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IMPRESSION
2019年9月26日
ドイツからのライバルたちとも伍して戦える──新型レクサスRCFに試乗|LEXUS
自然吸気エンジンの魅力を存分に堪能
テストの舞台は富士スピードウェイ。1.5km近くにもなる長い直線を持つレーシングコースは、この高性能車の進化を余さず体感するには最良の舞台で、ベース車とカーボンエクステリアパッケージ装着車、そしてパフォーマンスパッケージを乗り換えながら試乗を行なった。
いずれにも共通して改めて感心、いや感動させられるのが5リッターV型8気筒自然吸気エンジンの豪快な吹け上がり、そして有り余るほどのパワーだ。吸気系の改良でエンジン本体のレスポンスを高める一方、スロットル操作に対する反応はよりリニアなものとされ、その上でファイナルギア比が下げられたこともあって、一層イキイキとしたレスポンスと正確な反応を示し、加速自体も豪快そのもの。
しかも、トップエンドに向けて心地よいサウンドを響かせながらパワーを絞り出していく様は、ドラマチックと評するのがぴったりだ。ドイツのライバルたちがターボ化に走る中、貫かれた自然吸気の魅力を存分に堪能できる。
SPORT+モードにおいて、Dレンジのままでサーキット走行にも対応できるドライブモード切り替え制御を採用したAI-SHIFT制御によって、8段DSPSの変速もさらに切れ味を増している。富士スピードウェイではもちろん、もっとタイトで変速頻度の高いコースでは、相当な武器になるに違いない。
このパワートレインにもそうだが、シャシー性能の進化にも大いにうならされた。まず全モデルに共通していえるのが、あらゆる場面で車体姿勢のフラット感が高まり、また挙動のつながりがリニアで唐突感のないものになったことだ。簡単に言えば、速さを増しているけれど、むしろ乗りやすくなっている、そのパフォーマンスを引き出しやすくなっている。そんな印象である。
TVDと呼ばれる左右後輪のトルク配分を変化させることで車両姿勢の自在なコントロールを可能にするオプションも、RC Fの走りを特徴づける要素だ。“CIRCUIT”に設定すれば安定感際立ち、“SLALOM”に切り替えればクルマが小さくなったかのような軽快なフットワークを楽しめる。