インフィニティ Emerg-Eが描く未来|Infiniti
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インフィニティ Emerg-Eが描く未来
日産自動車の海外向け高級ブランドであるインフィニティは発電用にエンジンを備えた電気自動車、いわゆるレンジエクステンダーEVとなるスポーツコンセプト「Emerg-E(エマージ)」をジュネーブモーターショーにて公開した。
Text by SUZUKI Fumihiko(OPENERS)
英国政府関連機関との協力から生まれた一台
1.2リッター3気筒の発電用ガソリンエンジン1つと出力150kWのモーターを2つ装備し、合計300kWのモーター出力で重量約1,600kgの車体をスタートから100km/hまで約4秒、200km/hまでなら約30秒で加速させる、インフィニティ初のミッドシップスポーツカー。それが、今回公開されたインフィニティ「Emerg-E」だ。
内蔵するバッテリーによって30マイル程度のゼロ・エミッション走行が可能で、発電用エンジンを作動させるとその10倍となる約3,000マイルを、CO2排出量55g/kmで走破できる。
このコンセプトは、市街では限りなくCO2を排出しないクルマを求めるイギリス政府関連機関、Technology Strategy board(技術戦略委員会)の意向に、パフォーマンス的にフラッグシップたりえるスポーツカーを求めるインフィニティが応じる形で生まれたものだという。
イニシアチブをとった、この技術戦略委員会は、大きな市場をもたないものの、先駆的な技術を有する大学、OEMサプライヤーなどのテクノロジーを、ビジネス的に軌道にのせ、低CO2排出車市場を早期に拡充することを目論んでいる。Emerg-Eは2台のみ生産されたコンセプトカーとなるものの、ここに使用された技術にかんしては、プロジェクトのために生み出されたコンソーシアムのメンバー間で共有され、また別の形の自動車として登場してくる可能性がある。
発電用エンジンは同様にレンジエクステンダーEVの計画を立てていたものの、このEmerg-Eのプロジェクトに協力することを選んだロータス提供だという。
デザインは、日産自動車のチーフクリエイティブオフィサー 中村史郎の指揮のもと、ロンドンはパディントンの日産デザインヨーロッパが中心となって生み出したもので、製造はクランフィールドの日産ヨーロピアンテクニカルセンターで行われた。インフィニティとしては初のヨーロッパ開発車である点も特徴のひとつだ。