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2022年1月7日
次世代レクサスの第一弾モデル、新型レクサスNXに試乗──キーポイントは電動化と多彩なラインナップ|LEXUS
モーター主体で走るPHEVに対し、エンジン主体のHEV
実は新型NXの中で最も売れそうなのが、HEV(ハイブリッド)の350hだ。試乗した「バージョンL」グレードが搭載するハイブリッドシステムは、190ps/6,000rpm、243Nm/4,300〜4,500rpmの2.5リッター直4エンジンに、182ps/270Nmのフロントモーターを組み合わせたFF仕様。リチウムイオンバッテリーは容量4.3Ahで、システム最高出力はPHEVより66ps低い243psだ。
とはいえ侮るなかれ。モーターでスタートしてすぐにエンジンが始動しても、静粛性が高いので、そのノイズがあまり気にならない。しかも、急加速時にエンジン音が急に大きくなるようなラバーバンドフィールは影を潜めていて、1,760kgまで軽くなったボディを結構なスピード域までスイスイと引っ張ってくれるのだ。PHEVがモーター主体だとすると、HEVはエンジン主体で走るのだ。
ボディは、ブレージングカーネリアンコントラストレイヤリングという鮮やかなオレンジ色で、白樺林の中にあってもよく目立つ。PHEVより100万円近く低い価格設定が大きな魅力になっている。
一方、最高出力279ps/6,000rpm、最大トルク430Nm/1,700〜3,600rpmを発生する2.4リッター直列4気筒ターボエンジンとダイレクトシフトの8段ATの組み合わせを唯一のパワートレーンとするのが、「350Fスポーツ」だ。スペックの通り、初代の2.0リッターターボに比べると、よりパワフル。GRヤリスの開発で獲得した知見を生かしたレクサス初の電子制御式フルタイムAWDで四輪にパワーを伝えるとともに、前後のトルク配分はプロペラシャフトを通じて75:25〜50:50に制御される。つまり路面や車速、コーナーの大小など状況が変化したとしても、姿勢は常に安定している。
また、ボディ前後に装着したパフォーマンスダンパーと減衰力可変のショックアブソーバーを採用したAVSサスペンション、350Fスポーツ専用に追加補強したボディの下回りなどによって、走りは新型NXのバリエーション中でピカイチ。少し味付けされたエンジン音を聴きながらのドライビングはお薦めである。
最後に、最高出力201ps/6,600rpm、最大トルク241Nm/4,400rpmを発生する自然吸気2.5リッター直列4気筒エンジンを搭載したNX250は、レギュラーガソリン仕様のため経済的な面で優れているし、装備自体は充実している。ということは、走りに重きを置かないユーザーにはアピール度が高い。