プレミアムSUVの行く末を占う新型レクサスRX|Lexus
CAR / NEWS
2015年4月17日

プレミアムSUVの行く末を占う新型レクサスRX|Lexus

Lexus RX|レクサス RX

プレミアムSUVの行く末を占う新型レクサスRX

今月はじめに開催されたニューヨークオートショーで、レクサスは4代目となる「RX」を発表した。ショー会場でデビューの瞬間を目撃したモータージャーナリストの九島辰也氏が、その模様をお届けする。

Text by KUSHIMA Tatsuya

アメリカで高い注目度

あまり話題になっていないかもしれないが、今年4月の頭に開催されたニューヨーク オートショーには今後のプレミアムSUVマーケットをリードしていくであろう2つのモデルが発表されている。メルセデス・ベンツ「GLE」とレクサス「RX」だ。アンベールされたのはどちらも市販車。つまり、今年われわれの前に姿を現す代物となる。

この2台がプレミアムSUVマーケットの近未来を占うのは歴史が物語っている。どちらも初代が誕生したのは1997年。北米で販売を開始したのがはじまりだ。メルセデスは「Mクラス」として登場したが、当時のそれはセンセーショナルだった。ヨーロッパのプレミアムブランドが本格的にSUV市場に参入してきたのだから。ただ当時のMLは今日のそれとは大きくちがった。構造はラダーフレームを採用し、トーイング(牽引)などアメリカにおけるSUVの使われ方に準じたのである。

これに対しまったく逆のアプローチをしたのがレクサスだった。RXはモノコックボディ構造。カテゴリー初となるパッセンジャーカーベースのSUVをつくった。これが画期的だったのは言わずもがな。初めて乗用車ライクなSUVが誕生したのである。

ちなみに、BMWが「X5」をリリースしたのはその直後の1999年。メルセデスに一歩遅れたが、彼ららしいモノコックボディの走りに徹したコンセプトがウケ大ヒット。現行型は2013年にフルモデルチェンジしたもので、当時のそれを継承している。

さて、そんなRXの新型発表を目の当たりにしたので、ここで報告しよう。

レクサスのプレスカンファレンスはプレスデー初日の朝一番、発表の場は展示ブースではなく、別の会場が用意されていた。

過去「GS」のフルモデルチェンジのときもそうであったが、レクサスはニューヨークでその方式をたびたびとる。それだけこの街でのレクサスに対する注目度は高く、アメリカをはじめとする多くのメディアが殺到することを予測しているのだ。

よって、当日の会場は“超”が付くほど満員。テレビカメラも多く入りその動向を見つめた。レクサスがアメリカで年間販売台数30万オーバーを稼ぐブランドであることを実感させられる。

Lexus RX|レクサス RX

プレミアムSUVの行く末を占う新型レクサスRX (2)

後席の快適性が向上

ベールを脱いだRXはまさに今日的レクサスであった。RXらしさを持ちながらスピンドルグリルが強調される。言ってしまえば、「NX」顔だ。ただ、全体的なシルエットはより伸びやかで優雅さを感じる。リアクォーターピラーがブラックアウトされルーフが浮いているように見える。そしてL字型の三眼LEDヘッドライトがシャープさを出す。レクサスの先進性をあらわす未来的なアイテムと言えるだろう。

ディメンションは従来型よりホイールベースを50mm延長し、20インチのホイールを標準装備できるようになった。つまり、優雅でありチカラ強い。NXとの差別化はしっかりおこなわれたようだ。スリーサイズは4,890×1,895×1,690mmとなる。

インテリアもまた進化した。大型モニターによる操作性の向上を予感させると同時に、シックで上質感を得たようだ。子供っぽくないところがまた良い。さらに、今回はリアシートの快適性も見直しが図られた。レッグルームが広がったほか、電動リクライニング機能やシートヒーターが装着されるなど、ショーファードリブン的要素が濃くなった。

グレードはふたつで、「RX350」と「RX450h」となる。ちがいはパワートレーンで、前者に3.5リッターV6ユニット、後者に同排気量のV6とモーターを搭載する。駆動方式はFWDと4WD。F SPORTにはあらたにチューニングした電動アクティブスタビライザーが装着され、コーナリングを安定させる。

このほかでは安全面にかんする電子デバイスが多く目に付く。プリクラッシュセーフティ、レーンキーピングアシスト、オートマチックハイビームなどなど、トレンドのてんこ盛りだ。安全運転支援の強化はアメリカで販売する上でも大事なポイントとなる。

まだ実際に動かしていないのでなんともいえないが、NXの走りに鑑みると、新型RXへの期待は膨らむ。国際試乗会がおこなわれるのはこの夏。9月はじめにはそのリポートをお届けできることだろう。気になる諸兄の皆々様、もう少々お待ちくだされ。

           
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