンスがなお一層引き立つだろう。この機会にスタンダードのヴァンキッシュの完成度も再確認してもらいたい」とベース車の良さも強調していた。

Aston Maritn Vanquish Zagato|アストン・マーティン ヴァンキッシュ ザガート

Aston Maritn Vantage GT8|アストン・マーティン ヴァンテージ GT8

アストン、2つのスペシャルモデルを日本初公開 (2)

ストリートからサーキットまで「ヴァンテージ GT8」

一方「ヴァンテージ GT8」は「ヴァンテージGTE」からインスピレーションを受けた市販車で、価格は2,770万円(マニュアル)/28,27万2,400円(スポーツシフト)。全世界150台限定、日本へは4台が割り当てられる。デリバリーは2016年第4四半期を予定している。

「アストンマーティンは設立当初からレースに関わり、レースで培ったテクノロジーをロードカーにフィードバックするというクルマ作りを続けてきた。このGT8も最近のレースで培ったテクノロジーを投入した、可能な限りレースカーに近い形でロードカーにしたモデルで、GTEからインスパイアされたクルマ。つまり、レースカーのサラブレッドなのだ」とは、前出の寺嶋氏の弁。

V8ヴァンテ―ジ史上最軽量、最強のモデルであるヴァンテ―ジGT8は、カーボンファイバー ボディワークを基礎として、レース直系の空力テクノロジーを応用している。また、サーキット走行を想定してチューンされたシャーシは極めてシャープな俊敏性を実現している。

Aston Maritn Vantage GT8|アストン・マーティン ヴァンテージ GT8

Aston Maritn Vantage GT8|アストン・マーティン ヴァンテージ GT8

ドライブトレインは、4.7リッターV8エンジンで446psの最高出力を発生し、トランスミッションは、6段マニュアル、またはスポーツシフトIIパドルシフトが選択可能だ。0-60mph(約96km/h)は4.4秒、304km/hの最高時速を誇る(両数値とも予測値)。

あくまでロードカーと位置づけられるヴァンテージGT8だが、アストンマーティン レーシングのWECマシンをほうふつとさせるワイドボディと、空力処理が施されており、フロントスプリッター、フロント/リアバンパー、フェンダー、サイドシル、リア ディフューザーに軽量なカーボンファイバーが使われている。また、大型リアウィングとフロントスプリッター コーナー エレメントで構成されるエアロパックがオプション設定されている。

標準装備の5本スポーク アロイホイールは新デザインで、超軽量7本スポーク センターロック マグネシウム ホイールも用意される。標準、オプションホイールともに、ミシュラン「Pilot Sport Cup 2」タイヤが組み合わされる。

Aston Maritn Vantage GT8|アストン・マーティン ヴァンテージ GT8

Aston Maritn Vantage GT8|アストン・マーティン ヴァンテージ GT8

そして、軽量化ために、リチウムイオンバッテリーを標準採用するほか、カーボンファイバールーフ、ポリカーボネートリアウィンドスクリーン/リアサイドウインドウ、センター出しチタンエキゾーストシステムなどの軽量化オプションも設定。標準装備のカーボンファイバースポーツシート(マニュアル調整式)やカーボンファイバードアパネルなどにより、最大で100kgの軽量化が実現され、全ての軽量化のオプションを含めると1,510kgになるという。

このヴァンテ―ジGT8について、アンディ・パーマー氏は、「ロードカーの製作は我々のビジネスであり、モータースポーツは我々の血統だ。このモデルは、この2つの要素を巧みに融合させている。ル・マンのレーシングプログラム直系のエクストリーム ロードカーであり、純粋なスポーツカーとしてのヴァンテ―ジ固有のダイナミズムをさらに発展させているのだ。つまり、ストリートからサーキットまで、世界中のありとあらゆるシーンにフィットする真のドライバーズカーがこのヴァンテージGT8なのだ」とコメントした。

           
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