フランクフルト現地リポート｜Lexus

Lexus｜レクサス
フランクフルト現地リポート

圧倒的な存在感のレクサス「LF-NX」

今年のフランクフルトモーターショーにおけるレクサスの目玉は、事前告知していたあたらしいSUVモデル「LF-NX」。写真からはゴツゴツとしたかたまり感のあるデザインが印象的であるが、実物はどのようなものか。現地で目にした大谷達也氏からのリポート。

Text by OTANI Tatsuya

目玉は唯一のコンセプトカー

レクサスブースの目玉は、ミッドサイズクロスオーバーをテーマとするコンセプトカーの「LF-NX」。そのスタイリングでひときわ目をひくのが、キャビンとその下側にあたるボディ部分の比率である。LF-NXはボディ部分が突出して大きく、ここに全体のバランスを考えれば過剰に大きいフェンダーを前後にもうけることで、4輪が力強く大地を捉えている様子を表現している。

これはデザインスケッチの段階でよく見られる手法だが、それをそのままコンセプトカーとして仕立ててしまったところにLF-NXの“面白み”はある。また、巨大な前後のフェンダーには、垂直に切り立った整流板のようなパーツを組みあわせており、タイヤが回転することで巻き起こる渦流が、ボディサイドを流れるエアフローにあたえる悪影響を最小限に留めようとする試みもみられる。

フロントまわりでは、これも極端なまでに大きなスピンドルグリルがレクサスのブランドアイデンティティを主張。そこからやや奥まったところにごく薄いヘッドライトを置くことで3次元的な造形をつくりだしている。リア周りでは、コンビネーションライトの一部がリアフェンダーに引き込まれるような形で下方に伸び、これがボディのほぼ下端までつづく個性的なデザインが採用されている。

ボディの全長は4,640mmでホイールベスは2,700mm。パワートレーンは4気筒 2.5リッターアトキンソンサイクルエンジンとレクサスハイブリッドシステムの組みあわせで省燃費化とCO2削減を実現したという。

レクサス・ブースでは、このLF-NXが強烈な個性を放っていたいっぽうで、そのほかの展示車両は「GS」や「IS」など、既存の量産モデルばかり。つまり、LF-NXはレクサスにとって最大にして唯一の“目玉モデル”だったのである。