コンパクトラグジュアリーSUV、レクサス NXに試乗|Lexus
Lexus NX200t|レクサス NX200t
Lexus NX300h|レクサス NX300h
コンパクトラグジュアリーSUV、レクサス NXに試乗
レクサスのコンパクトSUVとして、ヨーロッパ、日本のマーケットを意識して仕上げられた「NX」。レクサス初の2リッターターボエンジンを搭載するなど、あたらしい機構も注目される。九島辰也氏が海外と日本で試したインプレッションをお届けする。
Text by KUSHIMA Tatsuya
コンパクトで機動力のあるSUV「NX」
コンパクトSUV市場が活発だ。メルセデス・ベンツがAクラスベースの「GLA」を、BMWが3シリーズベースの「X4」をリリースした。それに対して「イヴォーク」を有するレンジローバー、ジープ「チェロキー」といったオフローダー専門ブランドも黙ってはいない。よりオンロードテイストを強め、マーケットニーズに応えている。
もちろん、国産メーカーもおなじ。マツダ「CX-5」が人気なのはご承知のとおり、スバル「フォレスター」、トヨタ「ハリアー」も高い支持を得た結果、街に氾濫している。
そんな折に生まれたのがレクサス「NX」。同ブランドにはこれまで「RX」がSUVマーケットすべてをカバーするかたちをとっていたが、そうもいかなくなってきたというのが実情だ。よりコンパクトで機動力のあるSUVが求められるようになってきた。
ではRXとNXはどうちがうのか。
その答えはシンプル。まったくの別モノだ。というのも、RXが開発されてからもはやかなり時間が経っている。当時のSUVマーケットは北米一色で、そこでの嗜好そのままに味付けされていた。
が、NXはそれとはちがう。ニューモデルNXのマーケットはいまや全世界。ヨーロッパでも通じるハンドリングとフットワークを兼ね備えている。そしてそれが可能になっているのはいまのレクサス全体の方向性がかなりその傾向を強めているから。
ISシリーズに代表されるように、今日のレクサスはかなりスポーティなセッティングで仕上がっている。「LFA」の開発を機に、このブランドは生まれ変わった。
ということで、NXのインプレッションをお届けする。ステアリングを握ったのはカナダのバンクーバー郊外と、日本を代表する避暑地、軽井沢である。
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コンパクトラグジュアリーSUV、レクサス NXに試乗 (2)
レクサスとして初のターボを搭載した「NX200t」
NXにはニュースが多い。その最たるものはレクサス初のターボエンジンだろう。“トヨタ”としてもかなり久しい。
2リッターターボエンジンを必要としたのは、マーケットを世界としたからだ。前述したように、ヨーロッパでの販売も見込んでいる。となると、日本や北米とちがってハイブリッド神話の影が薄いヨーロッパでは“小排気量+ターボ”の方がずっとウケがいいのだ。
そのエンジンだが、これがじつによく出来ている。かつての「ドッカンターボ」的な要素は微塵も見せず、スムーズに吹け上がっていく。さすがに何度かアクセルを踏み直すとラグは生じるが、そうでないとまるで自然吸気エンジンのようなフィーリングだ。
ちなみにタービンはトヨタ内製だそうだ。GTやフォーミュラではサプライヤーから供給を得ているが、NXはそうではないらしい。久々のターボエンジンだけに、「まずは自分たちでつくってみる!」と心がけたそうだ。
そんな2リッターターボエンジンを搭載した「200t」だが、カナダで乗った印象はまったくスポーティな乗り味だった。アクセルレスポンスがよくエンジンは力強い。また、ハンドリングもクイックで足がそれにしっかり追従するといった感覚だ。
あまりのクイックさに、アメリカのマーケットではいかがなものかとおもったが、そんな心配は必要ないらしい。聞くところによると北米のニーズはかなりスポーティになってきていて、今回もアメリカのメディアやジャーナリストにも好評だったらしい。なるほど、時代は変わっている――。
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コンパクトラグジュアリーSUV、レクサス NXに試乗 (3)
2.5リッターガソリン+モーターの「NX300h」
NXには200tの他にもうひとつのパワーユニットを積んだモデルがある。「300h」だ。こちらは2.5リッターガソリンエンジンとモーターを組み合わせたもの。先にカタログ掲載された「GS300h」や「IS300h」とおなじハイブリッドシステムと考えていいだろう。
NX300hを試乗してみると、今年前半、しばらくの期間「RX450h」を足にしていたこともあり、かなりしっくりカラダに馴染んだ。200tのクイックな味付けより若干だが落ち着いた感覚がRXに近い。
もちろん、モーターがグイッとクルマを押し出す感じはかなり力強いのだが、それ以外は200tの立ち上がりよりマイルド。つまり、絶対的なパワーを要求すればしっかりと応えるが、それを必要としなければゆるくも走れるというシロモノだ。この分だとJC08モードもかなり期待できそうである。
では日本ではどうか。カナダから帰国して1ヵ月後、軽井沢でテストドライブする機会を得た。国内の道路でも変わりなく元気にワインディングを駆け抜けた。各社が送り出すコンパクトSUVの中でもスポーツ度は高い。
スタイリングも写真で見るより実車の方が数倍いい。二次元だとフロントマスクばかり強調されていたが、そうではなかった。リアエンドまでシュッとしてバランスがとれている。
このほかにも、NXには世界に向けての“日本的おもてなし”があちらこちらに散りばめられている。その数はここでは書き切れないほどだ。その詳細はぜひ自身の目で確かめて欲しい。
Lexus NX200t|レクサス NX200t
ボディサイズ|全長 4,630 × 全幅 1,845 × 全高1,645 mm
ホイールベース|2,660 mm
トレッド前/後|1,580 / 1,580mm(Fスポーツは前後ともに1,570mm)
最低地上高|165 mm
エンジン|1,998cc 直列4気筒DOHCターボ
エンジン最高出力|175 kW(238 ps)/4,800-5,600 rpm
最大トルク|350 Nm(35.7 kgm)/1,650-4,000 rpm
トランスミッション|6段オートマチック
駆動方式|FF、4WD
サスペンション 前/後|マクファーソンストラット / ダブルウィッシュボーン
ブレーキ 前/後|ベンチレーテッドディスク / ディスク
燃費(JC08モード)│(2WD)12.8 km/ℓ (4WD)12.4 km/ℓ
定員|5人
価格|428-518万円
Lexus NX300h|レクサス NX300h
ボディサイズ|全長 4,630 × 全幅 1,845 × 全高 1,645 mm
ホイールベース|2,660 mm
トレッド前/後|1,580 / 1,580mm(Fスポーツは前後ともに1,570mm)
最低地上高|170 mm
エンジン|2,493cc 直列4気筒DOHC + モーター
エンジン最高出力|112 kW(152 ps)/5,700 rpm
フロントモーター最高出力|105 kW(143 ps)
リアモーター最高出力|(4WDのみ)50 kW(68 ps)
エンジン最大トルク|206 Nm(21.0 kgm)/4,400-4,800 rpm
フロントモーター最大トルク|270 Nm(27.5 kgm)
リアモーター最大トルク|(4WDのみ)139 Nm(14.2 kgm)
トランスミッション|電気式無段変速機
駆動方式|FF、4WD
サスペンション 前/後|マクファーソンストラット / ダブルウィッシュボーン
ブレーキ 前/後|ベンチレーテッドディスク / ディスク
燃費(JC08モード)|19.8km/ℓ(FFの標準もしくはIパッケージは21.0 km/ℓ)
定員|5人
価格|492-582万円
レクサスインフォメーションデスク
0800-500-5577(9:00-18:00、無休)