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2021年12月15日
アウディe-tron GTに試乗──一言でいって、運転していて気持ちがいいクルマだ|Audi
Audi e-tron GT quattoro|アウディ イートロン ジーティ クワトロ
Audi RS e-tron GT|アウディ アールエス・イートロン・ジーティ
アウディのハイパフォーマンスBEV「e-tron GT」に試乗
ラインナップの電動化を推し進めるアウディが満を持して投入したBEVのフラッグシップモデル「e-tron GT」。日本に導入される、e-tron GTクワトロと、よりハイパフォーマンスなRS e-tron GTの2モデルに試乗した。
Text by OGAWA Fumio|Photographs by Audi Japan
内燃機関搭載のスポーツカーから乗り換えても違和感のない運転感覚
アウディe-tron GTが、ようやく日本でも走り出した。2021年2月に発表された、スポーティな4ドアクーペに乗れたのは、10月中旬だ。これがすばらしくよい出来で、ピュアEV(電気自動車)のスポーツモデルっていいね!と感心してしまった。
日本で発売されるのは、アウディe-tron GTクワトロと、よりパワフルなRS e-tron GT(アールエス・イートロン・ジーティ)の2モデル。基本は前後に1基ずつ電気モーター搭載の4輪駆動で、全長4990mmと比較的余裕あるサイズの、4ドアクーペ。スポーティな印象の強いスタイリングだ。
一言でいって、運転していてキモチがいいクルマだ。そもそもピュアEVって、大きな力を持つ電気モーターによるスムーズな加速感が特長なんだけれど、e-tron GTは、大排気量エンジンのスポーツカーのような、エンジン車のフィーリングが盛り込まれている。その点で、新しくて、かつ(いい意味で)古い。これまでの「e-tron」とか「e-tronスポーツバック」とはまた違う感覚だ。
e-tron GTで最高出力390kWと最大トルク640Nm。RS e-tron GTでは、475kWと830Nm。どちらのもモデルも、この数値からする性能への期待をまったく裏切らない。アクセルペダルを踏んだときの加速力はロケットを思わせる。速度計が早回しになっているんじゃないかと思えるような加速だ。これは一瞬にして最大トルクを発生するモーターならでは。
私が面白いと思えたのは、アクセルペダルに載せた足の裏に、まるでエンジンが回っているような微妙なバイブレーションが連続的に感じられるところ。
アウディジャパンの技術担当者に確認したものの、実際にアウディが意図的にバイブレーションを作っているのかは不明という。なので、私の勘違いかもしれない。でも、これが、内燃機関搭載のスポーツカーから乗り換えても、違和感のない運転感覚につながっているように思える。
RS e-tron GTには「テクノロジーパッケージ」というオプションがあって、遮音性の高いアクースティックグラスや、照度の高いレザーライトなどとともに、e-tronスポーツサウンドというテクノロジーが組み込まれている。オーディオを使って、エンジン音のような快音を合成して聞かせてくれる技術だ。これ、けっこう気分がアガる。