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2022年5月18日
ルノー アルカナに試乗──F1マシン由来のハイブリッドシステムを搭載したクーペSUVの走りとは?|Renault
ルノーが自慢する通りの、力強く意外なほど静かな走り
ギア付きの変速機を使っているので、どの速度域で加速しても、もたつくことがない。スパッと適切なギアが選ばれる。高速でも気持ちよく加速するうえに、良好な燃費が得られる。「メリットがたいへん多いシステムだし、メインテナンスも楽です」。日本法人のルノージャポンの技術担当者は、アルカナの試乗会場で説明してくれた。
ドライビングの印象は、ルノーが自慢する通り、どんな状況でも、力強く、速く、意外なほど静か、というものだ。日産「ノート」などのe-Power(駆動用バッテリーに電気を供給するためにエンジンを搭載するシリーズハイブリッド)という選択肢も、開発初期の段階ではテーブルの上に並べられていたはずだが、やはり高速走行性を考慮すると、今回が最善の策と結論づけたようだ。
アルカナのハイブリッドシステム、いいな、と思うのは、特に、中間加速といって、たとえば高速をゆっくり流していながら、ぱっとアクセルペダルを踏み込んだときだ。低いギアにすかさず入って、アルカナは瞬時に加速する。
エンジンの最高出力は69kW、最大トルクは148Nm。そこにモーターの205Nmが上乗せされる。ものすごく大きな数値ではないものの、加速性は十分。バカっ速くはないものの、気持ちよく速度が伸びていく。
足まわりの設定も、ややフロントサスペンションは硬いかなと思うものの、決して乗り心地は悪くない。路面がうねっていても、追従性がよくて、決して不快に跳ねたりしない。スムーズで、快適だ。後席も広くて、長距離が得意な感じがよく分かった。うまい設定で、欧州車ならではと感心。
運転支援システムも充実していて、ストップ&ゴー機能付きアダプティブクルーズコントロール、車線中央維持支援機能、歩行者検知機能付きアクティブエマージェンシーブレーキ、360度カメラなど、日本車に準じた装備が用意される。
クーペライクといって、輪郭が弧を描いたキャビンは見た目にコンパクトに仕上げてあり、それにタイヤの存在感を強調したボディの組み合わせ。そんなにアグレッシブでないが、埋没もしない。クルマ好きな人のクルマだなあと思う。燃費はリッターあたり22.8km(WLTC)と驚異的。価格は429万円だ。
Renault Arkana|ルノー アルカナ
- ボディサイズ|全長4,570×全幅1,820×全高1,580mm
- ホイールベース|2,720mm
- トレッド前/後|1,550/1,560mm
- 車両重量|1,470kg
- エンジン|1,597cc自然吸気直列4気筒
- エンジン最高出力|69kW(94ps)/5,600rpm
- エンジン最大トルク|148Nm(15.1kgm)/3,600rpm
- メインモーター最高出力|36kW(49ps)/1,677-6,000rpm
- メインモーター最大トルク|205Nm(20.9kgm)/200-1,677rpm
- サブモーター最高出力|15kW(20ps)/2,865-10,000rpm
- サブモーター最大トルク|50Nm(5.1kgm)/200-2,865rpm
- トランスミッション|4段ドッグクラッチマルチモードAT
- 駆動方式|前輪駆動
- サスペンション前|マクファーソン
- サスペンション後|トーションビーム
- ブレーキ前|ベンチレーテッドディスク
- ブレーキ後|ディスク
- タイヤ|215/55R18
- WLTCモード燃費|22.8km/ℓ
- 定員|5人
- 価格|429万円
問い合わせ先
ルノーコール
Tel.0120-676-365(9:00-18:00、年中無休)
https://www.renault.jp/