ルノー アルカナに試乗──F1マシン由来のハイブリッドシステムを搭載したクーペSUVの走りとは?|Renault
CAR / IMPRESSION
2022年5月18日

ルノー アルカナに試乗──F1マシン由来のハイブリッドシステムを搭載したクーペSUVの走りとは?|Renault

Renault Arkana|ルノー アルカナ

ルノー アルカナに試乗──F1マシン由来のハイブリッドシステムを搭載したクーペSUVの走りとは?

2022年5月26日(木)に発売されるルノーの新型クーペSUV「アルカナ」。
ルノー独自のハイブリッドシステムを搭載した同車に試乗、その走りをリポートする。

Text by OGAWA Fumio|MOCHIZUKI Hirohiko

モータースポーツの世界では広く用いられてきたギアボックスを採用

スタイリッシュなSUVとして、魅力的なルックスを持つルノー「アルカナ」が2022年5月26日に日本発売される。4月下旬にちょっと早めの試乗がかなった。ルノー渾身ともいえるガソリンハイブリッドで、意外なほど走りが力強いうえに、燃費もかなりよい。
アルカナの特徴は、1.6リッター4気筒ガソリンエンジンに、電気モーターを組み合わせた、いわゆるシリーズパラレル式と呼ばれるストロングハイブリッドシステムにある。もうひとつは、ギアボックスを採用して、加速性と高速での燃費を追求しているのも、注目すべき特徴だ。
日本のトヨタ「プリウス」やホンダ「シビックe:HEV」は、やはりシリーズパラレルハイブリッドの先達だが、欧州での使い勝手をみた場合、市街地での使用に振り過ぎているのがデメリット。高速走行時の燃費や快適性に劣るので、そのネガをつぶそうと開発されたのがアルカナなのだと説明された。
欧州では電気自動車への移行が進んでいる感があるが、長距離を走る人にとって、充電施設の不足は依然ハードルとなっている。かといって燃費で有利だったディーゼルエンジンは、排ガスの点で、もはや新型車に採用はできない。代替策として開発されたのが、今回のハイブリッドガソリンユニットなんだそう。
先述した高速走行の快適性を確保するためにルノーが採用したのが、新開発の変速機。特徴は、ドグギアを使っている点。メリットは、従来のようにクラッチやシンクロメッシュを使わない点。
滑らせないのでエネルギーが無駄にならない。しかも素早くエンジンと駆動系が締結するので、変速に要する時間も短縮できる。そのためラリーやフォーミュラカーといったモータースポーツの世界では以前から広く用いられてきた。
問題は、操作にドライバーの技術が必要となる点。いきなりギアとギアが噛み合うので、失敗すると変速できない。そこでアルカナでは、変速機のためにモーターをもうひとつ搭載。電子制御でタイミングを合わせて、動力源と駆動系のギアを締結する。
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