アウディ新型TT RSを発表|Audi
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2016年4月28日

アウディ新型TT RSを発表|Audi

Audi TT RS Coupe|アウディ TT RS クーペ

Audi TT RS Roadster|アウディ TT RS ロードスター

直列5気筒搭載のトップモデル誕生

アウディは4月25日より開催されている北京モーターショーで、「TT」シリーズのトップモデルとなる「TT RSクーペ」と「TT RSロードスター」をワールドプレミアした。注目はフロントに積まれるパワーアップした2.5リッター直列5気筒エンジン。最高出力294kW(400ps)を発生し、クーペモデルは0-100km/h加速を3.7秒でこなす俊足を披露する。2016年秋から欧州市場で発売を開始する予定だ。

Text by SAKURAI Kenichi

注目はパワーアップしたエンジン

アウディの2ドアスポーツモデル「TT」は、現行モデルが3代目。2014年のジュネーブ モーターショーでお披露目され、2015年8月に日本でも導入を開始した。今回北京モーターショーで発表されたのは、シリーズの頂点となる「RS」モデルで、クーペとロードスターに設定される。開発と製造はアウディのスポーツモデルを手がけてきた100パーセント子会社であるクワトロ社が担当。アウディ ラインナップの中でも特別なモデルとして、走りに磨きをかけている。

新型「TT RS クーペ」と「TT RS ロードスター」において数ある特別なチューンのなかでも、さらに特徴的な技術要素は、第2世代モデルのTT RSよりも60ps向上させた新開発の2.5リッター直列5気筒ターボエンジンであろう。

Audi TT RS|アウディ TT RS

Audi TT RS|アウディ TT RS

排気量は従来の「TT RS プラス」と同じ2,480ccながら、内部摩擦の軽減や吸排気系の見直しなどで17パーセントの出力向上を果たし、最高出力294kW(400ps)、最大トルク480Nm(48.9kgm)を発生。クーペでは0-100km/h加速が3.7秒(ロードスターは3.9秒)、最高速度250km/hというパフォーマンスを披露するが、リクエストによって最高速度は280km/hにまで向上させることが可能だ。

このエンジンは、全長が500mmを切るコンパクトな設計であるのもポイントだ。従来のエンジンよりも26kgも軽量に造られているという。さらにクランクケースも軽量で、単独では26kgの重量しかないアルミ製、シャフトの軸受け部分は6mmと非常に薄く造られている。パワーアップとともに軽量化されたエンジンは、車両の重心をより引き下げる効果と、軽快なハンドリングに寄与することになる。

Audi TT RS Coupe|アウディ TT RS クーペ

Audi TT RS Roadster|アウディ TT RS ロードスター

直列5気筒搭載のトップモデル誕生 (2)

アグレッシブなデザインも魅力

排気量や気筒数、そしてターボといったプロフィールは同一ながら、新型として進化したこのエンジンに組み合わせられるトランスミッションには、アウディ車でおなじみの7段Sトロニック(DCT)を用いた。もちろん、こちらもTT RSのパフォーマンスにふさわしいメカニズムに進化、改良を施したもの。「電光石火」という言葉でアウディは7段Sトロニックのシフトタイミングとパフォーマンスを表現。TTシリーズのトップモデルにふさわしいパワートレーンを構築した。

いっぽう駆動方式は、従来のTT RSと同様にフルタイム4WDシステムの「クワトロ」を採用。トルク配分や制御はこちらもTT RS専用のプログラミングを用い、さらに「アウディ ドライブセレクト」によってエンジンの出力マネージメントやSトロニックの変速スピード、さらには排気音、ステアリング特性を変更することが可能になっている。コンフォート/オート/ダイナミック/インディビジュアル(任意の各種特性を設定可能)の4つの走行モードからドライバーの気分や走行ステージによって選ぶことができる。

さらにもうひとつ、注目すべきポイントがある。よりアグレッシブになったエクステリアデザインである。

Audi TT RS|アウディ TT RS

Audi TT RS|アウディ TT RS

フロントバンパー左右に設けられたエアインテークはさらに大型化され、ボディと2トーンになるシルバーのリップスポイラーを装備。ひと目でこれまでの「TT」とは異なるアピアランスで、トップモデルとしての特別な存在感を印象づける。クーペ、ロードスターともにリアには固定式のウィングを標準装備し、オーバル形状のマフラーエンドも「TT RS」専用のフィニッシュである。

ホイールはクーペ、ロードスターともに5本スポークデザインの19インチホイールが標準装備され、これに245/35R19サイズのタイヤを装着。オプションで20インチの軽量7本スポークホイールを選択可能だ。20インチホイールを選んだ場合、タイヤサイズは255/30R20にアップグレードされる。

ブレーキはフロントに370mm径、リアの310mm径のベンチレーテッドディスクを標準装備し、オプションで20インチホイールを選択した場合にはカーボン セラミック ブレーキディスクも装備できるようになっている。

Audi TT RS Coupe|アウディ TT RS クーペ

Audi TT RS Roadster|アウディ TT RS ロードスター

直列5気筒搭載のトップモデル誕生 (3)

量産モデルとしてOLEDを初採用

またTT RSでは、アウディの量産モデルとして初めてマトリックスOLED(有機発光ダイオード)もリアライトにオプションとして用意した。均一で高いコントラストの光を発生するOLEDは、4つの四角が内側から外側に向かって小さくなる特徴あるデザインを採用。立体的な視覚効果をもたらす発光で、従来のモデルでは必ず装備されていたリフレクター(反射板)を不要とする先進的なテールライトユニットになっているという。

軽量ボディもTT RSの自慢で、クーペモデルの車重は1,440kg、ロードスターは1,530kgに抑えられた。特にロードスターのソフトトップは総重量が39kgと軽量。この電動ソフトトップは50km/hまでなら走行中も開閉が可能になっている。

Audi TT RS|アウディ TT RS

Audi TT RS|アウディ TT RS

インテリアではダイヤモンドパターンを採用したTT RS専用スポーツシートや、それに合わせたブラック/グレイ、ブラック/レッド、ブラウン/グレイなど専用のカラーリングなどもTT RSのスペシャル。他のTTシリーズ同様に12.3インチのモニターがメーターとなるアウディ バーチャルコクピットを装備し、先進的なトライビング環境を整えている。オプションで用意されるバング&オルフセンのサウンドシステムもTT RSにふさわしいラグジュアリー装備といえそうだ。

欧州では今秋よりデリバリーを開始。価格はクーペモデルが6万6,400ユーロ(邦貨約837万円)、ロードスターが6万9,200ユーロ(邦貨約872万円)という設定。日本上陸は、2017年の中盤と予想できる。

           
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