メルセデスのミニバン、新型「Vクラス」発表|Mercedes-benz
Mercedes-benz V-Class|メルセデス・ベンツ Vクラス
3代目となるメルセデスのミニバン、新型「Vクラス」発表
メルセデス・ベンツのミニバン「Vクラス」がモデルチェンジした。ドイツ本国では3月より予約が開始され、5月に販売が開始される予定だ。
Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)
ボディのタイプは全3バリエーション
全長5メールを超えるおおきなボディに、スライドドアや3列シートをそなえ、メルセデス・ベンツらしいラグジュアリーなインテリアをまとった最新の「Vクラス」。初代は1999年に商用バンからの派生モデルとして誕生。2代目ではその名称を「ビアノ」と変更したが(日本ではマイナーチェンジを機にVクラスに戻した)、今回のフルモデルチェンジで、再びVクラスとし、3代目のデビューとなった。
フロントフェイスは「Aクラス」「Eクラス」「Sクラス」「Cクラス」といった最近のモデルにみられるような、押し出しの強いグリルに切れ長のヘッドライト獲得。また、フロントフェンダーからリアへとつづくキャラクターラインや、両端が弓なりに見えるようデザイン処理されたサイドウィンドウの下端ラインなども、最新のメルセデスファミリーであることを明確にしている。もちろん、このヘッドライトにはオプションでLED照明の設定も可能だ。
ボディバリエーションは、全長がことなる3種類が用意。標準モデルでは、全長4,895mm、ホイールベース3,200mm。ロングモデルでは、全長5,140mm、ホイールベースは標準モデルと同様の3,200mm。そして今後販売が予定されているなかで、もっとも長いエクストラロングモデルは、全長5,370mm、ホイールベース3,430mmとなる。すべてのモデルの全高は1,880mmで全幅は発表されていない。
ローンチ時のエンジンは、2.1リッター直列4気筒ターボディーゼルで、100kW(136ps)、120kW(163ps)、140kW(190ps)と出力がことなる3機種を用意。エントリーモデル「V 200 CDI」に搭載されるエンジンは、最高出力100kW(136ps)、最大トルク330Nmを発揮。燃費は6.1ℓ/100km(およそ16.4km/ℓ)、CO2排出量も149g/kmという環境性能をほこる。
中間にあたる「V 220 CDI」には、最高出力120kW(163ps)、最大トルク380Nmを発生するエンジンを搭載。 いっぽう、トップグレードとなる「V 250 BlueTEC」のエンジンは、最高出力140kW(190ps)、最大トルク440Nmのパワーを持つ。これに7Gトロニック プラスと呼ばれるパドルシフト付きの7段ATのトランスミッションを組み合わせることで、0-100km/加速を9.1秒、最高速度206km/hというV6ディーゼルエンジンを搭載していた先代に匹敵する運動性能を実現。それでいながら、燃費は6.0ℓ/100km(およそ16.7km/ℓ)と、28パーセントもの燃費性能を向上させた。
なお、V 200 CDIおよびV 220 CDIに組み合わされるトランスミッションは、6段MTもしくは7段ATが設定される。
新型Vクラスには、ミニバンでありながらもドライビングもたのしめるようあらたに、「アジリティ セレクト」という機能をそなえる。これは、ボタン操作によりEconomical、Sport、Comfort、Manualという4つのドライビングモードを選択できるというもの。各モードにあわせてエンジン、アクセラレーター、トランスミッションの挙動がかわり、シーンにあわせた走りをたのしめるという。また、Economical以外のモードでは、加速時にプラス10kW/40Nmのオーバートルクを得ることができる。
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多彩なシートバリエーション
インテリアも一新された。上下にわかれたダッシュボードは、下半分がおおきく張り出した立体的な造形。シート素材はファブリックもしくはレザーを標準とするが、デジーノパッケージを適用すればナッパレザーのシートも選ぶことができる。
センターコンソールにはSクラスから採用された、タッチバッド式のマルチメディアコントローラーを装備。オーディオやナビゲーションを、スマートフォンのようにタッチやジェスチャーで操作することができる。運転中でも操作可能なように、ステアリング上には12個のボタンが配されるが、さらに利便性を向上させる音声入力“リンガトロニック”もオプション導入が可能だ。
後席も大切なミニバンということで、豊富なシートバリエーションが用意される。
標準では、独立した2座のシートを中列後列にもちいた6人乗り仕様。この標準にかえて、2列目、3列目には2人用のベンチシートもしくは3人用のベンチシートに変更でき、最大8人乗り仕様を可能とする。
さらに、3列目シートのオプションとして、ヘッドレストまでが一体となったベンチシートも用意。これは、車中泊のさいに、倒すことで長さ約2メートル、幅1.3メートルのベッドとしてそのまま利用可能とするもの。
いずれのシートを設定した場合にも、1人ずつにしっかり3点式シートベルトをそなえるというのは、メルセデス・ベンツが注力する安全へのこだわりだ。
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最新の安全装備を搭載
ミニバンとしてのユーティリティの高さはシートだけではない。荷室へのアクセスとなるリアゲートは、ガラス部分だけを独立してオープン可能とし、ちょっとした荷物の出し入れや狭い場所での利便性を向上させている。オプションのEASY-PACKを導入すると、電動となり、開閉が自動になるのはもちろんんこと、好きな開度で停止させることも可能だ。
独立調整式のエアコンは、オプションのサーモトロニックを導入するとクルマのリモコンキーからオンオフ操作が可能。暑い夏や寒い冬には、乗車前に車内を適温にしておくことができる。
もちろん、セーフティにかんしても最新のものを装備。EクラスやSクラスで導入されたレーダー、カメラ、超音波を駆使したハイテク安全装備“インテリジェント ドライブ”が用意されている。
標準で搭載されるのは、横風のふらつきを軽減させる“クロスウィンドアシスト”とドライバーの疲労を感知すると警告を発する“アテンションアシスト”。 さらにオプションとして、アクティブパークアシスト、360度カメラ、ディスロトニックプラス、衝突軽減アシスト、トラフィックサインアシスト、レーンキーピングアシスト、ブラインドスポットアシスト、LEDインテリジェントライト、アダプティブハイビームアシスト、PRE SAFEなどを選択することが可能だ。
メルセデス・ベンツでは、スペインにあるビトリア工場に1億9,000万ユーロを投資し、新型Vクラスの製造をおこなう。ドイツ本国では2014年3月上旬から予約を受けつけ、5月に発売を予定する。