新型Eクラス ワゴン、ワールドプレミア|Mercedes-Benz
CAR / NEWS
2016年6月10日

新型Eクラス ワゴン、ワールドプレミア|Mercedes-Benz

Mercedes-Benz E-Class Estate|メルセデス・ベンツ Eクラス ステーションワゴン

Mercedes-AMG E 43 Estate|メルセデスAMG E 43 ステーションワゴン

新型Eクラス ワゴン、ワールドプレミア

今年1月にモデルチェンジした「Eクラス セダン」につづいて、「Eクラス ステーションワゴン(欧州名エステート)」も新型となった。ドイツで行われたワールドプレミアに立ち会った、島下泰久氏のリポート。

Text by SHIMASHITA Yasuhisa

実用ワゴンからスペシャリティ的なアピアランスへ

6月7日にダイムラーAGは、ドイツ・シュトゥットガルトにて開催中のテニスATPワールドツアー“メルセデス・カップ”会場にて、新型メルセデス・ベンツ「Eクラス ステーションワゴン」を世界に向けて初公開した。未だクラシックカーとして高い人気を誇る1978年デビューの123型から数えて、通算6世代目となるモデルだ。

新型Eクラス ステーションワゴンの最大の特徴としては、そのスタイリングを挙げるべきだろう。歴代のほとんどのモデルが荷室容量を最優先に、スクエアでボクシーなフォルムをまとっていたのに対して、新型は「Cクラス」のステーションワゴンと非常によく似た、流麗な姿にまとめられている。ルーフラインはリアエンドに向けてなだらかに下降していき、キャビン後端も少し絞られて、実用一辺倒ではないスペシャルティ的な要素を色濃くしているのである。

Mercedes-Benz E-Class Estate|メルセデス・ベンツ Eクラス ステーションワゴン

Mercedes-Benz E-Class Estate|メルセデス・ベンツ Eクラス ステーションワゴン

メルセデス乗用車のエクステリアデザイン部門リーダー、ロバート・レスニック氏によれば「これは今、メルセデス・ベンツが標榜している“センシュアル・ピュアリティ”をそのまま当てはめたもの」だという。ピュアリティという言葉には、ステーションワゴンの場合は機能性も含まれる。一方でセンシュアル、つまり情感に訴える部分も同時に追求するというわけだ。

とは言え、ラゲッジスペース容量は通常時670リッター、後席を倒してルーフいっぱいまで詰め込んだ場合には1,820リッターと、実は現行モデルの、それぞれ695リッター/1,950リッターよりは小さくなっている。それでも依然としてクラス最大級であることに変わりはなく、ライバルであるアウディ「A6アバント」、BMW「5シリーズ ツーリング」よりも広いスペースを確保しているというのが、メルセデスの主張である。

Mercedes-Benz E-Class Estate|メルセデス・ベンツ Eクラス ステーションワゴン

Mercedes-AMG E 43 Estate|メルセデスAMG E 43 ステーションワゴン

新型Eクラス ワゴン、ワールドプレミア (2)

セダン比100kg増に抑えた高剛性ボディ

もちろん単純な容量だけで、ワゴンを語ることはできない。使い勝手の面を見ると、40:20:40の割合で分割された後席シートバックは、左右についてはリアゲート近くのスイッチからでも倒すことが可能。また個別に角度も調整できて、立て気味にすれば最大で積載量を30リッターほど稼ぐこともできる。

リアゲートは電動開閉式で、足のジェスチャー動作で開閉できるハンズフリー アクセスのオプションも用意される。折りたたみ可能な3列目の子ども用シートも選択可能だ。ただし、日本導入の可能性は低そうである。

リア エア サスペンションは標準装備で、最高745kgまでの積載時にも車高を前後平行に保つ。これは牽引のさいにも効果を発揮する。日本ではこれまで用意されていない牽引用トレーラーヒッチの設定にも期待したいところだ。

Mercedes-AMG E 43 Estate|メルセデスAMG E 43 ステーションワゴン

Mercedes-AMG E 43 Estate|メルセデスAMG E 43 ステーションワゴン

ボディに大きな開口部を持つステーションワゴンということで、車重は約100kg重くなっている。これにはCピラー、Dピラー周辺の補強、そして車体後部床下に追加されたトラス構造によるボディ補強の影響である。この高剛性ボディは、シーリングの徹底、後席下やホイールアーチ内の遮音材の追加などとともに、静粛性向上にも貢献している。実際、「形状的には不利なワゴンボディだが、静粛性は非常に高いレベルを達成したセダンに、ほぼ遜色ない」と、開発陣は胸を張っていた。

しかも、それでも飽き足らない人にはさらに、アコースティック コンフォート パッケージも用意される。フロントとサイドの遮音フィルム入りウインドウ、リアの足元、センタートンネルへの遮音材の追加が行なわれるほか、断熱効果をもつウインドウもセットされる。

その他の部分については基本的に、今夏にも上陸予定の新型「Eクラス セダン」に準ずる。エンジンは本国では当初、ガソリンが4種類、ディーゼルが3種類を設定。ガソリンのトップモデルには、メルセデス製V型6気筒3リッターターボエンジンを積むAMGのエントリーモデル“43”シリーズの、メルセデスAMG「E 43 4MATIC」が用意される。

ヨーロッパでの発売は今秋から。日本には早くて年末、おそらくは来年初頭の導入となりそうである。

           
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