アウディe-tron GTに試乗──一言でいって、運転していて気持ちがいいクルマだ|Audi
CAR / IMPRESSION
2021年12月15日

アウディe-tron GTに試乗──一言でいって、運転していて気持ちがいいクルマだ|Audi

ポルシェ タイカンとの違いとは

太めのグリップを持つステアリングホイールの操作感も見事な味つけだ。走っている路面の情報を手のひらに伝えてくれるし、切り込んでいく、あるいは切り込んだあと戻していくときの車両のコントロール性も、じつにナチュラル。
読者のなかには“知ってるよ”と言う方も少なからずいると思うが、e-tron GTは、ポルシェの4ドアピュアEV「タイカン」と「J1」と呼ばれる大型ピュアEV用のシャシーを共用している。性能的には、475kWのRS e-tron GTがタイカンターボ(500kW)、390kWのe-tron GTはタイカン4S(同じ390kW)と比すことが可能。
操縦感覚は、ちょっと差が感じられた。タイカンは911を作っているメーカーの矜恃なのか、4ドアの大きめボディながら、とくにターボとターボSでは足まわりもビシっとしていて、スポーツカーを思わせるドライビングが堪能できる。
e-tron GTはいずれのモデルも、もう少し快適性に振っている。特に乗り心地は快適。試乗では短期間のうちに400kmほど走ったものの、まったく疲れない。路面への追従性はいいし、荒れたところではショックをていねいに吸収してくれる。タイカンだと4Sに近い感じだと私は思い出した。
特に、3チャンバー式アダプティブエアサスペンションを標準装備するRS e-tron GTは、比較的高い速度で長い距離を走っていくような、ドイツでの使い方にもぴったりだろう。よく出来た設定に感心。
ワインディングロードも実際は得意科目だ。日本平のてっぺんに駆け上っていく、地元の走り屋には有名なコース(もとF1ドライバーの高城虎之助氏も「若いときよく走りに来ました」と教えてくれた)は、細い幅のくねくね道。そこも快調に、とばせる。操舵の正確性にも感心させられた。
特に、試乗したRS e-tron GTには、後輪も操舵して、低速では小回りを効かせ、高速では操縦安定性を高めるオールホイールステアリングのオプションが装着されていた。そのため面白いようにカーブをとばしていけた。でも装着されていなかったe-tron GT でも充分に楽しい。要は基本の出来がいいのだ。
長い距離という点では、満充電からの航続距離の長さは、e-tron GTの、もう一つの自慢ポイントといえる。何しろ、メーカー発表のWLTCモードで534km。実際に、東京の市街地から東名高速・清水IC経由で日本平の上にあるホテルまで180km走り、充電なしで同じルートを戻ってきたところ、最後にまだ100km超走れる、と表示されていた。
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