第82回ジュネーブモーターショーで5車種をワールドプレミア|Peugeot
Peugeot|プジョー
第82回ジュネーブモーターショーで5車種をワールドプレミア
プジョーは第82回ジュネーブモーターショーでの出展概要を発表した。中心になるのは同社の主力である207の後継車「208」、ハイブリッドディーゼル「HYbrid4」搭載車3モデル、そしてヨーロッパ外の市場を狙ったSUV「4008」だ。
Text by SUZUKI Fumihiko(OPENERS)
再起・200シリーズ
今回のジュネーブショーでは2,700平方メートルのブースを確保し、30台の市販車、コンセプトカーを展示するというプジョー。同社の本命と見られる車種がA9の開発名で呼ばれていた「208」だ。30年の歴史を持ち、シリーズ全体で1億5千台を生産した200シリーズの最新車種となる208をもって、プジョーは欧州Bセグメント車のトップランナーに躍り出ることを狙う。スローガンは「Re-generation」。日本語にすれば再起といったところか。
全長3962×全幅1739×全高1460mmというサイズは、先代207よりもさらに小型。しかし、リアのニールームは5cm広く確保している。また、同排気量の1.4リッターHDiエンジン搭載モデルで比較した場合、先代比で110kg、同等の出力という条件で比較した場合は先代比173kgもの減量に成功。エントリーモデルの208で975kgという軽さを実現している。
標準で311リッターのラゲッジ容量は、リアシートを折りたたむことで1152リッターまで拡張できる。
ラインナップはディーゼルエンジンモデル5種類、ガソリンエンジンモデル5種類の計10種類で、さらに3ドアと5ドアを選択できる。
ディーゼルエンジンモデルでは、5車種中4車種で、e-HDiと総称される、回生ブレーキ、発進時のバッテリーからのエネルギーアシスト、アイドリングストップ機能など、燃料効率を高めるための技術群が採用される。
ガソリンエンジンでは、新しい3気筒エンジンがエコロジカルかつ、エコノミカルで人気を呼びそうだ。同等の出力の4気筒エンジンとくらべると、21kg軽く、25パーセントもCO2排出量が少ないという。207と208でエントリーモデル同士を比べた場合、CO2排出量で46g/km少ない99g/km、燃費は2ℓ/km少ない4.3ℓ/100kmを記録する。
さらにプジョーは、ガソリンエンジン中、下から2番目のグレードとなる1.2リッターVTiエンジン(最高出力60kW/6,000rpm、最大トルク118Nm/2750rpm)にアイドリングストップ技術を2013年中に組み込むほか、将来的には208のエンジンへのターボチャージャーや直噴技術の投入によるさらなる高効率化を狙っているという。またリアバンパーは完全にリサイクル素材でつくられており、それだけで年間1,600トンのオイルを削減できるなど、環境性能の高さをアピールする。
208ベースのXYコンセプトとGTiコンセプト
208をベースにした2つのコンセプトカー、「XYコンセプト」と「GTiコンセプト」も披露される。
XYコンセプトは、角度によってことなった色合いを見せる16層の特殊ペイントをほどこした、都会的なイメージを強く押し出したモデル。
いっぽうGTiコンセプトは、RCZ THP 200にも搭載された1.6リッターターボチャージドエンジンをパワートレインにもつ、スポーティなモデル。最高出力147kW(200ps)、最大トルク275Nm、6段マニュアルトランスミッションを採用し0-100km/h加速は7秒以下だ。
ディーゼルハイブリッド「HYbrid4」も登場間近
ディーゼル化が進む欧州市場に合わせたハイブリッドパワートレイン「ハイブリッド4」搭載車からは2012年夏に発売が予定される「508ハイブリッド4セダン」がワールドプレミアとなる。そのほか東京モーターショーにも登場した「3008ハイブリッド4」、フランクフルトモーターショーに出展された、ライオンの爪をイメージしたLEDによるストライプが特徴の「508RXH」も出展される。
いずれも最高出力163ps(120kW)、最大トルク300Nmの2.0リッターHDiFAPディーゼルエンジンがフロントを駆動し、定格100Nm、ピーク200Nmのトルクを発生する出力27kWの電気モーターがリアを駆動する。4輪駆動で最大総合出力200ps(147kW)、最大トルク500Nmとなり、ゼロ・エミッション・ビークル(ZEV)モードと呼ばれるモードで、EV走行も可能。プジョーによれば、この仕組みは、同サイズ、同パワーの内燃機関とくらべて30パーセントも燃料消費を軽減できるという。
4008もついにお披露目
世界的なSUV車人気をうけて、欧州外の市場を狙うモデルが「4008」だ。3008、4007ではカバーしきれない分野をうめるべく生み出されたコンパクトSUVで、ベースになったのは三菱自動車の「RVR」。ただし、デザインはプジョーらしく、ベースモデルの面影はほぼとどめていない。幅広くアレンジできるインテリアや、パノラマビューを楽しめる広いガラスルーフも特徴。
小型バンも2車種がワールドプレミア
そのほか、3008、5008、107、RCZ スポーツクーペ、そしてワールドプレミアとして「パートナー」、「エキスパート」の新型が出展される。