2012年デトロイトモーターショー現地リポート|HONDA
CAR / MOTOR SHOW
2014年12月17日

2012年デトロイトモーターショー現地リポート|HONDA

ホンダ|HONDA

2012年デトロイトモーターショー

NSXコンセプトをアンヴェール

アメリカン・ホンダモーターは、2012年北米国際自動車ショーにて、NSXコンセプトのワールドプレミアをおこなった。現地よりモータージャーナリスト、島下泰久がリポートする。

Text & Photo by SHIMASHITA Yasuhisa

ホンダが海外市場で展開するプレミアムブランドのアキュラは今回、一挙3モデルを出展。なかでも、事前のアナウンスもあってもっとも注目を集めていたのが、ホンダにとっては久々のピュアスポーツの提案となるNSXコンセプトだ。

自らプレゼンテーションをおこなったホンダの伊東孝紳社長は、次期NSXはホンダの北米オハイオ工場を生産拠点として、3年以内にデビューすると宣言。モータースポーツにも積極的に参加するという。

復活のNSX。NSXコンセプト

1990年に登場し、2005年に販売を終了したNSXの名が帰ってきた。NSXコンセプトは、軽量ボディにV型6気筒エンジンをミッドシップレイアウトで搭載し、“Sport Hybrid SH-AWD”の搭載によって優れたハンドリング性能をも獲得しようと狙う新世代スポーツカーのスタディモデルだ。

エンジンは、排気量こそ未発表だが、VTECに直噴、気筒休止などを組み合わせた新設計ユニットと謳われている。そしてSport Hybrid SH-AWDとは、エンジンとモーター内臓のデュアルクラッチギアボックスを組み合わせ、さらに前輪の左右を独立したモーターで駆動することで優れた旋回性を引き出すという電動4WDシステムのこと。旋回中の内輪の減速エネルギーを外輪の駆動に用いるなど、高い効率で効果を発揮するという。

アキュラを率いる福尾氏によれば、ボディはアルミを軸にスチール、部分的にはカーボンまで用いたハイブリッド構造となる。V型6気筒エンジン+電気モーターによって当然、動力性能もハイレベルとなるだろうが、速さより操るよろこびを重視したいとのとこだ。

「NSXの名前を使うのは大きな決断でした。非常に大きな財産を引き継ぐわけですから、現場としては逃げようがないですからね」



市販モデルは2台

そのほかに発表されたのは2台の市販モデル。2代目となるRDX、そして久びさに手ごろな価格帯のモデルとして登場したILXは、いずれも現在のアキュラのラインナップではカバーしきれていなかった若いユーザー層を明確なターゲットとする。いずれも春までには市場に投入される予定だ。

向こう3年でラインナップのすべてを刷新するというアキュラ。NSXの威光も借りて、反転攻勢開始という様相だ。

RDX

従来型よりサイズアップした新型RDX。エンジンも2.3リッター・ターボから3.5リッター自然吸気に変更されている。ダウンサイジングのトレンドには逆行しているが、気筒休止技術の採用などにより燃費はむしろ向上しているとのこと。

ILX

いつの間にか大型車ばかりになっていたアキュラのエントリーに位置づけられるILXは、2リッター&2.4リッターのガソリンエンジンにくわえて、アキュラ初の1.5リッター・ハイブリッドも用意。アクの強いデザインが、いわゆる“ジェネレーションY”にどう受け入れられるかは興味深い。

           
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