ジュネーブ現地リポート|Nissan & Infiniti
Nissan|日産
Infiniti|インフィニティ
ジュネーブモーターショー現地リポート
明確なメッセージがあった
インフィニティ/日産ブースではコンセプトカー「EMERG-E」、「ハイクロスコンセプト」、「インビテーション」が発表された。ジュネーブからの現地リポート。
Text by SATO Takeshi
Photographs by MOCHIZUKI Hirohiko
インフィニティはあたらしいステージへ
残念ながら日本勢で作り手の顔がはっきりと見えたのは、インフィニティ/日産だけだった。
まずインフィニティは、「EMERG-E」というミドシップのスポーツカーのコンセプトモデルを発表。
お披露目にあたっては、中村史郎CCO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)が壇上に立った。そして、欧州に進出して20年を迎える同ブランドのデザインが、あたらしいステージに入ると宣言した。
「よりスポーティでダイナミック、よりインプレッシブなデザインを目指す」という中村氏のスピーチが終わると、盛大な拍手が起こった。ちなみに中村氏によれば、EMERG-Eには「着物がフレアする雰囲気を取り込んだ」とか。
メカニズム的には、電気でふたつのモーターを駆動して走り、バッテリーがなくなると3気筒ガソリンエンジンが発電をおこなうレンジエクステンダーと呼ばれるタイプだ。
クルマは燃費だけで評価するにあらず
日産ブランドとしては2台のコンセプトカーを発表。
ひとつが「ハイクロスコンセプト」と呼ばれるSUVの習作。今後、日産製SUVのデザインがどこに向かうかを見せてくれた。SUVでありながら有機的にからみあったラインがエレガントで、ほかにはない提案だ。
もう1台、次期型コンパクトカーのコンセプトモデルだという「インビテーション」もデビュー。こちらにかんしては、ハイクロスコンセプトほどの個性は感じられなかった。
総じて、デザインを打ち出したインフィニティ/日産には「美しいもの、カッコいいものを作っていきたい」という明確なメッセージがあった。ひとはパンのみに生きるにあらず、クルマは燃費だけで評価するにあらず。あらためて、そんなことを感じた。